2015年6月4日木曜日

沖縄のフォト・ストーリー出版/広島では峠三吉らの原爆文学展

 沖縄出身で幼いときに本土に移住した報道カメラマン石川文洋さん、フォト・ストーリー「沖縄の70年 我が故郷・沖縄 そして戦争と基地」を岩波書店から発刊しました。
 これまで巡った世界50カあまりの中で最も美しい沖縄の海などを、「沖縄に生まれて」「沖縄戦の記憶」「故郷に思う」など6章で構成しています
 
 広島では、2日、ユネスコの記憶遺産登録を目指す原爆文学資料などを紹介する「栗原貞子、原民喜、峠三吉文学展」が市民交流プラザで始まりました
 14日まで無料で公開されます
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故郷のフォト・ストーリー 石川文洋さん「沖縄の70年」刊行 
長野日報2015年6月3日
 報道カメラマンの石川文洋さん(77)=諏訪市尾玉町=は、フォト・ストーリー「沖縄の70年 我が故郷・沖縄 そして戦争と基地」を岩波書店から発刊した。幼いときに本土に移住、その後ベトナム戦争に関わる沖縄米軍基地を取材。自分のルーツとも向き合いながら沖縄について考え続け、撮り続けてきた石川さん。戦争と基地の歴史を軸に、沖縄の人々の暮らしや自然、文化などを、196枚の写真を挿入して分かりやすく語っている。
 
 石川さんは1965年から4年間ベトナムに滞在。米軍、サイゴン政府軍に同行取材した。帰国後、朝日新聞出版局のカメラマンとなり、84年からフリーカメラマンとして活躍している。
 4歳で本土に移住した石川さんは、「沖縄出身者と出会うと特別な懐かしさを感じる」とし、「遠く離れて暮らすが故に故郷のことを、親族や現地の人々と共有したい思いが強いと思う」といい、今も本籍は生まれ故郷に置く。
 「沖縄の70年」には作家だった父親らのこと、沖縄戦を語る人々への取材、本土復帰への過程、米軍基地などの沖縄の歴史をメーンに、これまで巡った世界50余国の中で最も美しい沖縄の海などを、「沖縄に生まれて」「沖縄戦の記憶」「故郷に思う」など6章で構成している。
 
 これまで数多くの著書を上梓したが、沖縄をこれほど語ったのは初めてで、「一人でも多くの人たちに沖縄のこと、自分が見てきた戦争について知ってほしい」との願いを込めた。石川さんは「沖縄に今生きる人々の怒りと共鳴しながら、『在日沖縄人』として書きつづった」と寄せている。
 
 岩波新書版。定価1020円(本体価格)。問い合わせは同書店(電話03・5210・4111)へ。 
 
 
栗原貞子、原民喜、峠三吉 広島で原爆文学展
読売新聞 2015年06月03日
 ユネスコの記憶遺産登録を目指す原爆文学資料などを紹介する「栗原貞子、原民喜、峠三吉文学展」が2日、広島市中区袋町の市民交流プラザで始まった。14日まで。無料。
 
 「広島文学資料保全の会」が主催。登録申請される「ちちをかえせ ははをかえせ」で始まる峠三吉(1917~53年)の「原爆詩集」の直筆最終草稿など3点の複製や、朗読をライフワークにする女優吉永小百合さんが原爆詩「生ましめんかな」で知られる栗原貞子(13~2005年)に宛てた手紙など約70点が並ぶ。
 
 同会の池田正彦事務局長(68)は「被爆70年を機に、原爆の惨状を書き残した先人の努力に触れてほしい」としている。
 
栗原貞子の創作ノートなどが並ぶ文学展(市民交流プラザで)
 栗原貞子の創作ノートなどが並ぶ
    文学展(市民交流プラザで)