2015年11月23日月曜日

前原、細野、長島らは安保法制推進派 米ジャパンハンドラーと癒着

 ここにきて民主党解党論を唱えだした前原誠司元外相細野豪志政調会長について、LITERAは彼らは大元でアメリカのいわゆるジャパンハンドラーと結託していて、安保法制を推進しようとするグループに他ならないことを明らかにしました。
 陰の主役は民主党の長島昭久であり、決して共産党を組むことはない、そういう考え方の人は他にも多くいると述べています。
 
 この話はいわば公然の秘密であり、この際、前原、細野、長島をはじめとして「安保法制に賛成している人たちは民主党を出てゆくべきである、そうすれば民主党もすっきりした党になる」というのが、インターネット界の見方です。
 
 自民党に内通する部分、あるいは自民党と合流した(い)部分をいつまでもかかえていては、国民が民主党を野党として支持する筈がないので、このままでは自然消滅の道をたどることになります。
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民主党解党を画策の前原、細野、長島の本音は安保法制推進!
 背後に米国ジャパンハンドラーとの癒着が
LITERA 2015年11月22日
 ここにきて、急速に民主党解党論が再燃している。発端は、11月12日に前原誠司元外相が岡田克也代表に民主党を解党して新党結成で維新の党と合流すべきだと進言したことだ。その前日の11日には、前原氏と細野豪志政調会長が維新の党の江田憲司前代表と会談し、双方の党を解党して新党をつくる方向で意見が一致したという。
 
 その後、岡田執行部が解党要請を拒否して表面上は収まったかのように見えているが、火種はまだくすぶっている。
 今月16日、都内のホテル(ルポール麹町)で「これが我々の野党再編・政権奪還戦略だ!」と題するセミナーが行われた。主催は今回の騒動の黒幕といわれる長島昭久元防衛副大臣で、ゲストには細野氏のほか馬淵澄夫元国交相が顔を揃えた。
 その詳報が翌日の「産経ニュース」で配信された。これを読むと、解党騒動の背景がよくわかる。この3人(とくに細野氏と長島氏)が強く主張しているのが、要するに安全保障政策については「現実的対応」をすべきだ(つまり集団的自衛権行使容認)ということと、共産党との協力はいかなるケースも「ありえない」という2点なのだ。
 
 発言のいくつかを拾ってみると──。
「SEALDsのデモの先頭に立つなんて論外だ」「国家の基本問題に対して、彼らが言っているような『戦争反対』で通用するはずがない」「そんなものは共産党にまかせておけばいい」「万年野党をやらせるなら共産党の右、いや“左”に出る政党はない」「ここを脱却しなければ、政権復帰は難しい」「国際的にみると、共産主義を掲げる政党がこれだけの議席を持っている先進国は珍しい」「共産党と民主党が組むという選択は明確にない」「とくに安保の問題については一線を引いていく」「共産党とは一緒にできない」「『選挙協力』はいかんと思う」
 
 細野氏が、民主党が掲げるべき柱として(1)内政はリベラル、(2)安全保障は現実対応、(3)そして改革──をあげ、「この3つの旗であれば、きょうは(維新の党の)石関(貴史)さんも来られているし、柿沢(未途)さんも来られていますけれども、お二人も乗れるんじゃないかと思うんです」と発言し、会場にいた柿沢氏が手で「マル」のサインを送る場面もあったという。
 
 表向きは「リベラルと改革」の旗を掲げて野党再編をして政権を狙うと言っているが、発言内容を見ればおわかりのとおりホンネは真逆と言っていいだろう。冒頭のニュースも解党要請というよりは、現執行部への叛旗であり、共産党との連携や安保法制廃止の動きに対する牽制なのだ。大手紙政治部記者が解説する。
「まさに民主党内のイデオロギー闘争と言っていいでしょう。主役は前原、細野、長島の3人です。彼らが恐れているのは共産党が提唱する『国民連合政府』構想が実現して、安保法制が廃止になること。岡田代表も『連合政府』には躊躇があるが、候補者調整などの選挙協力なら歓迎との姿勢を見せたことがあった。たとえ選挙協力だけでも共産党と手を組めば、安保法制廃止、辺野古反対に舵を切らざるを得ないので、それをさせないためにも、あの手この手で揺さぶりをかけているんです」
要は、前原氏らが目指しているのは、反共産の“安保法制推進党”ということなのだ。
 前原氏自身もそのことは隠していない。今月14日の読売テレビの番組で「政権を取りに行くのであれば(安全保障政策は)現実対応すべきだ」と述べ、安保法制の廃止や撤回を考えていないことを明言している。また、共産党との連携についても「(共産党は)シロアリみたいなもの。協力したら(民主党の)土台が崩れる」と端から否定の立場なのだ。なぜ、そうなのか。
 
