2015年10月20日火曜日

安保法「成立」1カ月 国会前で9500人の集会 全国各地で抗議

 安保関連法の成立から1か月となる19日、国会前では、この法律に反対する人たちが開いた午後6時半から集会に9500人が集まりました。
 この安保法制を廃止するための集会は、今後も毎月19日に行われるということです。
 そのほか北九州市のJR小倉駅前京都市中京区の同市役所前広島市の繁華街など全国各地で「立憲主義・民主主義を守行動が行われました。
 
 なお湯沢平和の輪でも19日、11時からスーパー「のぐち」入り口道路の脇で安保法制廃止を訴えるサイレントスタンディングを行いました。
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安保法成立1カ月:全国で続く抗議
毎日新聞 2015年10月19日
 安全保障関連法の成立から1カ月の節目の19日、東京・永田町の国会前をはじめ全国各地で市民が同法に抗議の声を上げた。
 
 国会前の集会には主催団体発表で9500人が集まった。団体メンバーの一人は壇上で「『国民は餅を食ったら忘れる』と自民党議員が言ったそうだ。頭を隠し逃げようとしている」と臨時国会を開かない安倍政権を批判。「私たちは餅は食うかもしれないが、絶対に忘れない」と訴えた。共産党の山下芳生書記局長は「(参院選で野党共闘を)やれるのかと心配する方もいるが大丈夫。戦争法廃止、立憲主義を取り戻す。これ以上の大義はない」と呼び掛けた。参加した東京都国分寺市の専門学校生、鈴木良孝さん(20)は取材に「1カ月たったが納得のいかない気持ちは変わらない。一人でも声を上げていきたい」と話した。
 
 北九州市のJR小倉駅前でも集会があり、参加した九州大の男子学生(20)は「ここでやめたら忘れたころに誰かが命を落とす」。ハロウィーンのコスプレ姿の市民も交ざり、「改憲するなら落選させるぞ」と声を合わせて訴えた。
 
 京都市中京区の同市役所前では女性有志団体の集会に約50人が集まった。岡野八代(やよ)・同志社大教授(48)は「法は成立したが武力から平和は生まれない」。広島市の繁華街では、市民ら約70人が「立憲主義・民主主義を守ろう」と訴え、安保関連法の賛否を問うシール投票などを実施。足を止めた市内の男子学生(18)は「家族や子供は戦地に行かせたくない」と話した。【樋岡徹也、浅野翔太郎、鈴木理之】
 
 
安保法成立1か月 国会前で反対集会
NHK NEWS WEB 2015年10月19日
安全保障関連法の成立から1か月となる19日、国会前では、この法律に反対する人たちが集会を開きました。
 
憲法解釈を変更し、集団的自衛権の行使を可能にする安全保障関連法は、先月19日に成立し、19日で1か月となります。
これに合わせて国会前では、この法律に反対する人たちが、午後6時半から集会を開きました。
主催者によりますと、およそ9500人が参加したということで、集まった人たちは、「憲法9条を壊すな」などと書かれたプラカードを手に、「憲法違反の法律はいらない」などと訴えていました。
神奈川県から来たという50代の女性は、「1か月がたっても反対の思いは変わりません。集団的自衛権を行使するなら、憲法を改正し、民意を問うべきだ」と話していました。また、東京都内に住む72歳の男性は、「子や孫を絶対に戦地に送らないという思いでここに来ました。この法律をなくすまで反対を続けます」と話していました。
安全保障関連法は、先月30日の公布から半年以内に施行されるため、自衛隊は、拡大する任務に対応できるよう、部隊行動基準の見直しに着手するなど、準備を本格化させています。
 
一方、この法律に反対する人たちは、成立した日付に合わせ、今後も毎月19日にこうした集会を開くことにしています。


 成立から1ヵ月に際し改めて戦争法廃止の決意を固めよう 
五十嵐仁の転成仁語 2015年10月19日 
 あれから1ヵ月が経ちました。安倍内閣の暴走によって戦争法が成立したあの時から……。
 国会最終盤には、私も連日、国会前の抗議行動に出かけました。「雨にも負けず、安倍にも負けず」をモットーに……。
 
 昨日、渋谷でSEALDsの宣伝行動がありました。私の住む八王子でもJR八王子駅の北口前で宣伝行動が行われ、800人が参加しています。
 私も宣伝カーの上から訴えさせていただきました。この様子が、今日の『しんぶん赤旗』の対抗社会面と『東京新聞』の「多摩」版に掲載されています。
 前者では「法政大学大原社会問題研究所の五十嵐仁名誉研究員は『バングラデシュで日本人男性がテロ組織を名乗る団体に殺害された。戦争法のリスクと害悪はすでに現実のものだ。一刻も早く廃止し、日本人の安全を守れ』と語りました」と書かれ、後者では「中学生や学者、神主らが安保法に反対する考えなどを訴え」と報じられました。今晩の国会正門前での集会にも、参加するつもりです。
 
 昨日の渋谷での街宣活動には、野党5党の国会議員も参加してあいさつしたと報じられています。「野党は共闘」コールが巻き起こったそうですが、それも当然でしょう。
 八王子での宣伝・アピール活動でも、民主党・共産党・社民党の国会議員のメッセージを市議会議員や都議会議員が代読しました。市議会議員では、生活者ネットや維新の党(集会には間に合いませんでしたが)などからの参加もありました。
 立憲主義が危機に瀕し、法治国家としてのあり方が問われるという緊急事態です。あの党は嫌いだとか好きだとか言っていられる状況ではないということを自覚し、協力してもらいたいものです。
 
 昨日のブログ「第3次安倍改造内閣は『大惨事不安倍増』内閣ではないのか」で、新任閣僚のスキャンダルについて書きました。また1人、追加すべき人が現れたようです。
 新聞などの報道によれば、島尻安伊子沖縄担当相が自身の顔写真入りで氏名が書かれたカレンダーを配布していたことが、ホームページのブログから分かったといいます。選挙区内で有権者に配布していた場合は公職選挙法違反(寄付行為の禁止)に抵触する可能性があります。
 公選法の寄付の禁止をめぐっては、松島みどり元法相が選挙区内でうちわを配布して公選法違反の疑いが持たれ、引責辞任した例があります。これとよく似たケースになるわけですが、島尻さんはどう対応するのでしょうか。
 
 他方、安倍首相は神奈川県の相模湾沖で行われた自衛隊観艦式での訓示で、安全保障関連法の成立を踏まえて「平和は自らの手で勝ち取るものだ」と述べ、「諸君にはさらなる任務を果たしてもらいたい」と訴えました。「武力による平和」のために自衛隊を活用するというわけです。
 観艦式には自衛隊の艦艇36隻、航空機37機が参加し、外国艦艇では韓国軍が初めて加わったほか、米国、オーストラリア、インド、フランスの軍艦が参加しました。安倍首相は式典後に米海軍横須賀基地に配備された米原子力空母ロナルド・レーガンを視察し、艦載機にも搭乗しています。現職の首相が米空母に乗艦するのは初めてのことになります。
 安倍首相のこの日の言動は、安保関連法がまさに戦争準備のための法律であることを明瞭に示すものです。国民から誤解を受けることを避けるような配慮などはそっちのけで、意気揚々と軍事力を誇示し、日米軍事同盟の強化を目指す姿勢をあからさまにするものでした。
 
 戦争法成立1ヵ月後の今、安倍首相は国民の反対と批判を無視してさらなる暴走を続ける姿勢を示したことになります。それをストップさせて戦争法を廃止するために、これからも粘り強く運動を続けるという決意を、私たちも改めて固めようではありませんか。