2015年10月10日土曜日

米が日露関係の修復にダメ出し 

 8日モスクワで露の外務次官級の平和条約締結交渉が行われましたが、北方領土問題を巡る両国の立場の違いは大きく、議論は平行線をたどりました。
 アメリカ国務省のカービー報道官は8日の記者会見で、「日本はまだロシアと通常の関係に戻る時ではないというのがわれわれの立場だ」と、日露の関係修復に対していわゆるダメ出しをしました
 
 それに対して元外交官の天木直人氏は、安倍首相はニューヨークでプーチン大統領と会談し何一つ合意できなかったものを、官僚同士の話し合いで進展するはずがないではないかと批判しました。まことにそのとおりで、国民に対して北方領土の復帰に努力していることを示そうとした茶番としか思えません。
 また、アメリカの言いなりの安倍政権がアメリカの意向を離れて日露の関係を良好化することなどはとても無理だとも述べました。
 中国首脳のように、アメリカが何を言おうが自らの意思を貫くという気概などは全くないのですから、それも天木氏の言うとおりです。
 
 天木氏は更に、米議会調査局報告書の中で、辺野古移設の先行きについて、 「東京と沖縄の論争は新たな段階に入ったように思われる。激しい政治闘争につながる可能性がある」と述べていることを取り上げて、これは辺野古移設は無理だと米国が思い始めたということだとして、翁長知事再訪米して米国議会関係者とあって米国政府に断念を迫れば、事態は進展するのではないかと述べています。
 そして、翁長知事と米国でその道筋がつけられれば革命的なことだとしています
 翁長知事再訪米の結果が注目されます。
 
 NHKニュースと天木直人氏のブログを紹介します。
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日ロ平和条約締結交渉 議論は平行線
NHK NEWS WEB 2015年10月9日
日本とロシアの外務次官級の平和条約締結交渉が、モスクワで1年8か月ぶりに行われましたが、北方領土問題を巡る両国の立場の違いは大きく、議論は平行線をたどりました。
モスクワを訪れている外務省の杉山外務審議官は、8日、ロシア外務省で、モルグロフ外務次官と会談し、1年8か月ぶりに外務次官級の平和条約締結交渉を再開しました。会談は、日本時間の8日午後4時からおよそ7時間におよびました。この中で、杉山氏は、おととし4月の日ロ首脳会談で合意した、「双方に受け入れ可能な形で最終的な解決を図り、平和条約の締結を目指す」などとした、共同声明にのっとって、交渉を進めたいとしたうえで、「北方四島は、法的にも歴史的にも、日本に帰属する」という立場を改めて主張しました。
これに対し、モルグロフ氏は、「北方領土は、第2次世界大戦の結果、ロシアの領土になった」という主張を繰り返したということで、北方領土を巡る両国の立場の違いは大きく、議論は平行線をたどりました。
ただ、両氏は、「できるだけ早く、次の交渉を行い、回数を重ねることで、何らかの打開策を得るべきだ」という認識では一致し、今後も、次官級の交渉を緊密に行っていくことで合意しました。
会談のあと、杉山氏は記者団に対し、「日ロ双方にとって、受け入れ可能なものを見つけるよう努力したが、難しかった。双方が基本的な立場を強く主張し合い、非常に厳しい交渉だった」と述べました。
 
米国務省「ロシアと通常の関係に戻るときではない」
日本とロシアの外務次官級の平和条約締結交渉がモスクワで行われたことについて、アメリカ国務省のカービー報道官は8日の記者会見で、「ロシアと通常の関係に戻る時ではないというのがわれわれの立場だ。はっきりとしているのは、ウクライナ情勢は、われわれにとって中心的な課題であるということだ」と指摘しました。散発的な戦闘が続くウクライナ情勢を踏まえて、アメリカ政府は、ロシアとの関係については慎重に対応する必要があるという考えを改めて示しています。
 
 
米議会調査局にダメ出しされた安倍首相
s天木直人2015年10月9日 
 いくら外交が手詰まりであっても、日露次官級協議の再開はないだろう。
 安倍首相はニューヨークでプーチン大統領と会談したばかりだ。
 そこで何一つ合意できなかったものを、官僚同士の話し合いで何が決まるというのか。
 それよりも何よりも、先日訪日したブリンケン米国務副長官が真っ先に「(ロシアとは)まだ通常の外交をやるべき時ではない」と釘をさしたばかりだ(10月6日読売)。
 米国をこれ以上怒らせてどうする。
 そう思っていたらついに米国議会調査局が警告を発する報告書を出した。
 「日本がロシアと友好関係を深めないよう、米国は圧力を加えるかもしれない」と(10月8日産経)。
 かつて米国議会報告書は安倍首相の靖国参拝に「失望した」と警告を発し、安倍首相は慌てて止めたことがあった。
 今度は日露関係だ。
 今度こそ米国は怒り出すだろう。
 何度言ったらわかるのか、この馬鹿がと。
 
 そして、きょう10月9日の朝日新聞の記事で知った。
 米議会調査局はその報告書の中で、辺野古移設の先行きを次のように懸念したと。
 「東京と沖縄の論争は新たな段階に入ったように思われる。激しい政治闘争につながる可能性がある」と。
 これはもはや辺野古移設は無理だと米国が思い始めたということだ。
 翁長知事は再び訪米して米国に理解を求めるらしい
 この米国議会報告書を活用しない手はない。
 米国議会関係者とあって米国政府に断念を迫るべきだ。
 今度こそ米国は聞く耳を持つだろう。
 安倍首相のできない事を翁長知事が出来たとすれば、革命的なことだ。
 もはや安倍首相は不要であるということだ(了)