 そもそも前原氏は京大で親米現実主義保守派の理論的支柱とされた高坂正堯教授の薫陶を受け、松下政経塾を経て政治家になった人物だ。安倍晋三首相とは同期当選で議員会館も隣の部屋だったことから、安保政策では気心の知れる仲になった。2000年代の初めには自民党防衛族の石破茂氏らとも気脈を通じ、勉強会を開いて、集団的自衛権行使容認はもとより、徴兵制や核武装論にまで言及していたという。その石破氏に、やはり自民党の米田建三氏らを加えて「新世紀の安全保障を確立する若手議員の会」(新世紀安保議連)の世話人をやっていたこともある。
 
彼らに共通するのは、若手議員のころからCSIS(米戦略国際問題研究所)などの在米シンクタンクを頻繁に訪れ、アメリカの超党派知日派(ジャパンハンドラー)との交流に熱心だったことだ。リチャード・アーミテージやジョセフ・ナイ、マイケル・グリーンといった連中だ。集団的自衛権行使容認は彼らジャパンハンドラーの悲願だった。
 
 この日米ネオコンの橋渡し役を長く担っていたのが、2007年に発覚した防衛庁汚職に絡んで所得税法違反などで逮捕された秋山直紀氏だ。日米防衛人脈のフィクサーとして永田町では知る人ぞ知る存在だった。その秋山氏が専務理事を務めた社団法人「日米平和・文化交流協会」が親米ネオコン議員の溜まり場になっていたという。当時の登記簿を見ると、その一端が垣間見られる。錚々たるメンバーが理事に名を連ねているのだ。
 
自民党からは安倍氏、石破氏、中谷元氏、額賀福志郎氏、久間章生氏ら、財界からは葛西敬之・JR東海会長のほか、三菱系の重役たち。米政府関係者では元国防長官のウィリアム・コーエン氏、元国務次官のウィリアム・シュナイダー氏、元駐日大使のマイケル・アマコスト氏……と、いずれも大物ぞろいだ。そして、こんな面々の中に民主党ネオコン議員筆頭の前原氏もしっかり名前を刻んでいた。当時を知る関係者は言う。
「協会が主催するフォーラムが年に2回、5月はアメリカ、11月は日本で開催されます。アメリカでの開催時にはネオコン派を中心とする日本の国会議員が大挙してワシントンを訪れ、秋山さんの手引きでシンクタンクや軍需関係企業を回ってジャパンハンドラーや安保ロビイストにコネクションをつけるんです。アメリカの側からすると、アメリカの国益を代弁させる親米派議員をつくるツールでした。その意味で、前原氏は早くから野党の親米派として取り込まれていったというわけです」
民主党解党騒動の背後にも、やはりジャパンハンドラーの影がチラついている。
 
前原氏と並ぶキーマンが長島昭久氏だ。党内右派の筆頭格で、今年6月には櫻井よしこ氏が理事長を務める極右シンクタンク「国家基本問題研究所」のホームページに「目を覚ませ、民主党!」と題した痛烈な執行部批判の寄稿を掲載した(ちなみに、前出の長島氏主催のセミナーには、過去に櫻井氏が講師として登壇している)。前原氏と同い年だが政治家としては弟分に当たる。元は自民党の石原伸晃議員の公設第一秘書で、その後、アメリカに渡りワシントンD.C.のジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院で国際関係論を学び修士号を取得する。
1997年には日本人として初の米外交問題評議会の研究員に選ばれている。米外交問題評議会は米ロックフェラー財団に支配されるシンクタンクを含む超党派組織で、アメリカの外交政策決定に強い影響力をもつと言われる。外交誌「フォーリン・アフェアーズ」の刊行元としても知られている。長島氏は、この日本人初の米外交問題評議会研究員の肩書きをウリに2003年に初当選する。その意味では、長島氏は日本の政治家というよりは、アメリカの国益のために日本の政界に送り込まれた親米派リーダー候補のひとりと言っていいだろう。
 
