2015年2月25日水曜日

翁長知事 辺野古の許可取り消しへ

 翁長沖縄県知事は24日、記者会見し、辺野古の新基地建設に向けた沿岸の岩礁破砕手続きで、沖縄県の指示や照会に対し沖縄防衛局の回答が不誠実との認識を示し、岩礁破砕許可を取り消しとする可能性が高いと強調しました。
 
 防衛局が23日までに提出を要求された資料を24日に郵送で県に届けましたが、岩礁破砕の許可内容とブロックの位置は直接関係ないとして「追って提供する」と答えていました。また県が調査のため制限区域に入れるよう環境整備を通知したが、防衛局は「県から米軍に対して申請が必要」と説明しています。 
 
 翁長知事は、「防衛局の誠実と言えない対応は今後の厳正かつ適正な対応を決断するための一つと捉え、引き続き必要な手段を講じる」と厳しく批判しました。
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知事、辺野古の許可取り消しへ 岩礁破砕で防衛局に不信感
沖縄タイムス 2015年2月25日
 翁長雄志知事は24日、名護市辺野古の新基地建設に向けた米軍キャンプ・シュワブ沿岸の岩礁破砕手続きで、沖縄県の指示や照会に対し沖縄防衛局の回答が不誠実との認識を示し、昨年8月に埋め立て区域に出した岩礁破砕許可を取り消しとする可能性が高いと強調した。防衛局は天候が回復し、準備が整えば海底を掘削するボーリング調査を再開する予定。しかし、県は許可取り消しになれば、掘削はできないとの見方を初めて示した。 
 
 県は、日本側が立ち入りできない「臨時制限区域」での立ち入り許可手続きを進め、26日にも制限区域外の岩礁破砕の状況確認調査に着手する。制限区域内の調査を含めると1カ月近くかかる見通し。 
 翁長知事は(1)調査に必要な資料を防衛局が提出しない(2)浮標を固定する目的で岩礁破砕の許可区域外に設置した大型コンクリートブロックが、サンゴ礁を破壊した蓋然(がいぜん)性が高い-の2点を挙げ「許可取り消しにつながっていく可能性は大」と語った。 
 県は許可に際し、知事の指示に従うことを条件とし、違反すると許可を取り消すと定めていた。許可区域外での岩礁破砕行為が認められた場合も取り消しの対象になるとしている。 
 防衛局は、県と事前に調整したことやアンカーを含む浮標の設置は県内の別事業で岩礁破砕の許可対象になっていないと指摘、正当性を主張している。 
 県は、今月16日にすでに設置したブロックの移動停止などを指示。県が独自に調査するため、ブロック設置地点の分かる図面などの資料を23日までに提出するよう求めていた。 
 防衛局が24日に郵送で県に届けた資料には、岩礁破砕の許可内容とブロックの位置は直接関係ないとして「追って提供する」と答えていた。県が調査のため制限区域に入れるよう環境整備を通知したが、防衛局は「県から米軍に対して申請が必要」と説明している。 
 翁長知事は資料の未提出などを挙げ、「防衛局の誠実と言えない対応は今後の厳正かつ適正な対応を決断するための一つと捉え、引き続き必要な手段を講じる」と厳しく批判した。
 
 
大浦湾サンゴ、ブロック下で砕ける 被害悪化
琉球新報 2015年2月25日  
  【辺野古問題取材班】米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設計画で、大浦湾で臨時制限区域を示すために海底に設置されたコンクリート製トンブロック(2トン)の下敷きになった塊状のサンゴが砕け割れていたことが24日、分かった。ヘリ基地反対協議会ダイビングチーム・レインボーが同日の潜水調査で確認し、サンゴ被害が悪化している現状を公表した。
 確認された場所は安部沖の臨時制限区域の境界線に設置された大型ブイ「2H」を固定するトンブロックの真下。同チームによる1月13日の潜水調査で、サンゴ破損を複数箇所確認した場所の一つだった。同チームの観測では、21日午後3時までは押しつぶされた状態ながら一塊だったという。24日午前には砕け割れ、周囲にかけらが4、5個転がっているのを確認した。