2015年1月26日月曜日

TPP違憲の会設立総会 会員2400人超に

 TPP協定は憲法違反だとして、交渉の差し止めと違憲確認を求める「TPP交渉差し止め・違憲訴訟の会」が24日、設立総会を開きました。
 東京で開かれた設立総会には約200人が出席し、代表、弁護団共同代表、幹事長を選びました。幹事長には山田正彦元衆院議員が就任しました。
 
 日本はTPP交渉以前の日米2国間協議で既に譲歩につぐ譲歩を重ねて来ました。
 その上TPP協定を結んだ場合の日本のデメリットは計り知れませんが、違憲訴訟の会はそれを憲法違反の面から提訴しようとするもので、3月か4月の提訴を目指しています。
 具体的には、食や医療などの国内規制の緩和で国民の健康と安全が脅かされ、幸福追求の権利を定めた憲法13条、健康で文化的な生活を営む権利を定めた同25条を侵害するとし、また交渉の経緯が国民に知らされないことは、「知る権利」を保障した同21条に違反するとしています。
 同会の会員は現在約2400人になりましたが、提訴後も入会を呼び掛けて1万人を目指すということです。
 
追記)
 本ブログでTPPを取り上げるのは久しぶりです。
 TPP交渉はまず関税の撤廃からスタートしますが、同時に「非関税障壁」と称して、多国籍企業が海外でもアメリカ国内と同様に営業活動をする上で邪魔になる各国の制限条件を撤廃しようとします。
 そうなれば多国籍企業には莫大なメリットが生じますが、障壁を撤去された側の国は彼らによって欲しいがままに収奪されます。
 
 実際TPPは異常なまでに秘密づくめで、交渉の経過も秘密であれば、締結した後もその内容は4年間国民に対して秘密にされます。このような協定は他にはありません。これほどまでに秘密に徹するというのはあまりにもあくどい内容だからで、もしも国民が内容を知れば反対運動が起こって、とてもまとまらないから言われています
 
 また一旦協定を締結すれば、他の全ての関係国が了承しないことには離脱することができません。これもまた暴力団も顔負けの規約です。
 さらに紛争が生じた場合の行司役は3人の米国弁護士が当たるということで、そこでは国権を超えた裁定が行われ、場合にはよっては数千億円(あるいはそれ以上)の罰金が課せられます。
 
 何もかもが胡散臭い限りで、この胡散臭さこそがTPPの本質です。
 こんな不法な協定を締結しようとしている安倍政権の姿勢は理解の埒外というしかありません。
 
 TPPは2013年に数多く取り上げました。憲法違反(あるいは内容的にそれに相当するもの)を取り上げた記事としては下記が挙げられます。
 
        2013年7月30日 TPPのISD条項は憲法違反
        2013年7月25日 TPP交渉に参加 守秘契約に署名 交渉内容は4年間秘匿
        2013年3月25日 TPPのISD条項は憲法違反 
        2013年3月16日 ISDS条項は国家主権の上に裁定機関を置く取り決め 
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「TPPは違憲」2400人超に 訴訟の会、春にも提訴
東京新聞 2015年1月25日 
 環太平洋連携協定(TPP)交渉は憲法違反だとして、交渉の差し止めと違憲確認を求める「TPP交渉差し止め・違憲訴訟の会」が二十四日、都内で設立総会を開いた。会員が二千四百人を超えたことを報告し、三月か四月の提訴を目指す方針を決めた。
 
 同会の準備会は昨年九月に活動を開始。歌手の加藤登紀子さんや作家の落合恵子さんら約五十人が呼び掛け人となり、訴訟準備と会員募集を行ってきた。
 設立総会には約二百人が参加。代表に原中勝征前日本医師会長、幹事長に山田正彦元衆院議員、弁護団共同代表に自衛隊のイラク派兵差し止め訴訟に携わった岩月浩二弁護士を選んだ。
 
 年二千円の会費を払い会員となった約二千四百人のうち、約七百人が訴訟原告になることを希望。提訴後も入会を呼び掛け、一万人を目指す。準備会発足時は昨年中に提訴する方針だったが、訴訟根拠を詳細に検討するためずれ込んだ。
 
 設立総会に先立ち、TPPを批判するニュージーランド・オークランド大学のジェーン・ケルシー教授が講演した。交渉が三月の閣僚会議で大筋合意し、五月末に調印する可能性があるが、米議会では民主党や共和党保守派の反対も根強いとの見通しを示した。
 
 同会はTPP締結で食や医療などの国内規制が緩和させられ国民の健康と安全が脅かされ、幸福追求の権利を定めた憲法一三条、健康で文化的な生活を営む権利を定めた同二五条を侵害する、と主張。交渉の経緯が国民に知らされないことも「知る権利」につながる表現の自由を保障した同二一条に違反するとしている。