2015年12月19日土曜日

老後の積立金 市が認める 一度生活保護打切りの後で

 金沢市生活保護を受けていた67歳男性が、老後のための費用として毎月の保護費の一部を積み立てていたお金を市が資産と見なして生活保護を打ち切りました
 男性が「積立金は将来、介護や医療を受けたり高齢で転居を余儀なくされた時の資金だ」などとして再審査を請求した結果、金沢市は一転して将来への積立金を認め、保護を打ち切っていた期間の支給額を支払うことになりました。
 金沢市は「男性への聞き取り調査が不十分で積立金の詳しい目的を把握出来なかった」としています。
 男性の弁護士は「ほかにも不当な処分を受けている受給者がいる可能性があり、注視していく必要がある」と話しています。 
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生活保護 老後の積立金認める
NHK NEWS WEB 石川 2015年12月17日
金沢市で生活保護を受けていた男性が、老後のための費用としてお金を積み立てていたところ、金沢市が資産と見なして一度、生活保護を打ち切りましたが、男性が再審査を請求した結果、金沢市は一転して将来への積立金を認め、保護を打ち切っていた期間の支給額を支払うことになりました。
 
 金沢市などによりますと、市内で生活保護を受けていた67歳の男性が、毎月の保護費の一部を積み立てていたところ、市が資産と見なして去年2月に保護を打ち切りました。
これについて男性は「積立金は将来、介護や医療を受けたり高齢で転居を余儀なくされた時の資金だ」などとして、市に決定を取り消すよう求めていました。
 男性は保護を打ち切られたあと積立金を使い果たし、再び生活保護を受給するようになりました。
 
 これを受けて金沢市が改めて調査した結果、「将来への積み立てという目的があり、生活保護費を充てることが制度に反しているとは言えない」として、廃止の決定を取り消し、打ち切っていた期間の保護費100万円あまりを支払うことになりました。
 
 金沢市は「男性への聞き取り調査が不十分で積立金の詳しい目的を把握出来なかった」としています。
 男性の弁護士は「ほかにも不当な処分を受けている受給者がいる可能性があり、今後しっかりと注視していく必要がある」と話しています。