2015年6月19日金曜日

日弁連が安全保障法制改定法案に反対する意見書

 日弁連は、18日、内閣が国会に提出した平和安全法制整備法案及び国際平和支援法案は、日本国憲法の立憲主義の基本理念並びに憲法第9条等の恒久平和主義と平和的生存権の保障及び国民主権の基本原理に違反して違憲であるから、法律の制定に強く反対する意見書をとりまとめました。
 
 意見書はA4版29ページに渡るので、ここでは目次のみを紹介します。
 詳細は記載のURLで原文(PDF版)にアクセスしてご覧ください。
 
 それにしても高村氏をはじめとする自民党・公明党所属の法曹議員たちやその尻馬に乗っている安倍首相は、一体いつまで「砂川事件最高裁判決が集団的自衛権の行使を認めた」などという珍論・謬論・暴論に固執しようというのでしょうか。それが常識を逸脱した超異端の主張であることは、少しでも判断力を備えた人にとっては火を見るよりも明らかなのにです。
 彼らはそのことで弁護士自体の信用まで毀損していることに気づかないのでしょうか。あきれた話です。
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安全保障法制改定法案に対する意見書
 2015年6月18日
日本弁護士連合会
本意見書について
 当連合会は、2015年6月18日に本件について意見を取りまとめました。
 
本意見書の趣旨
 2015年5月15日に内閣が国会に提出した平和安全法制整備法案及び国際平和支援法案は、以下の1から3等において、日本国憲法の立憲主義の基本理念並びに憲法第9条等の恒久平和主義と平和的生存権の保障及び国民主権の基本原理に違反して違憲であるから、これらの法律の制定に強く反対する。
 
1 我が国に対する武力攻撃がないにもかかわらず、「存立危機事態」において集団的自衛権に基づいて他国とともに武力を行使しようとするものであること
2 「重要影響事態」及び「国際平和共同対処事態」において、武力の行使を行う外国軍隊への支援活動等を、戦闘行為の現場以外の場所ならば行えるものとすること等は、海外での武力の行使に至る危険性の高いものであること
3 国際平和協力業務における安全確保業務やいわゆる駆け付け警護、さらには在外邦人の救出活動において、任務遂行のための武器使用を可能なものとすること等は、海外での武力の行使に至る危険性の高いものであること
 
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安全保障法制改定法案に対する意見書
2015年(平成27年)6月18日
日本弁護士連合会
(目  次)
意見の趣旨………………………………………………………………………… 3
意見の理由………………………………………………………………………… 3
第1 安保法制改定法案の基本的な性格と問題点………………………………  3
 1 本法案の提出とその経緯………………………………………………………3
 2 本法案の概要と主な問題点……………………………………………………3
 3 小括…………………………………………………………………………… .5
第2 本法案は日本国憲法に違反すること………………………………………   6
 1 恒久平和主義に違反すること………………………………………………… 6
 2 立憲主義の基本理念に違反すること………………………………………… 7
 3 国民主権の基本原理に違反すること………………………………………… 8
 4 集団的自衛権行使の違憲性について…………………………………………9
第3 「存立危機事態」と集団的自衛権の行使について………………………… 10
 1 集団的自衛権行使のための安保法制改定法案…………………………… 10
 2 「存立危機事態」と集団的自衛権行使の具体的問題点……………………  11
第4 他国軍隊の支援活動及び国際平和協力活動について…………………    14
 1 「国際社会の平和と安定」のための積極的平和主義の危険性……………  14
 2 周辺事態法から重要影響事態法へ…………………………………………  15
 3 国際平和支援法の新規立法………………………………………………… 16
 4 国連平和維持活動協力法の業務の拡大…………………………………… 18
 5 在外邦人救出規定(自衛隊法改正案)とその問題点……………………… .19
第5 武器使用の拡大その他の問題点について………………………………… 20
 1 武器使用の拡大と武力行使の危険性……………………………………… .20
 2 国会による民主的統制の不十分さ…………………………………………   22
 3 国連との関係-国際法上の正当性………………………………………… .22
第6 武力攻撃に至らない侵害への対処その他の法改正について……………  22
 1 他国軍隊の武器等防護規定(自衛隊法改正案)とその問題点…………… .22
 2 米軍に対する物品・役務の提供の拡大(自衛隊法改正案)とその問題点… 24
 3 自衛隊法上の罰則規定の改正(国外犯処罰規定の新設)………………… 25
第7 安保法制改定法案の国及び国民への影響について……………………… 26
 1 日本の国の在り方を根本的に変えてしまうこと…………………………….   26
 2 国民の生命・生活が危険にさらされること…………………………………… 26
第8 結論…………………………………………………………………………    27
 (別紙)本意見書における法律名の略称………………………………………  .28
 (別表)海外活動3法の活動要件・内容・武器使用等の整理…………………   29