2015年1月27日火曜日

消費税増税で書籍類の売上も前年比4.5%ダウン

 書籍と雑誌を合わせた出版物は1996年をピークに年々販売金額が減少していますが、2014年度は消費税増税があったため前年比4.5%という過去最大の落ち込みだったということです。
 内訳は書籍類が4.0%、雑誌類が5.0%で、特に週刊誌の減少が激しかったということです。健闘しているのは漫画で前年比1%増でした。
 文庫本はこれまでは安定していたのですが、昨年4月の消費税アップの後に低迷したということです。
 
 こうした長期低落傾向はインターネットの普及によるもので、2013年度の電子書籍の売り上げは前年度比31・9%増だったということです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
出版販売最大の4.5%減 14年書籍・雑誌 10年連続前年割れ
東京新聞 2015年1月26日
 二〇一四年の書籍と雑誌を合わせた紙の出版物の推定販売金額が前年比4・5%減の一兆六千六十五億円と、過去最大の落ち込みだったことが、出版科学研究所(東京)の調査で分かった。十年連続の前年割れ。
 同研究所は、昨年四月の消費税増税によって読者の購読意欲が冷え込み、売り上げが鈍化したことが最大の要因だとしている。
 
 出版物の販売金額のピークは一九九六年の二兆六千五百六十四億円。十八年で市場規模の五分の二、約一兆円が消えた計算だ。インターネットが普及し、スマートフォンなどを通じ無料で手軽に最新情報を手に入れられるようになり、出版業界を支えてきた雑誌の売り上げが落ち込み続けていることも大きく響いているとみられる。
 一四年の推定販売金額は、書籍が前年比4・0%減の七千五百四十四億円、雑誌は同5・0%減の八千五百二十億円。特に週刊誌の落ち込みが激しかった。若者向けのファッション誌も苦戦している。
 文芸書は、本屋大賞を受賞した「村上海賊の娘」など一部が売り上げを伸ばしたほかはヒット作に恵まれず、売れる話題作とそうではない作品の二極化はますます進んだ。これまで安定して売れていた文庫本も、四月以降は低迷した。
 
 漫画の売り上げは従来の人気作に加え、アニメ化された「ハイキュー!!」や映画化された「アオハライド」などのヒットが重なり前年比1%増だった。
 一方、電子書籍の売り上げは着実に伸びている。出版やインターネットサービス事業を手掛けるインプレス(東京)が推計した一三年度の電子書籍・雑誌の市場規模は前年度比31・9%増の千十三億円だった。
 
 写真