2014年11月1日土曜日

アベノミクスは無理づくめ 国民は貧困化

 景気の悪化が鮮明になってきました。
 政府が31日発表したところによると、有効求人倍率がカ月ぶりに01ポイント低下の09悪化したほか、完全失業率も前月比0・1ポイント上昇して3・6%になりました。一世帯当たりの消費支出も物価変動を除いた実質で前年同月比5・6%減と、6カ月連続マイナスとなり、減少幅も8よりも拡大しました。自営業などを除いたサラリーマン世帯の消費支出は7・3%減でした。
 投資家や公共投資関連などの一部の企業だけが儲かっても、国民の収入は減る一方で、もうアベノミクスの失敗は明らかです。
 それなのに日銀などは、消費税10%アップへの環境を作ろうと以下のような方針を発表しました。本末転倒の施策が続けられようとしています。
 
 日銀はこの日、1年間に買い入れる資産を現在の約60兆~70兆円から約80兆円に増やし、市場に流すお金の量を拡大する決定(表決5対4)を行いましたこれを受けて日経平均株価は上げ幅が一時00円に迫りましが、6年10カ月ぶりの円安になり、今後は1ドル=110~115円の大円安で推移すると見られています。
 円安 ⇒ ドル高 に誘導される株高を演出することで株主は儲けても、物価高に見舞われる庶民には関係ないだけでなく、円安は大いなる国富の損失につながります。
 
 また厚生年金と国民年金の資産約127兆円を市場で運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、国内株式への投資割合をこれまでの12%から25%にアップ(代わりに国債への投資割合は60%から35%に縮小)することを決めました。
 これは政権の方針に従ってこれまで株価の維持のために年金の積立金で株式を買い続けた結果、国内株式の投資割合が18%と12%を大いに逸脱してしまったのを追認し、さらに買い続けられるようにするための措置です。
 こんな風にして国民の資金で株を無理に買い支えて何の意味があるのでしょうか。いずれ株が暴落すれば国民は莫大な年金の積立金を失うことになります。
 
 総務省は31、9月の全国消費者物価指数は前年同月比3・0%上昇(103.5)となり、16カ月連続で上昇したと発表しました
 この物価上昇は円安による輸入品の高騰などに起因していて、景気の好況に拠るものではないので、単に庶民生活の困窮を示す指標と受け止めるべきです。
 
 そもそも 物価の上昇=経済の活性化 と捉えてそれを消費税10%値上げの根拠にしようというのは、結果と原因を取り違えたもので筋も何も通りません。
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景気悪循環 鮮明 雇用悪化 しぼむ家計
東京新聞 2014年10月31日
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  景気回復の遅れが鮮明になってきた。政府が三十一日、発表した有効求人倍率(季節調整値)が三年四カ月ぶりに悪化したほか、完全失業率も上昇。物価上昇も続き、一世帯当たりの消費支出も大きく減った。物価上昇に賃上げが追いつかない中、消費が抑制される悪循環が強まる。安倍政権は十二月に消費税再増税するかが、厳しい判断を迫られそうだ。 
 
 厚生労働省が三十一日発表した九月の有効求人倍率(季節調整値)は、前月比〇・〇一ポイント低下の一・〇九倍で、三年四カ月ぶりに悪化した。
 総務省が三十一日発表した九月の完全失業率(季節調整値)も二カ月ぶりに悪化し、前月比0・1ポイント上昇の3・6%だった。
 これまで景気回復を背景に求人倍率は改善を続けてきたが、消費の落ち込みで採用意欲に陰りが出てきた可能性がある。
 厚労省によると、九月の新規求人状況を産業別にみると、労働者派遣業が前年同月比で約五千八百人減少した。製造や小売り、サービスなど幅広い産業に労働者を送り出している派遣業は、雇用情勢のバロメーターの一つ。
 総務省によると、失業率が悪化したのは、新たに職探しを始めたものの仕事が見つからない人が増えたためという。
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 総務省が三十一日発表した九月の二人以上世帯の家計調査によると、一世帯当たりの消費支出は二十七万五千二百二十六円で、物価変動を除いた実質で前年同月比5・6%減。消費税率が8%に引き上げられた四月以降、六カ月連続のマイナス。減少幅は八月(4・7%減)から拡大した。
 外食を含む「食料」や、電気代や上下水道料の「光熱・水道」など、幅広い分野で減少した。一方、自動車購入や自動車整備費の「交通・通信」は増加した。
 自営業などを除いたサラリーマン世帯の消費支出は7・3%減の三十万三千六百十四円で、六カ月連続で減少した。
 
