2015年12月2日水曜日

02- 「憲法9条守り抜く」 九条の会が「町民のつどい」 

紀伊民報 2015年12月2日
 和歌山県のみなべ「九条の会」(柳田孝二代表世話人)は29日、みなべ町芝の町公民館で同会の結成10周年記念として「第6回平和を願う町民のつどい」を開いた。町内外から約100人が参加してこれまでの取り組みを振り返るなどし、柳田代表世話人(66)=同町芝=が今年9月に安全保障関連法が成立したことを踏まえ「何が何でも憲法9条を守り抜く、戦争法(安保関連法)を廃止させる」などと決意を述べた。 
 
 「九条の会」は、憲法9条の理念を守るために、作家の大江健三郎さんや哲学者の鶴見俊輔さん(故人)ら9人が呼び掛け人となり2004年6月に結成した団体で、それに呼応する形で全国各地で九条の会が発足。みなべ「九条の会」も05年10月23日、「戦争出前噺(ばなし)」として自身の戦争体験を全国各地で1314回語り続けた本多立太郎さん(故人)を初代の代表世話人として発足した。 
 
 これまで憲法9条改定に反対する署名活動に取り組んだ他、2年ごとに「町民のつどい」を開催したり、基本的に毎月1回の街頭宣伝活動「ピースアピール」を続けたりといった活動に取り組んでいる。 
 
 この日は、同会の10年を振り返るDVDを見た後、主催者を代表し、柳田代表世話人が「結成10年だが、何の因果か今年、安倍内閣が戦争法を強行成立させた。強行成立はされたが、その日から法を廃止する運動が日に日に高まりと広がりを見せてきている。2千万人の署名を集めるなどの取り組みがなされており、われわれも全国の仲間と一緒になって戦争法廃止に向けての運動をさらに大きなものにしていかなければ」と強調。「これまでの仲間内だけではなく、もっと幅広く、青年や若いお母さんたち、いわゆる保守と言われている方々にも積極的に働き掛け、理解と支持をしていただけるような取り組みをしなくてはならない」などと訴えた。 
 
 来賓の小谷芳正町長も「一番大事なのは戦争体験者の話を戦争を知らない若者に聞かせてあげること。町民を預かる立場として二度と戦争を起こしてはいけないし、悲惨さを若者に語る機会を増やせればと考えており、ご協力をお願いしたい」などと述べた。 
 
 引き続き「子どもたちが命を奪われたり、奪ったりするようなことにしてはならない」などとして「9条ママnetキュッと」をつくって活動しているソプラノ歌手の前田佳世さん(田辺市明洋2丁目)が歌とトークを行い、「おひさま」「いのちのリレー」「多喜二へレクイエム」「アヴェ・マリア」などの歌を披露。「10年継続されてきたのはすごいこと。子どもたちの未来のために何があっても負けないという気持ちでやっていきたい。平和の種を一緒にまいていきましょう」などと呼び掛けた。 
 その後の総会では、会員の拡大や2千万人の署名に取り組むことなどを決めた。 
 
■10周年記念で冊子 町民有志の9条への思い  
 みなべ「九条の会」は10周年記念事業として、町民有志41人の憲法9条への思いをまとめた冊子を作った。 
 同会では2006年から毎年、憲法記念日(5月3日)に町民有志の9条への思いをつづったチラシを作成。新聞折り込みなどで町民に訴えてきたが「熱い思いをこのまま埋もれさせてしまうのは忍びない」などとして冊子化に取り組んだ。非売品だが、町立図書館や公民館などに寄贈するという。 
 
 問い合わせは川村誠治さん(0739・72・2869)へ。