2014年7月8日火曜日

集団的自衛権の法整備 1年くらいかけ議論

 集団的自衛権を行使できるようにするための法整備として、自衛隊法や周辺事態法など10本以上の法改正が必要ですが、すべての法案を取りまとめるためには少なくとも3か月から4か月はかかります。
 それに加えて政府は、1つの国会で時間をかけて一括して審議する必要があるとして来年の通常国会に法案を提出する予定にしています
 あれだけ拙速に閣議決定をしておきながら、その後の対応がこんなに間延びするのでは、なんともそぐわない感じがします。
 
 法改正は9条と整合性のあるものでなくてはならないので、それらを国民の前で慎重に議論することはもとより必要なことです。したがってじっくりと議論をすること自体に異論はありませんが、実はこの間延び作戦には、来年4月の統一地方選前に法案の全貌が明らかになり問題点を追及されるのは不利であるという、政府・与党の計算が働いていると言われています。なんとも狡猾で周到な作戦というべきです。
 
 いずれにしても今後は国会における論戦が重要です。
 そして当面は、年末までに行う予定になっている日米防衛協力の指針ガイドラインの見直しが、安倍首相が約束したことと整合性のある範囲に留まるのかどうかについて注目する必要があります。 
~~~~~~~~~~~~~~~~~
集団的自衛権の法整備 1年くらいかけ議論を 
NHK NEWS WEB 2014年7月7日
菅官房長官は7日午前の記者会見で、集団的自衛権を行使できるようにするための法整備について、国会に一括して関連法案を提出し、1年程度かけて、丁寧に審議を行っていきたいという考えを示しました。
 
この中で菅官房長官は、集団的自衛権の行使容認の閣議決定に基づく法整備について、「政府としては、武力攻撃に至らない侵害、いわゆるグレーゾーンから集団的自衛権に関わるものまで幅広い法整備を一括して行っていきたい」と述べました。
そのうえで菅官房長官は「法案の準備に最低でも3、4か月かかるので、そういうことを念頭に法整備を一括で行っていきたいと思っており、1年くらいはかけてしっかり慎重に丁寧にやっていきたい。全体の法整備にじっくりと時間をかけて、国民の皆さんの前で国会で議論することでより理解を深めていただけると思う」と述べました。
また、菅官房長官は、年末までに行う予定になっている日米防衛協力の指針、いわゆるガイドラインの見直しについて、「日米間で約束しており、基本的にずれることはない」と述べました。
 
 
集団的自衛権 法案提出は通常国会の方向で
NHK NEWS WEB 2014年7月7日
政府・与党は、集団的自衛権を行使できるようにするための法整備について、すべての法案が密接に関連することから一括して審議する必要があるなどとして、秋の臨時国会への提出は見送り、来年の通常国会とする方向で調整することにしています。
 
政府は、集団的自衛権の行使を容認する先の閣議決定に基づいて法整備を図るため、国家安全保障局に法案作成チームを設け、まずは自衛隊法や周辺事態法など10本以上に上るとみられる改正が必要な法律の全体像を示す作業を進めています。
また、防衛省も、年末までに行う予定になっている日米防衛協力の指針、いわゆるガイドラインの見直しに、集団的自衛権の行使容認を反映させるため、アメリカとの調整を加速させることにしています。
ただ、法整備にあたっては、集団的自衛権に関するものから武力攻撃に至らない侵害、いわゆるグレーゾーンへの対応まで、すべての法案が密接に関連することから、安倍総理大臣は6日、記者団に対し「幅広い法整備を一括して行っていきたい」と述べました。
政府・与党は、すべての法案を取りまとめるためには少なくとも3か月から4か月はかかるうえ、1つの国会で時間をかけて一括して審議する必要があるなどとして、秋の臨時国会への提出は見送り、来年の通常国会とする方向で調整することにしています。
一方、安倍総理大臣が安全保障法制を担当する新たな大臣を設ける考えを示したことについて、政府・与党内では、同じく新たに設ける「地方創生」を担当する大臣とともに、秋の臨時国会の前までに行われる内閣改造にあわせて置くことになるという見方が出ています。