2014年12月11日木曜日

“日本国憲法の大阪おばちゃん語訳”が出ました

 「全日本おばちゃん党」代表代行の谷口真由美さん(39)は、大阪大学で日本国憲法の講義を9年間も続けています。別に党の代表として講義をしているわけではなくて、元々大阪国際大学の準教授ですから、母校(大阪大大学院終了)に出張講義に出かけても別に不思議はありません。
 彼女の憲法の講義は学生たちの評判が良くて、学生たちが選ぶ優秀な教員に4度も選ばれました
 
 その谷口さんが、「日本国憲法 大阪おばちゃん語訳」(文芸春秋、1188円)を刊行しました。「授業でしゃべってる内容を基にした」ということです
 例えば、前文の「日本国民は、恒久の平和を念願し……」のおばちゃん語訳は、「私らは、ずっと平和がええなって思ってますねんわ」。「立憲主義」は「憲法っちゅうのは権力者が暴走せーへんように権力者を縛るものという考え方」という具合です。おばちゃん語で語られると実に分かりやすく、約50の条文がこんな風に解説してあるということです。

 この調子で行くと、例えば「集団的自衛権行使容認の閣議決定」などは一体どんな風に解説されるのでしょうか。
 興味をそそられる本です。 
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衆院選 大阪のおばちゃん 憲法、井戸端会議で語ったら
毎日新聞 2014年12月09日
◇「大阪おばちゃん語訳」出版
 大阪のおばちゃんが井戸端会議で憲法について語ったら−−。交流サイト上で活動する女性市民団体「全日本おばちゃん党」代表代行で、大阪国際大准教授の谷口真由美さん(39)が「日本国憲法 大阪おばちゃん語訳」(文芸春秋、1188円)を刊行した。憲法のあり方は、衆院選で各党が論戦を交わす争点の一つだ。谷口さんは「憲法は9条だけちゃう。改憲や護憲や言う前によう知って、お友達に知識をひけらかして」と話す。
「三権分立って、司法、行政、立法って暗記させられたんちゃう? 私ら(国民)が真ん中でワーワー言うてチェックするのも大事なことです」
 
 11月下旬、大阪府豊中市の大阪大学豊中キャンパス。谷口さんが非常勤講師として教える全学共通科目「日本国憲法」の授業風景だ。2005年から教壇に立つが「お茶の間で聞いてるよう」「憲法を身近に感じる」と人気で、学生らの投票で優秀な教員に贈られる賞を4度受賞。新刊は「授業でしゃべってる内容を基にした」という。
 
 本は抜粋した約50の条文のおばちゃん語訳と、その解説で構成。例えば、前文の「日本国民は、恒久の平和を念願し……」の訳は、「私らは、ずっと平和がええなって思ってますねんわ」。安倍政権が憲法解釈を変更して集団的自衛権の行使容認を閣議決定した際、話題になった「立憲主義」は「憲法っちゅうのは権力者が暴走せーへんように権力者を縛るものという考え方」と説明する。
 
 発足から2年、メンバーが4500人に達したおばちゃん党は、生活の悩みと政治を同列に語れる「敷居の低さ」が特徴だ。メンバーに衆院選で「争点はココ」と感じるトピックのアンケートを取ったところ、1位は特定秘密保護法の243票で、憲法改正も104票を得て4位に入った(複数回答)。谷口さんは「方言は、素の自分が出る言葉。憲法の理解を深めるために、本を参考に地元の方言に訳してもろたらオモロイかも」。四六判、216ページ。【反橋希美】