2015年12月22日火曜日

22- 野党は力を結集してほしい

 参院選に向けて力の結集を呼びかける2つのブログを紹介します。
 
 一つは植草一秀氏のもので、一人ひとりの主権者の力を結集できれば、日本の政治を変える力になると述べる一方で、安倍政権は2016年7月10日の衆参ダブル選の可能性を念頭に入れているという警告です実際に自民党の衆院議員たちは本気でその準備に入っているとも聞きます。
 植草氏は、「直ちにそのダブル選の準備に取りかかり、総選挙で安倍政権を退場させなければならない。カギを握るのは、候補者一本化である。これを主導すべきは、主権者である」としています。
 
 もう一つは田中龍作氏のもので、20日におこなわれた「立憲主義の回復、安保法制の廃止、野党市民連合の可能性を探るシンポジウム(主催:自治体議員立憲ネットワーク)を報じた記事です。
 冒頭に、「手をこまねいていたら自民は大阪維新と くっついて(来夏の参院選で)3分の2取る」という口二郎法政大教授によるきわめて刺激的な予測が書かれてあります。
 そして「野党各党や支持母体は危機感を持って統一候補を選んでほしい。今度の参院選挙を日本史上最後の普通選挙としないためにも」と結ばれています
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主権者の力の結集が安倍政権退場の原動力
植草一秀の「知られざる真実」 2015年12月21日
12月20日の日曜日に二つのイベントが開催された。
IWJ主催の『饗宴Ⅵ』 http://iwj.co.jp/feature/symposion6/   
「TPPなんかいらない12.20新宿アクション」 https://twitter.com/nothankstpp?lang=ja 
である。
 
私は『饗宴Ⅵ』第1部に出演し、そのまま新宿に移動して、「TPPなんかいらない12.20新宿アクション」に参加し、再び品川の『饗宴Ⅵ』に戻って参加者のみなさまと時間を共有した。
いずれのイベントも、天候にも恵まれ、大成功に終わった。
一人一人の力は小さなものである。しかし、「微力でも無力ではない」この力を結集できれば、大きな力になる。日本の政治を変えることができる
 
2009年に政権交代が実現したとき、日本を支配ししてきた勢力は震撼した。この流れを止めることが出来なければ、日本の支配構造が根底から覆される。その危機感を有したと思われる。その結果として、日本の改革を牽引した小沢一郎氏と鳩山友紀夫氏に対する人物破壊工作を激化させた。
既得権勢力の総攻撃によって鳩山政権は破壊され、菅直人傀儡政権が構築された。
その後、同じ傀儡政権である野田佳彦政権が、財務省の命令によって消費税増税法を制定し、安倍自民党に大政を奉還したのである。
 
安倍自民党への大政奉還が実施されたのが、いまから3年前。そして、この3年間に日本の政治は完全に元の木阿弥、あるいは、それ以下に引き戻されてしまった。
この現状をどう打破するか。これがいま問われている課題である。
2016年夏には参院選が実施される。この参院選で安倍自公政権を後退させることが絶対に必要である。
そして、最大の総決戦になるのが、次の衆議院議員総選挙である。
 
問題は、この総選挙が、2016年に前倒し実施される可能性があることだ。
参院選は、参院の任期満了日、選挙権獲得年齢を18歳に引き下げる改正公選法施行日、および連休、夏休みの要因を考慮すると、2016年7月10日投開票になる公算が高い。
他方、衆議院については、任期満了が2018年12月だから、2016年に選挙を実施することは不当だ。正当でない。しかし、正当でないことを強行するのが安倍政権の特徴だから、2016年の総選挙は十分にあり得るシナリオである。
安倍政権は通常国会日程を2016年1月4日から2016年6月1日に定めた。この日程に策略が込められている。衆議院が解散されると、解散の日から40日以内に選挙を実施しなければならない(日本国憲法第54条。この40日目が7月10日にあたる。
安倍政権は明らかに2016年7月10日の衆参ダブル選の可能性を念頭に入れているのだ。
 
「安倍政治を許さない!」に賛同する主権者の側が、2016年7月衆参ダブル選への備えを進めているのかが問題なのだ。
直ちにその準備に取りかかり、総選挙で安倍政権を退場させなければならない。カギを握るのは、候補者一本化である。これを主導すべきは、主権者である。
 
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(以下は有料ブログのため非公開)
 
 
山口教授「自民は大阪維新とくっついて分の2取る」
田中龍作ジャーナル 2015年12月20日
 「手を こまねいて いたら自民は大阪維新と くっついて (来夏の参院選で)3分の2取る」。こう予測するのは法政大学の山口二郎教授(政治学)だ。
 選挙情勢に詳しく政界の事情にも明るい山口教授の分析だけに現実味がある。理由は野党共闘が上手く行っていないことにある。
 「あそこの党とは政策が違う」「あそこの党と一緒にやると中道保守の票が減る」・・・自分の尻に火が点いていることに気づいていない野党第一党の決まり文句だ。現実認識に著しく欠ける。
 このまま進むと改憲され、民主主義が根こそぎ破壊されてしまう・・・危機感を抱く地方の野党議員が「立憲主義の回復、安保法制の廃止、野党市民連合の可能性」を探るシンポジウムをきょう、都内で開いた。(主催:自治体議員立憲ネットワーク)
 
 冒頭の衝撃的な予測は、シンポジウムの中で飛び出したものだ。
 
 地方議員から参院選挙の候補者調整をめぐる報告があった。
 「山形県は舟山康江氏(前職)で一本化しつつある。無所属の統一候補として民主、社民、連合山形が推す」。山形市議会議員の石澤秀夫氏(社民)が現状を述べた。
 石澤氏は「共産党は候補者を降ろしてくれるのではないか・・・」と期待を示した。きょうのシンポジウムに出席していた共産党の山下芳生書記局長に“陳情”した格好だ。
 
 新潟市議会議員の中山均氏(みどりの党)は、楽観的な見通しを示した―
 「共産党は候補者が統一されれば(今立てている候補予定者を)降ろす用意があると言っている」と。
 この件について筆者は山下書記局長に確認した。書記局長は「誰が統一候補を決めるんですか?」と厳しい表情で答えた。
 候補者統一は容易ではないようだ。参院選挙まで6ヵ月余り。もう時間がない、と焦る向きもある。
 
 沖縄県議会議員の仲村未央氏は、衆院・沖縄4区の例をあげた。
 昨年の衆院選で「オール沖縄」方式により仲里利信氏を擁立することを決めたのは、公示のわずか3週間前だったという。準備期間が極端に短かったにもかかわらず、仲里氏はみごと当選した。
 
 選挙はタマ(候補者)だ。魅力的な候補者を立て全野党が結束しないことには、自民・公明・大阪維新には勝てない。
 野党各党や支持母体は危機感を持って統一候補を選んでほしい。今度の参院選挙を日本史上最後の普通選挙としないためにも。
~終わり~