2015年10月3日土曜日

03- ノーベル平和賞予想 独メルケル首相や日本の「九条の会」

 ノーベル平和賞の受賞予想を毎年発表しているオスロ平和研究所は、今年の予想を発表しました。
 それによると最有力候補ドイツのメルケル首相で、4番目の候補に、戦争の放棄などをうたった憲法9条を守ろうと活動している「九条の会」がっています
 
 同研究所は昨年、「日本国民」を特定の団体と理解して1位の予想をつけましたが、その後国民全体が受賞者になることはあり得ないという見解を発表しています。
 それを受けて韓国の「日本平和憲法9条ノーベル平和賞推薦韓国委員会」は、受賞対象を「九条の会」と鷹巣直美を共同候補として推薦し、同じく英ブラッドフォード大学のピーター・バン・デン・デュンゲン研究員は、「九条の会」と「日本被団協」をノーベル平和賞に推薦しています。海外からも熱な応援を受けているということです。
 日本の「憲法9条にノーベル平和賞を」実行委員会は、従来どおり日本国民を受賞者として申請しています
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ノーベル平和賞予想 独首相や「九条の会」
NHK NEWS WEB 2015年10月2日
ノーベル平和賞が来週、発表されるのを前に、平和賞の予想を行っている北欧のノルウェーの研究所は、ことしの受賞候補として、シリアなどからの難民の受け入れに主導的な役割を果たしているドイツのメルケル首相や、戦争の放棄などをうたった憲法9条を守ろうと活動している「九条の会」など5つの候補を挙げました。
毎年、ノーベル平和賞の予想を行っているノルウェーの「オスロ平和研究所」は1日、ことしの予想を発表しました。5つの受賞候補のうち、最有力の候補には、内戦が続くシリアなどからヨーロッパに押し寄せる難民の受け入れに主導的な役割を果たしているドイツのメルケル首相を選びました。
また、4番目の候補には、ノーベル賞作家の大江健三郎さんなどが呼びかけ人となって、戦争の放棄などをうたった憲法9条を守ろうと活動している「九条の会」を挙げました。理由について、オスロ平和研究所のハルプビケン所長は、NHKの取材に対し、「東アジア地域の緊張が続くなか、憲法9条は極めて重要な原則だ」と話していて、安全保障関連法が成立し憲法改正が議論される中で、「九条の会」の活動が評価される可能性があるとしています。
一方、公表された予想の中では、被爆者の立場から核兵器廃絶を訴え続けてきた日本被団協=日本原水爆被害者団体協議会についても言及していて、ハルプビケン所長は「平和賞は現在の問題に光をあてようと贈られることが多いが、受賞の可能性は排除しない」と話しています。
ノーベル平和賞は9日、ノルウェーの首都オスロで発表されます。
 
「九条の会」など推薦の研究員は
憲法9条を守ろうと活動している「九条の会」と「日本被団協=(にほん)日本原水爆被害者団体協議会」をことしのノーベル平和賞に推薦したイギリス、ブラッドフォード大学のピーター・バン・デン・デュンゲン研究員は、NHKのインタビューに応じました。
この中で、デュンゲン研究員は、「戦争の放棄をうたった憲法9条はすばらしい条文だ。しかし、年々根本的な部分が変質してきているように感じている」と指摘したうえで、「もし、九条の会がノーベル平和賞を受賞すれば、こうしたことを以前の状態に戻すことができるかもしれない」と述べました。また、日本被団協について、デュンゲン研究員は、「被爆者らの高齢化が進むなか、この先10年後、20年後にはこうした世代がいなくなってしまうかもしれない。もし日本被団協がノーベル平和賞を受賞することになれば、核廃絶の必要性という非常に明確なメッセージを送ることになる」と述べました。