2014年10月13日月曜日

「九条の会」講演会の後援 白井市教委、一転承認

 千葉県白井市教育委員会月の規程改定で「政治的中立」を理由に世論を二分するテーマの後援に慎重姿勢を打ち出しましたが、「しろい・九条の会」主催の集団的自衛権をテーマにした講演会について後援を承認することにしました。
 
 講演は東京外国語大の伊勢崎賢治教授による「紛争解決のプロが話す集団的自衛権」という演題で、市教委の委員たちは伊勢崎氏の著作を読んだ上で審議に参加し、「政治的に偏っていない。体験がユニークで勉強になる」、「国際社会でどうあるべきか考えるきっかけになる」などと、後援の承認に賛成する意見が相次ぎました
 
 「政治的に偏っていない」が審査基準であったり、「政治的中立」を理由に世論を二分するテーマの後援を否定する規定を設けたことは問題ですが、講師を十分に研究して後援を決めたことは評価されます。
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「九条の会」講演会の後援 白井市教委、一転承認
 東京新聞 2014年10月8日
 市民集会やイベントの共催・後援要件を厳格化する規程改定を行った千葉県白井市教育委員会が、来月、集団的自衛権をテーマに護憲団体が開く講演会について、後援する見通しとなった。市教委は四月の規程改定で、「政治的中立」を理由に世論を二分するテーマの後援に慎重姿勢を打ち出したが、七日の定例会で後援申請に反対意見が出なかったことから、後援を承認する方針を近く市議会に報告する。 (三輪喜人)
 
 講演会は、白井市の市民団体「しろい・九条の会」が来月十六日に市内で開催。日本政府特別代表としてアフガニスタンの武装解除を担当した東京外国語大の伊勢崎賢治教授が「紛争解決のプロが話す集団的自衛権」との演題で講演する。
 伊勢崎氏は安倍政権が進める解釈改憲による集団的自衛権の行使容認には「技術論としておかしい」との立場。九条の会は「集団的自衛権をより深く理解し、市民の知識を深める」ためとして、後援を市教委と市に申請した。
 
 市教委が後援申請を審査したのは、規程改定後はこの日が初めてで、委員たちは伊勢崎氏の著作を読んだ上で参加。「政治的に偏っていない。体験がユニークで勉強になる」「国際社会でどうあるべきか考えるきっかけになる」など、後援の承認に賛成する意見が相次いだ。
 九条の会は今年二月、「平和憲法と日本の将来」と題する憲法イベントの後援を市と市教委に申請したが、市からは承認を得たものの市教委は不承認とした。同月の市議会で保守系市議が市の対応を批判。市と市教委が規程を厳格化し、後援の規制を拡大することにつながった。
 この日の委員会を傍聴した九条の会のメンバーは「今回もダメかと思っていたのでうれしい」と話した。
 
 <白井市・市教委のイベント後援基準> 市民などから催しの後援申請を受けた場合、市と市教委は内部の規程にしたがって可否を判断する。市はこれまで「政治的・宗教的目的を有する行事」の後援を見送ってきたが、今年4月、「目的」を「色彩」と、よりあいまいに書き換え、承認見送りの対象を広げた。