2015年6月15日月曜日

長野では母親が立つ 各地で戦争法案反対のデモなど

 安倍政権が安保関連法案の早期成立を目指すなかで、法案への反対を意思表示したり、憲法を学び直す女性たちの活動が長野県で広がっています。
 13日同法案に反対を訴えて、赤いスカーフやTシャツ、帯などを身に着けた女性たち約70人が長野市でデモ行進を行いました。アイスランド流の「レッドアクション」です。
 
 九州各地で13日、法案や集団的自衛権行使に反対する集会やデモ行進が行われました。
 福岡市の「憲法違反の集団的自衛権に反対する市民集会」には約1700人が参加しました。
 長崎県佐世保市では恒例の自衛隊のパレードが行われましたが、佐世保地区労などはパレードに反対する集会を開き、参加した約100人「戦争にいかせたくありません」などのプラカードを掲げて対抗しました。
 
 また愛知県江南市では12日、江南九条の会の呼び掛けに応じて市民130人が中央公園で「戦争法案反対」の集会を行いました。
 
 岐阜市では13日、戦争や核のない平和な世の中にしようと訴える「ぎふ折り鶴平和行進」が行われ、100人が横断幕などを持って市街地を歩きました。
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安保法案論議母親立つ 県内デモや憲法学ぶ動き
信濃毎日新聞 2015年6月14日
 安倍政権が安全保障関連法案の早期成立を目指す一方、法案に反対の意思表示をしたり、憲法を学び直したりする動きが長野県内の女性たちに広がっている。国会審議では複雑な法解釈や主張が飛び交うが、女性たちは子どもを産み、育てる立場から、基本となる憲法や集団的自衛権について理解を深めようとしている。13日は、同法案に反対を訴える女性たちが長野市でデモ行進した。
 
 「女は戦争を許さない」「子どもを守ろう」。この日、同市の長野駅近くをデモ行進したのは、赤いスカーフやTシャツ、帯などを身に着けた女性約70人。新日本婦人の会県本部などが呼び掛けた「レッドアクション」で、1970年代にアイスランドの女性たちが地位向上を求めて赤いストッキングを履いた運動をモデルに全国に広がっているという。
 「安倍首相は『徴兵制は絶対にない』と言うけれど、20年後はどうか」。参加した市内の会社員女性(31)は3人の男の子を育てる。「子どもの将来を考えると、米国の戦争に協力できるような法案には反対したい」と話した。
 
 長野市では昨年6月、憲法を学ぶ「自分で考えるために学ぶ会」ができた。東京電力福島第1原発事故を機に子どもの食の安全を考えてきた母親らが、集団的自衛権の行使容認に疑問を感じて発足。ほぼ毎月学ぶ会を開き、10人ほどで憲法と自民党の改憲草案を読み比べている。
 会員の西林薫さん(37)も2児の母。「最低限の力として自衛隊は必要」と考えるが、自民党が改憲草案で「国防軍」と記したことに不安を感じた。安保関連法案の説明で、政府が中東・ホルムズ海峡の機雷掃海が可能になると例示したことも、「資源獲得のために武力を使っていいのか」と疑問。「今までいかに政治を『お任せ』してきたか分かった。母親として見過ごせない」と話した。
 
 6歳と2歳の男児を育てる松本市職員の今井留衣さん(39)は、信州大大学院法曹法務研究科の成沢孝人教授(憲法学)を講師に7月11日から全5回の憲法学講座を開こうと準備を進めている。
 子どもの未来に関わると感じて安保関連法案の国会中継を見るようになった。ただ、法案の合憲性論議では「72年政府見解」「砂川事件判決」といった言葉が飛び交い、「よく分からないことばかり」。ママ友との話題にもなりにくい。「賛否を決める前にまずお父さん、お母さんが気楽に学び合える場をつくりたい」と意気込んでいる。
 
 下伊那郡阿智村では昨年10月、40~70代の女性10人ほどが「女性のための平和学習会」をつくった。今年5月下旬には憲法や集団的自衛権を分かりやすく解説する紙芝居を発表。老人クラブや婦人会の会合で上演している。
 事務局の原佐代子さん(68)は「紙芝居を見たお年寄りから『孫を戦争に取られないか心配』との声を聞く。子育て教室などでも上演したい」と話している。
 

