2014年7月31日木曜日

ガザ侵攻長期化 死者1200人超、負傷者6000人超

 パレスチナ自治区ガザに対するイスラエル軍の攻撃は30日で23日目を迎え、ガザの死者数は1245、負傷者は6000人超に達しました
 住宅や学校も攻撃されています。
 神戸新聞は30日の社説で、「ガザ侵攻/無慈悲な戦闘に終止符を」と訴えました。
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ガザ侵攻長期化、死者1200人超す 子ども287人
朝日新聞 2014年7月30日
 パレスチナ自治区ガザに対するイスラエル軍の攻撃は30日で23日目を迎え、近年にない長期戦に入ろうとしている。ガザの保健省によると、ガザの死者数は29日夜までに1210人に達した。子どもが287人を占める。
 
 イスラエル軍のガザへの侵攻は2008~09年は23日間、12年は8日間だった。イスラム組織ハマスも、テルアビブなどイスラエルの大都市圏を狙ったロケット弾で応戦している。
 イスラエル政府は29日に予定していた閣議を30日に延期した。ネタニヤフ首相は28日に「長期戦に備えなければならない」と述べたが、パレスチナ自治政府やエジプトがハマスと調整しているとされる停戦案を見極めるとみられる。
 
 
イスラエル軍がガザの住宅・学校を攻撃、少なくとも43人死亡
ロイター 2014年 07月 30日
[ガザ/エルサレム 30日 ロイター] - イスラエル軍は30日午前、パレスチナ自治区ガザ北部の住宅や学校を攻撃、少なくとも43人が死亡、国連が運営する学校の関係者20人など、多数が負傷した
ガザの保健省が明らかにした。死者には医療関係者や幼児も含まれているという。
イスラエル軍は状況を確認中としている。
  
病院関係者によると、今月8日に軍事作戦が始まって以降、ガザ地区での死者は1245人に達した。イスラエル側の死者は56人となっている。
エジプト政府は29日、新たな停戦案をパレスチナ側の代表団に提示する方針を表明。イスラエル当局者も、カイロに代表団を派遣する可能性を示唆している。
 
 
(社説) ガザ侵攻/無慈悲な戦闘に終止符を
 神戸新聞2014年7月30日
イスラエルがパレスチナ自治区ガザに対する攻撃を始めて3週間、本格的な地上侵攻に踏み切って2週間になる。戦闘が激化し、犠牲者は千人を突破した。負傷者数も6千人を超えるとみられる。
 その多くは子どもや女性を含む一般市民である。イスラエル側も兵士ら40人以上が亡くなり、流血の拡大に歯止めがかからない。
 国連安全保障理事会は緊急会合を開き、「即時かつ無条件の停戦」を呼び掛ける議長声明を出した。これ以上の犠牲を防ぐため、双方に「人道的対応」を強く促す内容だ。
 米国のオバマ大統領も、イスラエルのネタニヤフ首相に同様の要請を行った。イスラエルへの攻撃をやめないイスラム原理主義組織ハマスに対する非難の声も高まっている。
 暴力の応酬は互いの怒りや恨みを深くし、対話による解決を一層困難にする。双方とも国際社会の求めに応じて直ちに停戦すべきだ。
 実際、ガザの死者に占める市民の割合は8割に上る。これほど多くが巻き添えになるのは、戦闘が市街地で繰り広げられているためだ。
 ガザの面積は神戸市の7割弱だが、人口は約170万人と20万人ほど多い。そんな都市にミサイルや砲弾を撃ち込めばどうなるか。イスラエルは「自衛権の行使」と主張するが、国連の人権高等弁務官は「戦争犯罪の可能性がある」と批判する。
 戦闘によって、1時間に1人のペースで子どもたちが命を落としているという調査もある。無慈悲としか言いようがない。
 負傷する子どもはその何倍もいることだろう。命は助かったとしても、家を破壊され、家族が目の前で殺害される。大人でも耐え難い体験は心に深い傷を残すに違いない。
 ガザではハマスが地下トンネルを掘り、物資の補給やイスラエルへの軍事行動を続けている。イスラエルの侵攻はトンネルの破壊を目的とするが、学校や病院なども攻撃して被害を大きくしているのが実情だ。
 一方、学校などに武器を持ち込み、市民を「人間の盾」とするハマスの行動も常軌を逸している。やはり「非道」のそしりは免れない。
 戦乱で犠牲となるのは罪のない人たちだ。そうした不条理に終止符を打たねばならない。双方の市民が真に望んでいるのは、戦火に脅かされることのない平穏な生活である。