2015年12月23日水曜日

23- 戦争法の違憲性問う 全国で年明け以降2つの訴訟 

 全国の弁護士有志でつくる「安保法制違憲訴訟の会」は21日、年明け以降、国を相手に同法の違憲訴訟を全国各地で起こす方針を明らかにしました。
 戦争法に基づく自衛隊の出動の差し止め請求(差し止め訴訟)と、平和的生存権侵害などによる精神的損害の賠償請求(国賠訴訟)の二つの裁判を起こす方針で、原告代理人となる弁護士全国で約300人すでに集まったと報告されました。
 
 日本の従来の裁判では、具体的な権利侵害が起きていることが必要とされてきましたが、共同代表の一人・伊藤真弁護士は、「まだ何も事件が起こっていないというのはとんでもないことで、個人の具体的な精神的苦痛という損害がまさに生じている」と語りました。
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戦争法の違憲性問う 弁護士ら方針 全国で提訴へ
しんぶん赤旗 2015年12月22日
 戦争法発動を阻止しようと、全国の弁護士有志でつくる「安保法制違憲訴訟の会」は21日、国を相手に同法の違憲訴訟を年明け以降、全国各地で起こす方針を明らかにしました。同会共同代表らが、国会内で記者会見しました。
 
 原告は、一般市民をはじめ、戦争体験者、基地の周辺住民、戦争法で活動が妨げられるNGO関係者、医療従事者などを想定。広く訴訟への参加を呼びかけています。
 戦争法に基づく自衛隊の出動の差し止め請求(差し止め訴訟)と、平和的生存権侵害などによる精神的損害の賠償請求(国賠訴訟)の二つの裁判を起こす方針。国賠訴訟では、解釈改憲により改正手続きに必要な国民投票権などが侵害されたことも根拠に挙げています。
 差止訴訟は、来年3月に戦争法が施行された後、高裁所在地の全国8地裁に提訴する予定。国賠訴訟は8地裁に加え、全国の地裁でも起こします。準備が整えば、施行を待たず提訴もあるといいます。
 原告代理人となる弁護士が全国で約300人すでに集まったと報告されました。
 
 日本の従来の裁判では、法律自体の違憲判断はできず、具体的な権利侵害が起きていることが必要です。共同代表の一人・伊藤真弁護士は、「まだ何も事件が起こっていないという声もあるが、とんでもない。憲法違反の法律ができ施行される、これほど大きな事件は他にない。個人の具体的な精神的苦痛という損害がまさに生じている」と語りました。
 記者会見には、共同代表の寺井一弘、角田由紀子、田村洋三の各氏らが出席しました。
 
 
安保関連法 来春にも違憲集団訴訟…弁護士ら参加呼びかけ
毎日新聞2015年12月21日
 全国の弁護士有志でつくる「安保法制違憲訴訟の会」が21日、安全保障関連法の違憲性を問う大規模な訴訟を来年春にも起こす方針を明らかにした。憲法に違反する安保法制に基づく自衛隊の出動や活動の差し止めと、憲法が保障する平和的生存権などの侵害で精神的苦痛を受けたとして国家賠償を求める。 
 
 同会は安保関連法に反対する弁護士や元裁判官らで9月に結成され、現時点で約300人の弁護士が原告代理人になる意向を示しているという。原告には戦争体験者や基地・原発周辺住民、NGO関係者らを想定し、幅広い参加を呼びかける。自衛隊出動などの差し止め訴訟は来年3月の安保関連法施行後に、また国家賠償請求訴訟は準備ができ次第、全国各地で起こす構え。 
 会は21日、東京都内で記者会見した。共同代表の寺井一弘弁護士は「立憲主義に背き、民主主義と平和主義を崩壊させる(法成立の)暴挙に、多くの市民は驚きと怒りを抱いている」と訴えた。 
 
 共同代表の伊藤真弁護士は「『まだ法律ができただけ』という声を聞くが、とんでもない。憲法違反の法律ができ、施行される。まさに個人の具体的な精神的苦痛が、いま生じている」と述べた。 
 この動きに対し、中谷元(げん)防衛相は21日、防衛省内で報道陣に「国会でも何度も説明した通り、安保法は憲法の枠内だと考えている。我が国の存立をまっとうし、国民の平和なくらしを守るために必要不可欠だ」と話した。 【樋岡徹也】