赤い物を身に着け、安保関連法案への反対を訴えて
 パレードする女性たち=13日、長野市
 
 安保法制:九州各地で反対集会「戦争法案いらんばい」
毎日新聞 2015年06月13日
 集団的自衛権の行使を容認し、自衛隊の活動範囲を広げる安全保障関連法案への反対などを訴える集会やデモ行進が13日、九州各地であった。
 
 福岡県弁護士会は、福岡市中央区の市民会館で「憲法違反の集団的自衛権に反対する市民集会」を開き、弁護士200人を含む約1700人が参加した。
 
 日本弁護士連合会憲法問題対策本部の伊藤真副本部長が講演。集団的自衛権の行使が容認されれば、交戦権を認めていない憲法9条が空文化されると指摘して「どんな国にしたいのかは私たち自身が決めること。憲法の番人は私たち国民だ」と訴えた。集会後は市内中心部をデモ行進し、「戦争法案いらんばい」とシュプレヒコールした。
 
 佐賀県鳥栖市では、市民団体が主催する「戦争立法に反対する学習会」があり、約30人が参加した。同県弁護士会の東島浩幸弁護士が集団的自衛権について「行使したら国際紛争の当事国となり、相手から攻撃を受ける可能性がある」と指摘した。参加した鳥栖市の無職、山元睦美さん(63)は「戦争は絶対にいけない。外交で解決していくべきだ」と話していた。
 
 一方、長崎県佐世保市では、陸上自衛隊相浦駐屯地と海上自衛隊佐世保教育隊などの約630人が商店街をパレードした。恒例行事で新入隊員の市民へのお披露目が目的だが、佐世保地区労などはパレードに反対する集会を開催。参加者約100人は「戦争にいかせたくありません」などのプラカードを掲げた。今夏までに安保関連法案の成立を目指す政府に対し、地区労の豊里敬治議長は「政府は隊員の命や人権をもっと見つめるべきだ」と批判した。【宗岡敬介、石井尚、梅田啓祐】
 
 
市民ら「戦争法案反対」 「江南9条の会」が呼び掛け集会
中日新聞  2015年6月13日
 国会で審議中の安全保障関連法案に反対する集会が十二日、江南市北野町の中央公園であった。江南九条の会の呼び掛けに応じた江南市と周辺市町の市民百三十人が「戦争法案反対」と声を上げた。
 
 江南九条の会の石原之浩代表(76)は、衆院憲法審査会で憲法学者三人が法案を「憲法違反」と指摘したことを挙げて「国民の中でも日に日に憲法違反という声が高まっている」と主張。「法案を許さないと尾北の地から高らかに呼び掛け、安倍政権に伝えていこう」と述べた。
 
 民主、共産、社民の三党の江南市議も参加。山登志浩議員は「一党一派で進めても世論の共感は得られない。平和を守るの一点で手を合わせていく」と語った。
 集会では、法案の廃案を広く国民に呼び掛けるなどとした決議を採択。その後、市内を行進して「戦争だめだめ」「憲法守ろう」などと訴えた。 (井上峻輔)
 
 
非戦や核廃絶訴え「平和行進」 岐阜で100人参加 岐阜
中日新聞  2015年6月14日
 戦争や核のない平和な世の中にしようと訴える「ぎふ折り鶴平和行進」が十三日、岐阜市中心部であり、百人が横断幕などを持って市街地を歩いた。
 
 コープぎふ(各務原市)や県原爆被爆者の会などでつくる実行委が毎年開催。東京から広島まで、全国各地の市民が核廃絶を願って歩く「国民平和大行進」の一環で、県内では十一~十六日に行進がある。
 
 この日は、JR岐阜駅前や長良橋通り、若宮通りなどを通る約三キロがコース。参加者は「子どもたちに平和の世界を残しましょう」「原発に頼らない社会を目指しましょう」と声を張り上げながら歩いた。(水越直哉)