2015年8月5日水曜日

原水爆禁止世界大会 広島で開会総会 俳優 宝田明さんが挨拶

 原水爆禁止2015年世界大会開会総会が4日、広島市で開かれ広島県立総合体育館グリーンアリーナには、3300人が参加しました。
 
 来賓あいさつに立った俳優の宝田明さんは、旧満州ハルピンで終戦の年の8月6日に原爆の投下のラジオを聞いてから日本に引上げるまでのつらい戦争体験を話し、いまの政治情勢については「安倍さんもう白旗をあげなさい」とまとめ、拍手が沸き起こりました
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原水爆禁止世界大会 広島で開会総会
諸国民の運動で核兵器廃絶
しんぶん赤旗 015年8月5日
 「核兵器のない平和で公正な世界」のために、被爆70年を核兵器廃絶の転機にと、原水爆禁止2015年世界大会開会総会が4日、広島市で開かれました。会場の広島県立総合体育館グリーンアリーナには、3300人が参加しました。
 
 政府代表であるインドネシア国連代表部のムハンマド・アンショル常駐副代表は、あいさつのなかで、「みなさんが核不拡散条約(NPT)再検討会議に向けて行動したことは心強い励ましでした。この体育館で感じる熱気のなかに、草の根運動のあるべきお手本があります」と話しました。
 
 海外代表は、大会を通じて20カ国・147人が参加予定です。
 
 開会総会のフィナーレでは、国民平和大行進の通し行進者の山口逸郎さん、松永洋子さん、竹田昭彦さん、西田重好さん、「国際青年リレー行進」をしたメアリー・ポペオさん、ボルティモア・フェニスさんらが登壇。ポペオさんが「アメリカでも若い世代がみなさんと同じ気持ちで、核兵器廃絶に向けてたたかっています」と話すと参加者は大きな拍手で応えました。
 
 全労連の小田川義和議長が開会宣言し、冨田宏治・国際宣言起草委員長(関西学院大学教授)が主催者あいさつしました。
 
 俳優の宝田明さん、日本被団協代表委員の坪井直さんが来賓あいさつ。「核兵器廃絶をめざすヒロシマの会」共同代表の森瀧春子さんが連帯あいさつしました。阪口伸六・大阪府高石市長があいさつ。松井一実・広島市長のメッセージが紹介されました。
 
 国際会議は同日午後、「核兵器廃絶をめざす世界の流れを促進し、支える根本の力は諸国民の世論と運動である」などとする国際宣言を採択し、閉会しました。
 
写真


安倍さんに申し上げる もう白旗あげなさい
世界大会・来賓あいさつ 俳優・宝田明さん
しんぶん赤旗 2015年8月5日
 4日、広島市でおこなわれた原水爆禁止世界大会開会総会。来賓あいさつに立った俳優の宝田明さんは、「被爆70年、原水爆禁止世界大会60年の節目、全国の皆さんを前にうれしいというか身の引き締まる思いです」と切り出しました。
 
8月6日の記憶
 まず話題にしたのは、1945年8月6日の記憶です。育った中国東北部(旧満州)ハルピンで、「ラジオを通じ広島に化学爆弾が落ちて数十万人が死んだと聞いて、内臓を引きちぎられる思いだった」と話しました。日本に引き揚げるまでのつらい戦争の体験を語りました。
 東宝が1954年、二つの大きな映画を作ったと語る宝田さん。「七人の侍」と自身が主演した「ゴジラ」です。当時大ヒットした「ゴジラ」について、広島、長崎に続きビキニでの水爆実験で被災した第五福竜丸事件を目の当たりにして、「黙っているわけにはいかない。世界に向けて警告を発することができるのは日本しかない」と、製作の思いを語りました。
 今の日本に話題を転じた宝田さんは、「きな臭い世の中になっている。日本は被爆国であり、憲法第9条を持ちながら、それがなし崩し的にどんどん大地の中に埋もれていくような危うい時期にさしかかっています」と表明。
 
 「今、日本国中で夜も寝られないで考え込み悩んでいるのは、おそらく安倍さんではないか。果たして今回の一連の戦争関連法案が良かったのかと」と語ると、会場から笑いが起きました。
 「安倍さんに申し上げます。もう白旗をあげなさい」と宝田さんが語ると、拍手が起きました。
 
過ち書き込んで
 宝田さんは、終戦記念特集番組の中国での撮影のこぼれ話を紹介。若者たちが「安倍は間違っている」といい、中年世代から南京大虐殺などとともに安倍首相への批判が聞かれたとして、次のように結びました。
 「教科書に過去の戦争の過ちをしっかり書き込んでいくことが必要ではないか。そういったことが、世界の人たちから信頼されるのではないか」と語りました。最後に、平和への願いを込めた自作の歌を披露。会場から大きな手拍子が起こりました