2014年7月24日木曜日

高校生平和大使の桝田さん 核兵器廃絶への思いを

 平和大使は、長崎市の市民団体「高校生平和大使派遣委員会」が1998年から毎年派遣しています。約500人の応募者の中から今年の平和大使(21人)に選ばれた奈良女子大高の桝田奈央さんに、読売新聞が抱負を聞きました。
 桝田さんは、第17代高校生平和大使として、8月19日にスイス・ジュネーブの国連で行うスピーチで、「核兵器を作って使うのが人間なら、止めるのも人間。唯一の被爆国の高校生として、平和にかける思いを伝えたい」ということです
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高校生平和大使は奈良の女子高生・・・国連で演説
読売新聞 2014年07月23日
 平和の大切さをアピールする「高校生平和大使」に、奈良女子大付属中等教育学校で学ぶ桝田奈央さん(16)が選ばれた。
 8月19日、スイス・ジュネーブの国連でスピーチする桝田さんは「核兵器を作って使うのが人間なら、止めるのも人間。唯一の被爆国の高校生として、平和にかける思いを伝えたい」と話す。
 
 平和大使は、長崎市の市民団体「高校生平和大使派遣委員会」が1998年から毎年派遣。桝田さんは小論文や面接の審査を経て、約500人の中から第17代大使21人の1人に選ばれた。
 
 小学6年の時、広島への修学旅行の事前学習で、かつて江田島の海軍兵学校にいた祖父・弘さんに戦時中の話を聞いた。
 原爆が投下された時、弘さんは爆心地から約16キロ離れた兵学校の建物内にいた。背中が熱いと感じて振り向くと、キノコ雲が見えたという。
 けがはなかったが、終戦後、奈良に戻る途中で見渡す限り焼け野原となっていた広島市街を目の当たりにした。金属製の水道の蛇口までぐにゃりと曲がった惨状に、「原爆は、本当に恐ろしい」と語ってくれた。
 
 中学3年になって、発展途上国で活動する日本人医師の講演を聞いた。現地の人たちが貧困に負けずに生き、日常の中で小さな喜びを見いだす姿に魅了されたという話に、「世界には、いろんな国があるんだ」と興味を持つようになった。
 このあと、途上国の製品を適正価格で購入し、生産者の生活改善につなげるフェアトレード(公正貿易)を学んだ。「将来は、途上国の人たちの役に立つことをしたい」と夢を描く。
 
 8月17日に出発し、全国の高校生が集めた平和な世界の実現を求める署名をジュネーブの国連欧州本部に持参する。
 大使になったあと、長崎や広島の高校生たちとふれ合って、核廃絶と平和に対する意識の高さに驚いたといい、英語で行うスピーチでは、国連軍縮局長らに原爆の恐ろしさや命の尊さなどを訴えるつもりだ。「世界の人たちに、自分の言葉で平和の大切さを発信していきたい」と意気込む。(西川眸)