 
日銀、追加緩和を決定 資産買い入れ80兆円に拡大
東京新聞 2014年10月31日
 日銀は31日、金融政策決定会合を開いて追加金融緩和を決めた。1年間に買い入れる資産を現在の約60兆~70兆円から約80兆円に増やし、市場に流すお金の量を拡大する。消費税増税による景気失速を防ぐため金融面から景気を下支えする必要があると判断した。物価上昇の勢いも鈍っており、追加緩和で2%の物価目標の実現を目指す。
 日銀の追加緩和決定を受け、31日の東京株式市場の日経平均株価(225種)は上げ幅が一時700円を超えた。東京外国為替市場では2007年12月以来、約6年10カ月ぶりの円安ドル高水準をつけた。
 
 
年金運用 国内株式25%に倍増 政権意向反映、リスクも
東京新聞 2014年10月31日
 厚生年金と国民年金の資産約百二十七兆円を市場で運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、投資配分を定める資産構成割合(基本ポートフォリオ)を見直し、国内株式を現在から倍増の25%に引き上げる方針を固めた。国債など国内債券は35%に大幅に縮小する。塩崎恭久厚生労働相が三十一日にも認可し、公表する見通しだ。
 
 債券に比べリスクの高い株式の割合が増えると、高い収益が見込める半面、運用に失敗すれば損失が膨らみ、年金財政に悪影響を与える可能性がある。
 短期資産を除く新たな資産構成は、国内債券35%、国内株式25%、外国株式25%、外国債券15%。外国株も増やしたため、債券と株式の割合が半々となる。
 国内株式の割合を1%高めると、一兆円超の資金が株式市場へ流入する。今回の変更には、株式市場の活性化を狙う安倍政権の意向が強く反映されている。
 現在の基本ポートフォリオは5%の短期資産を含め、国内債券60%、国内株式12%、外国株式12%、外国債券11%。GPIFは既に国内債券の売却を進めており、六月末現在の積立金全体に占める国内株式は過去最高の16・79%に。12%を基準に上下6%までの変動は許容範囲だが、上限の18%に近づいていた
 政権は、株式投資の割合を高め、国内債券の比重を低下させる理由について、デフレから脱却すると、国債価格が下落する恐れがあると説明するが、野党や年金に詳しい専門家からは「年金積立金の政治利用だ」との批判も上がっている。
 
 
消費者物価3.0%上昇 増税など指数押し上げ
東京新聞 2014年10月31日
 総務省が三十一日発表した九月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く)は前年同月比3・0%上昇の一〇三・五となり、十六カ月連続で上昇した。エネルギー価格の上昇と消費税増税の影響が指数を押し上げた。上昇幅はエネルギー価格の上昇ペースが鈍化しているため、八月の3・1%からは縮小した。
 
 日銀の試算による消費税増税の物価の押し上げ効果(2・0%)を除くと、九月の上昇幅は1・0%となる。
 九月の指数はエネルギー関連や家電製品など幅広い品目で上がった。電気代は5・7%、灯油は6・9%上昇。テレビを含む教養娯楽用耐久財は7・3%、エアコンを含む家庭用耐久財が5・7%、海外パック旅行は6・2%上がった。
 同時に発表された十月の東京都区部の消費者物価指数(中旬速報値、生鮮食品を除く)は前年同月比2・5%上昇の一〇二・二で十八カ月連続のプラスだった。