安倍首相と同じくアーミテージ・ナイリポートの忠実な信奉者で、野党議員であるにもかかわらず安保法制の成立を喜んでいた。9月20日付のツイッターではこうつぶやいている。
〈抑止力の維持強化とともに、平和外交に徹し、この安保法制が文字通り「戦争法」でないことを天下に示さねばならない。それは、発足当時多くの憲法学者から「違憲」と断定され、国民の多くから税金の無駄遣いと罵られた自衛隊が、数十年かけて合憲の存在として国民の信頼を勝ち得たように…〉
 万一、民主党が共産党と組んで安保法制廃止や辺野古反対を言い出したら、アメリカにどんな報復をされるかわからない。だから必死にならざるを得ないのだ。
 
 民主党の“隠れ安保法制賛成派”には、前原氏、長島氏のようなジャパンハンドラーの手先となって動く親米ネオコン議員のほか、野田佳彦元首相(父親が自衛官)、松本剛明元外相(父親が元防衛相)のような自衛隊の利害関係者、そして極右の日本会議メンバーと大きく3つの流れがあり、多くが重なり合っている。
 
 本サイトの読者ならいまさら説明の必要もないと思うが、日本会議は神社本庁などの復古的歴史観を持つ宗教団体を背景とした右翼組織で、改憲や愛国心を盛り込んだ教育の実施、首相の靖国神社公式参拝の実現などを目標に掲げている。日本会議国会議員懇談会という組織を持ち、「FRIDAY」(講談社)の報道によれば安倍内閣の閣僚の19人のうち13人が名を連ねているという。
 民主党内では前原氏のほか、松原仁氏、原口一博氏、鷲尾英一郎氏、笠浩史氏、芝博一氏、金子洋一氏、渡辺周氏らが参加しているといわれる。長島氏はかつてメンバーだったが本人が「退会した」と明言している。ほぼ全員が憲法解釈の変更による集団的自衛権行使容認に賛成で、前原氏が主宰する党内の「防衛研究会」に名を連ねる。ちなみに、細野豪志氏も防衛研究会のメンバーだ。
 
 もうおわかりだろう。これが民主党の“解党”を仕掛ける連中の正体だ。彼らが党内のリベラル派を切って、「改憲・安保法制賛成」で一致する維新の党(おおさかを含む)と手を握ろうという話なのだ。
 一方、岡田代表も枝野幹事長もけっしてリベラルというわけではない。とくに岡田代表は辺野古については自身が鳩山政権の外相だった手前もあって「いまさら反対とは言えない」立場だ。TPPも賛成で、原発も一部再稼働は黙認という。党を割りたくないと言っているのは、政党助成金の内部留保の200億円にしがみついているからだ。結局、誰が残って誰が出て行っても、この支離滅裂さは変わりそうもない。
 
民主党の最大の欠点は政権を担っていた時から求心力がないことだ。むしろ遠心力が働いてどんどんバラバラになっていく。しかも、党内には国民に対する裏切り者といえる“隠れ安保法制賛成派”がウジャウジャいる。だったら、いったんバラバラに解党して、リベラル派が理念の下に再結集すべきだろう。
 
前原一派には自民党とくっつくなり、親米ネオコン路線を標榜する新党をつくるなりしてもらい、そうではないリベラル派は、まずは安保法制廃止と、辺野古、TPP、原発再稼働の「反対3点セット」の旗を掲げ、社民、共産、生活などと「オリーブの木」方式でしっかり選挙区調整をしてくれたほうが、有権者としてはわかりやすい。
 
 現実的な選挙戦への対応を考えても、サポーターが激減し、地方組織がガタガタの民主党議員にとって共産党の集票力は魅力だ。10月25日に投開票された宮城県議選で、共産党は前回の4議席から倍増となる8議席を獲得し、2議席減の5議席となった民主党を抜いて野党第1党になった。国政選挙では、2012年の衆院選で小選挙区470万票、比例区370万票だったのが、2013年の参院選は選挙区560万票、比例区520万票になり、2014年の衆院選では小選挙区700万票、比例区600万票にまで伸びている。
 
自民党にかわる「受け皿」として、安保法制廃止を訴える「リベラル連合」と、ジャパンハンドラーに操られた安保法制推進(集団的自衛権行使容認)の「親米ネオコン&極右連合」のどちらがふさわしいか。選ぶのは有権者だ。 (野尻民夫)