2015年2月17日火曜日

ナチス方式に安倍語法をまぶして

 ブログAfternoon Cafeは、題字の下に次の言葉が書かれています。

 「もちろん、普通の人間は戦争を望まない。しかし、国民を戦争に参加させるのは、つねに簡単なことだ。とても単純だ。国民には攻撃されつつあると言い、平和主義者を愛国心に欠けていると非難し、国を危険にさらしていると主張する以外には、何もする必要がない。この方法はどんな国でも有効だ」 by ヘルマン・ゲーリング
 
 これはヒトラーがどのようにして国民を戦争に駆り立てたかについて述べたもので、あまりにも要領よくまとめられているので後世の研究家による文章と思われた人もいるかと思いますが、実はヘルマン・ゲーリングはヒトラー内閣の閣僚で、ゲシュタポ長官やドイツ軍元帥等を務めた人です。
 この述懐は戦犯としてニュルンベルク刑務所に収容されていた時期にそこの心理分析官に語った言葉です。
 
 それにしても安倍首相のやり方は、なんとこの方法にそっくりなことでしょうか。世耕氏を中心とする官邸のこの面における機能は全開です。
 
 安倍内閣が登場するや否や、そしてつい先日までは、尖閣諸島が中国によって今にも奪取占領されるという惧れがあると盛んに強調されていましたが、今はすっかりそのことは忘れ去られ、イスラム国によるテロ攻撃が強調されています。そして外国による邦人の拘束やテロの脅威に対してはいわゆる『出兵』を要するとまで言われ出しました。
 
 第一次安倍内閣のときも全く同様で、彼が登場するや否や日本を取り巻く海外の情勢は風雲急を告げ、例の集団的自衛権行使に関する(第一次の)諮問委員会を立ち上げたのでした。
 安倍内閣が登場するたびに『海外情勢が緊迫する』というのは、まことに不思議なことです。なぜか今は尖閣諸島問題は沈静期にあるということのようです(^○^)が、イスラム国が「日本は敵になった」「テロの対象である」と宣言したのは真実であって、それは他ならぬ安倍首相自身が招来させたものでした。
 
 しかし国会でそのことをいくら追及しても、安倍首相は「安倍語法」を駆使して絶対に認めようとはしません。
 15日付のAfternoon Cafeは、そのことを速記録に基いて分かりやすく説明してくれます。
 
追記 「安倍語法」というのは「相手が言ってもいないことを、あたかも言っているようにあげつらって、それを批判する」という手口。いわゆる“マッチ・ポンプ”ということです。 (「安倍話法」という詐術(鈴木耕 マガジン9)より)
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安倍政権の人質事件に関する政府への批判・検証封じを許してはいけない
Afternoon Cafe 2015年2月15日
安倍政権がどんな言い訳をしようとも、どんなに「政府の対応に間違いはなかった」と繰り返そうとも、結局二人とも救えなかったのが事実である以上、事件発生後政府がどう対応してきたのかを具体的に検証するのは必須です。この検証無しには今後の日本人の安全の確保はあり得ません。
しかし、予想通りではありますが、安倍政権は、政府批判や検証を求める声を、居直りや情報隠蔽、そして恫喝で封じようとしています。
2/3の参議院予算委員会での共産党、小池委員長との質疑応答をご覧下さい
 
参院予算委での日本共産党の小池副委員長の質問と政府答弁の仮起こし
(人質事件関連部分)
小池氏が前日に文書であらかじめ質問を渡しておいたのにも関わらず、答えられない岸田外相も随分とアレな感じですが、目玉は安倍首相です。
動画か仮書き興しをご覧いただければわかると思いますが、もう、終始こんな感じです
小池:「地道な人材開発、インフラ整備を含め、ISILと戦う周辺諸国に総額で2億ドル程度支援をお約束します」というカイロ演説は、二人の人質に危険が及ぶと思わなかったんですか?」
安倍:「テロに屈する態度を取らないことが大事。周辺国とも連携していきます」
小池:「いや、そんなこと聞いてないんだけど・・・カイロ演説が人質に危険ななものだったかという認識があったのかどうか、ということだけ聞いてるんですけど」
安倍:「もう既に答えています。テロリストに過度な気配りをする必要はありません」
小池:「いや、気配りしろなんて言ってないし・・・カイロ演説ではISILと戦う周辺諸国に支援と言ってるけれど、殺害予告以降のイスラエルでは人道支援と言葉を変えている。それはやはりカイロ演説は人質に危険だったと思ったからでは?」
安倍:「小池さんの質問はまるでISILに対してですね、批判をしてはならないような印象を受けます」
 
