2015年12月7日月曜日

07- 米空軍、IS爆撃用の爆弾が不足に 使用量増大で

 米空軍は、イラクやシリアのISの拠点空爆を始めてから15カ月間で爆弾やミサイル2万発以上を使用した結果、在庫分が減り早急な補給が迫られているということです。
 米空軍機の出撃回数は今年1月からの10カ月間で約1万8000回。このうちの半分以下で兵器を使用し2014年の場合は、出撃回数の約3分の1で兵器を使用していました。
 
 しかしその割に、ロシアがシリアに依頼されて空爆に初めて参加した9月30日までは、ISがほとんどダメージを受けていなかったのは本当におかしな話しです。表向きの話は兎も角として、アメリカにはISを殲滅する意思がなかったということです。その代わり猛爆を受けた1千万人のシリア国民が土地を離れ、国境を越えていま避難者とし流浪しているわけです。
 
 アメリカは巨大な軍事産業と闇の資金を抱えていて、「常に戦争をしなければ国家がもたない」という状態にあると言われています。しかし1国で他の世界中の軍事費を上回るほどに強大になっているアメリカと戦争をする国など何処にもいません。そのことを知っているアメリカは9・11の前に、今後はテロ勢力を相手の戦争を継続していく方針を立てました。9・11はまさにその筋書きにピッタリの出来事でした。
 
 対テロ戦争は空爆が主体になりますが、1年余りでアメリカのミサイルや爆弾の在庫がなくなるほどの勢いで消費するのですから、米軍需産業にとっては願ってもないことです。
 その状態をずっと継続するためにはISを温存する必要があるのでしょう。対テロ戦争とは実に非道なものです。
       
     (関係記事)
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          2015年2月28日 アメリカは建国後合計222年間=93%の年間 戦争をしてきた
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米空軍、ISIS爆撃用の爆弾不足に 使用増大で
CNN JAPAN 2015年12月5日
ワシントンCNN 米空軍は5日までに、イラクやシリアでの過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」の拠点空爆で米軍機が使った爆弾やミサイルの総数が過去15カ月間で2万発以上となって在庫分が減り続け、早急な補給が迫られる状態に陥っていることを明らかにした。
このため兵器類補給に必要な財政措置や迅速な増産態勢の構築を求めているともした。
 
米空軍のウェルシュ参謀総長は声明で、爆弾などの使用量は補充が追い付かないペースで増えていると指摘。B1爆撃機が投下する爆弾数は新記録となり、多種の兵器を積むことが可能で幅広い使途の任務に活用出来るF15E型戦闘機の出動回数も多くなっているなどと指摘。「長期の戦いに備える上で必要な資金の手当てが非常に重要」と述べた。
 
米軍によるISIS拠点への空爆は昨年8月から開始された。
米空軍当局者は、予備用に蓄えている弾薬などの現在の量について望ましい水準以下にあると述べた。その上でミサイル「ヘルファイア」などの増産を可能にする財政措置を求めたことを明らかにした。また、備蓄分の補給をより早く実現させるための兵器増産計画を作成しているとも述べた。補給には費用の支払い完了日から最大で4年かかる場合もあるとしている。
最新データによると、米軍機の空爆任務での出撃回数は今年1月からの10カ月間で約1万8000回。このうちの半分以下で兵器を使用しとしている。2014年の場合は、出撃回数の約3分の1で兵器を使用していた。
オバマ大統領によるISIS掃討戦については共和党から手ぬるいなどとの批判が続いている。特に来年の米大統領選の共和党指名候補に名乗りを上げた政治家らの間での反発が強い。同党の右派は交戦規定の緩和やより積極的なISIS壊滅作戦も主張している