2015年1月10日土曜日

生活保護世帯過去最多 行われているのは逆の政治

 安倍政権下で格差は拡大し、生活保護世帯6カ月連続で過去最多を更新しまし
 非正規労働者は2千万人を超えました。
 子供の6人に1人が「貧困」のレベルにあります。
 安倍内閣の演出で生まれた円安とそれに起因する株高で、富裕層や大企業は大儲けした一方で、庶民にはそうした恩恵などは一切なく所得は減る一方です。
 
 食料品・日用品類の円安値上げラッシュが年明けとともに加速され、生活は困窮に向かう一方ですが、そんな中でこの4月には、生活保護世帯に対して一昨年、昨年に引き続いて日常生活費を賄う生活扶助がまた減額されるということです。
 また、障害者に関しては障害基礎年金十分な説明がないままに支給が停止されたり減額されたりしているということです。
 誰が見ても逆方向のこの政策には、一体どんな大義名分があるのでしょうか。
 
 政府は来年度予算編成の基本方針で、社会保障費について「極力全体の水準を抑制する」と明記しました。大企業・富裕層本位の政治がこれほど堂々と行われ、経済弱者に対してはこれほど冷淡な政治が堂々と行われるというのも珍しいというべきです。安倍政治を象徴しています。
 
 愛媛新聞の(社説)「生活保護世帯最多 深刻さ増す格差社会 解消急げ」を紹介します。
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(社説)生活保護世帯最多 深刻さ増す格差社会 解消急げ
  愛媛新聞 2015年1月9日  
 深刻さを増す格差社会の解消を急がねばならない。 
 生活保護を受けている世帯が、6カ月連続で、また過去最多を更新した。昨年10月時点で161万5240世帯。半数近くは高齢世帯だが、働ける世帯でも増えている。 
 拡大する経済格差。経済対策の恩恵を受ける大企業がある一方で、非正規労働者は2千万人を超え、希望しても正社員になるのが難しい。ひとり親世帯の半数以上が平均的な所得の半分を下回り、子どもの6人に1人が貧困にあえぐ現状を、看過できない。 
 
 しかし、膨らみ続ける社会保障費の抑制を目的に、生活保護費削減は容赦なく進む。安倍政権は、日常生活費を賄う「生活扶助」を一昨年と昨年に続き4月にも減額する。加えて、家賃に相当する「住宅扶助」と冬場の光熱費に充てる「冬季加算」を見直し、来年度から支給総額を引き下げる方向で調整している。 
 
 円安による物価高が急激に進む中、引き下げの強行は、暮らしや健康に著しい影響を及ぼす。支出を減らすため家賃の安い住宅に移った結果、孤立し、環境の悪化で意欲低下に陥ったケースなども見られる。困窮者を切り捨てるような冷淡な政策は認められない。実態をよく見つめた上での慎重な対応を求めたい。 
 
 支援削減より、雇用や労働環境の改善が先決であることはいうまでもない。生活保護に至る前に生活を再建する支えが必要だ。精神的に追い詰められることによる虐待や社会的孤立、教育が受けられないことによる貧困の連鎖も防がなければならない。 
 4月にスタートする生活困窮者自立支援制度では、自治体が就職相談窓口を設置し、困窮家庭の子どもへの学習支援などを進める。だが、衆院選のあおりで、補助金額を決める来年度予算編成作業が遅れ、各自治体の準備遅れが目立っているのが気掛かりだ。 
 
 貧困は近年、複雑化し、見えづらくなっている。短期のアルバイトをしながら、サウナやコンビニなど24時間営業の店を転々として夜を明かす人も増えているという。国や自治体、福祉団体などが、より連携を深め、積極的できめ細かいサポート体制の構築を急ぐ必要があろう。 
 
 さらに障害者に関しては、障害基礎年金の十分な説明がないままの支給停止や減額の事実が各地で判明している。暮らしの支えを奪い、自立を阻む恐れがあり、実態の解明を求めたい。 
 
 政府は来年度予算編成の基本方針で、社会保障費について「極力全体の水準を抑制する」と明記した。削減ありきでなく、一部の大企業が富む政策を見直し、富の分配に力を注がなければならない。でなければ、社会の不安定化はいっそう進むに違いない。