場内:な、なんだってーーーー?!
だめだこりゃorz
 
正面から答えずにあさっての方角を向いた回答を繰り返し、全く的外れな攻撃をする、こういう論法を「安倍話法」というそうですね
(「安倍話法」という詐術(鈴木耕 マガジン9) )
これが国会答弁だと思うと日本という国の質の低さにトホホ・・・
このように、安倍政権の対応を批判すると「じゃあISの味方なのか」と逆ギレする知的劣化を産経新聞も後押ししています。
 
以前の記事でも掲載しましたが、2/5の国会での質疑応答でも民主党の福山議員と似たような問答を繰り返しています。
参院予算委の動画も見たのですが、ここでも福山議員の「カイロ演説時に最悪の事態は想定したのか」という質問に対し
安倍:「テロ組織を忖度してはならない。テロに対して世界各国が協力をして立ち向かってくことが必要」
福山:「私は一言も忖度しろとは言ってない。失礼な決めつけは辞めて欲しい。聞かれてもいないことを長々と答弁せずに聞かれたことに答えて欲しい。最悪の事態は想定したのか
安倍:「テロに対して世界各国が協力をして立ち向かってくことが必要。その中で演説内容を判断した。私は間違ってなかった」
福山:「間違ってたかどうかなんて聞いてない。想定したのかと聞いている。もう時間がもったいないから、してたかしてなかったかで答えて」
安倍:「テロに対して世界各国が協力をして立ち向かってくことが必要」
もういやこの人。
これ、質問する側をうんざりさせて質問するのを投げ出させる戦法なんでしょうね
人質解放の対応全ての詳細を明らかに出来ないのはやむを得ないところもあるでしょうが、こんな質問には答えられるはずです。
だいたい首相はこの答弁の中でも、自分に全ての責任がある、自分は最高責任者だ、と言っています。
ならばこんな簡単な質問くらい答えるべきではないですか?
まあ、想定してなかったと答えても想定してたと答えても批判は免れませんから、答えたくないのでしょうけど。
 
野球やサッカーの監督だってチームを勝利に導けなかったら引責辞任します。
二人とも救えなかったという最悪の結果に本来なら即刻辞任がふさわしいです。なのに辞任どころか「私は間違ってなかった」なんて開き直り甚だしいでしょう。
人質家族にまで謝罪を迫る政治家も大勢いるのに、「お二人を救えず申し訳なかった」という謝罪の言葉すらないとは、どれだけお高くとまっているのですか。
ISも2億ドル支援のカイロ演説後、日本はテロ対象になったといっているし、現に海外に渡航中のスポーツ選手団は日の丸を掲げないようにしてるとのこと、これでも「間違ってなかった」と。
 
1/20までISISとはわからなかったなんて嘘もつくし、一体安倍さんの「責任を取る」ってどういう意味なんですか?
国民には指一本触れさせないだのテロリストには償いをさせるだのと、キメ顔するのが「責任取る」ことなんですか?
 (中 略
どういう理由で政治家を検証の対象から外すんですか?自称「最高責任者」を検証対象から外すってことは最高責任者の責任を問わないってことじゃないんですか?
それに事件対応にあたった当事者が検証メンバーって、何かの茶番と思うのは私だけ?安倍首相並みに「私たちは間違ってなかった」とか言いそうです。
政府はどうしても批判や検証を避けたくてたまらないようですね。
 
また、政府に批判的な報道をした報道ステーションに対し、外務省が圧力をかけてきたことは以前の記事でも触れました。
この言論、報道の自由への侵害にマスコミ界がこぞって外務省に抗議するのが健全な民主主義社会だと思うのですが、大マスコミは安倍政権を恐れて批判を自粛、戦前のような大政翼賛化が進行しています。