2015年9月13日日曜日

日本の言論統制は中国よりも厳しい (武田邦彦氏)

 武田邦彦氏がご自身のブログ:「壊れていく民主主義」のシリーズで、「中国よりも厳しい言論統制」と題して、福島原発事故時3号機建屋が大爆発したときの動画が公開されないままになっている現実を批判しました。
 
 3号機爆発規模がもっとも大きく噴煙700mも上がり、屋根が吹き飛び建屋側壁の鉄骨が全て中側に湾曲するなど、熱量論的に単なる水素爆発とは異なるものとされ、核爆発だったのではという指摘があります。
 
 爆発の映像は遠方に設置された固定カメラで捉えられていて、爆発の直後には公開されましたが、その直後に著作権を理由に公開が禁止されました。しかし固定カメラによる記録映像に著作権はないといわれています。
 
 何故映像は公開されないのでしょうか。
 メディアの自主規制は考えられません。当時の政府(民主党政権)から指示が出されたためと考えるのが自然です。もしもそれに報道機関が従ったというのであれば、マスコミの報道姿勢はまさに中国よりも「」に追随したものというしかありません。
 
 以下の文章は武田氏のブログに載っているものですが、動画(=音声ブログ)では8分余に渡って問題点が詳細に述べられています。
 
 註.原発事故に付随して起きた事柄ですが、「メディアの統制」という問題として取り上げます。
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壊れていく民主主義(3) 中国より厳しい言論統制 
武田邦彦 2015年09月11日
動画(8分19秒)のURL 
 
中国の天津で巨大な爆発があり、地表にはまるでクレーターのような大きな穴が空き、かなり離れて並べられていた数100台の乗用車はまるで爆風にあったように破壊された。事件の原因が十分に説明されないと日本のニュース解説では批判されている。
しかし、表紙の写真のように爆発の様子は動画も含めて微に入り細に入り公開されている。爆発原因や飛散された物質についての詳しい説明がないが、爆発規模にくらべて犠牲者が少ないことから、強い毒性物質は飛散していないと考えられる。
 
これに対して、表紙の右は日本の福島原発3号機の爆発映像であり、「著作権」を理由にまったく公開されなかった。福島原発は1号機、3号機、そして4号機と爆発したが、1号機の爆発は小規模、4号機は停止中であり、3号機にはプルトニウム燃料が装荷されていたし、爆発の規模は3号機がもっとも大きく、噴煙は700メートルぐらい上がっている
逃げるためにも、原因追及のためにも、また汚染地域の特定にも、3号機の爆発映像がもっとも必要なものであり、それが故に日本のマスコミは「報道統制」に従って、すべての映像を画面や紙面から隠した。大事故のもっとも国民が必要とする映像を隠したのは中国ではなく、日本なのだ。
 
さらに3号機の爆発映像を出さなかったのが「政府の指示」=表現の自由の憲法違反か、「マスコミ(記者クラブなどの独占グループ)の自主規制」かは不明であるが、いずれにしても国民は「知る権利」を失った。マスコミは早くこの辺の事情を明らかにすべきで、マスコミが国民の知る権利を保証するために多くの特権を持っている恩を国民に返すべきである。
 
いずれにしても、日本の報道が中国の統制より厳しいことが現実になっている。最近の東芝とライブドア(ホリエモン)の事件、小保方さんと理研に対する報道姿勢、それに加えて東京オリンピックの不祥事に関する責任機関(デザインの審査機関など)へのマスコミの報道姿勢はまさに中国より権利側、強い側についている。
「政府が右を向けば右」等という放送局はいらないどころか、害をなし、共産国家より統制の強い報道に右往左往しなければならない。 作成 平成27年9月10日)