2015年2月11日水曜日

ジャーナリスト団体が「NHK籾井会長、即刻辞任を」 

 NHKの籾井会長は5日の定例記者会見で、戦後70年にあたり従軍慰安婦問題について番組で取り上げるかを問われ「政府の正式なスタンスがまだ見えないので、放送するのが妥当かどうかは慎重に考えないといけない」と述べました。
 それは政府「戦後70年談話」の内容をみて判断するというもので、公共放送としての自立性を放棄したものでした。
 
 日本ジャーナリスト会議と市民団体「放送を語る会」は10日、NHKの籾井勝人会長が定例記者会見で政府の方針に従って番組を制作することを表明したことにほかならないとして、即刻辞任を強く求める要望書をNHKに出しました。
 また経営委員会に対しても、同様の理由から籾井会長の罷免を強く求めました。
 
 籾井会長は着任の際にも、政府追随の意向を表明して批判されました。
 NHKのトップには極めて相応しくない人で、彼が会長になってから、国民の契約料で運営されているNHKが一層政府寄りになりました。早く退陣して公共放送の本来あるべき姿に戻って欲しいものです。
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NHK会長 籾井 勝人 殿
即刻辞任を強く求めます
                              2015年2月10日  
                            放送を語る会      
                            日本ジャーナリスト会議
 2月5日の定例記者会見で籾井会長は、「戦後70年目の節目に従軍慰安婦について番組で取り上げる可能性について問われ、『(慰安婦問題について)正式に政府のスタンスがよくまだ見えない。慎重に考えなければならない』などと述べた」(2/6朝日新聞)と報じられています。 この会長発言は事実上、「番組は政府の方針に従って作る」ことを表明したことにほかなりません。
 また、総選挙公示を控えた昨年11月20日、政権与党である自民党がNHK・在京民放キー局各社に、「選挙時期における報道の公平中立ならびに公正の確保についてのお願い」なる文書を送りました。出演者の発言回数、時間、ゲスト出演者の選定、街角インタビュー、資料映像等で一方的な意見に偏ることがないよう公平・中立、公正を求め、報道内容に対し、露骨に、事細かに干渉するものでした。
 ところがNHKは自民党を庇い立てして、この文書を受け取ったかどうかさえ明らかにせず、その後、籾井会長が記者と懇談したとき、この文書を「あの通りだと思う」と発言し、支持していたことが発覚しました。1月30日の衆議院予算委員会で民主党の後藤祐一議員の質問に対し、籾井会長は懇談会があったことを認め、その時の発言について否定していません。
 この会長発言は、総選挙報道に関する政権党の露骨な干渉に対し、唯々諾々と従うことを表明したことにほかなりませんNHKが受信料だけで成り立っているのは、NHKが政府から独立した放送機関であるためです。
 
 会長の二つの発言は、日頃「放送法遵守」をお題目のように繰り返す籾井会長が、実は放送法第1条「放送の不偏不党、表現の自由の確保」、第3条「放送番組は、何人からも干渉され、又は規律されることがない」に全く無理解で、自ら「放送の自主・自律」を投げ捨て、政権党の意に従うと宣言したに等しいと言わなければなりません。
 NHKには全役職員が遵守すべき「NHK倫理行動憲章」「行動指針」があります。「いかなる圧力や働きかけにも左右されることなく、みずからの責任において、ニュースや番組の取材・制作・編集を行います」と決められており、NHK内部からも「籾井発言は、倫理行動憲章違反」との声が出ています。憲章に従って仕事をしてきた職員を侮辱するものでもあります。
 
 籾井会長が「放送の自主・自律」を堅持すべき公共放送・NHKのトップ失格であることは明らかです。
 7つの市民団体が取り組んできた「籾井会長、百田・長谷川両経営委員罷免要求」署名は、現在7万2千筆を超えています。籾井会長には、視聴者の声に耳を傾け、即刻辞任するよう強く求めるものです。
 
 
浜田健一郎NHK経営委員長並びに経営委員各位
籾井勝人会長の即刻罷免を強く求めます
                        2015年2月10日  
                        放送を語る会           
                        日本ジャーナリスト会議
 
 2月5日の定例記者会見で籾井会長は、「戦後70年目の節目に従軍慰安婦について番組で取り上げる可能性について問われ、『(慰安婦問題について)正式に政府のスタンスがよくまだ見えない。慎重に考えなければならない』などと述べた」(2/6朝日新聞)と報じられています。 この会長発言は事実上、「番組は政府の方針に従って作る」ことを表明したことにほかなりません。
 また、総選挙公示を控えた昨年11月20日、政権与党である自民党がNHK・在京民放キー局各社に、「選挙時期における報道の公平中立ならびに公正の確保についてのお願い」なる文書を送りました。出演者の発言回数、時間、ゲスト出演者の選定、街角インタビュー、資料映像等で一方的な意見に偏ることがないよう公平・中立、公正を求め、報道内容に対し、露骨に、事細かに干渉するものでした。
 ところがNHKは自民党を庇い立てして、この文書を受け取ったかどうかさえ明らかにせず、その後、籾井会長が記者と懇談したとき、この文書を「あの通りだと思う」と発言し、支持していたことが発覚しました。1月30日の衆議院予算委員会で民主党の後藤祐一議員の質問に対し、籾井会長は懇談会があったことを認め、その時の発言について否定していません。
 この会長発言は、総選挙報道に関する政権党の露骨な干渉に対し、唯々諾々と従うことを表明したことにほかなりません。NHKが受信料だけで成り立っているのは、NHKが政府から独立した放送機関であるためです。
 
 会長の二つの発言は、日頃「放送法遵守」をお題目のように繰り返す籾井会長が、実は放送法第1条「放送の不偏不党、表現の自由の確保」、第3条「放送番組は、何人からも干渉され、又は規律されることがない」に全く無理解で、自ら「放送の自主・自律」を投げ捨て、政権党の意に従うと宣言したに等しいと言わなければなりません。
 NHKには全役職員が遵守すべき「NHK倫理行動憲章」「行動指針」があります。「いかなる圧力や働きかけにも左右されることなく、みずからの責任において、ニュースや番組の取材・制作・編集を行います」と決められており、NHK内部からも「籾井発言は、倫理行動憲章違反」との声が出ています。憲章に従って仕事をしてきた職員を侮辱するものでもあります。
 
 籾井会長が「放送の自主・自律」を堅持すべき公共放送・NHKのトップ失格であることは明らかです。
 7つの市民団体が取り組んできた「籾井会長、百田・長谷川両経営委員罷免要求」署名は、現在7万2千筆を超えています。視聴者の声に耳を傾け、放送法55条に基づき、籾井会長を即刻罷免することを、経営委員会に強く求めるものです。