2014年4月20日日曜日

米艦防護は現行の解釈で可能 公明党副代表

 自民党は集団的自衛権の行使を実現しようとして、しばしば「日本近海にいる米艦が攻撃を受けたときにその防護が出来なければ米国の信頼を失う」ということを理由に挙げますが、公明党は一貫して「それは個別自衛権の範囲で対応できる」という考え方です。
 
 公明党の北側副代表(弁護士)は18日、共同通信とのインタビューで日本防衛のために公海で活動する米艦が第三国に攻撃された場合「わが国に対する武力攻撃の着手に当たると十分言える。日本防衛のための米艦を攻撃するなら日本への攻撃も当然行うだろう」から、個別的自衛権に基づいて米艦を防護できると、集団的自衛権行使の必要性を否定ました。
 
 また、憲法解釈変更に関し「抽象的に閣議決定しても意味はない。あくまで新たな法制が憲法との関係でどうか、という議論だ」として、具体的な法の制定に当たって議論すべきものという見解を示しました。
 
 安倍政権は私的懇談会の報告書提出を待って、集団的自衛権の行使に関する「政府方針」を出し、閣議決定に持ち込みたい考えです。そのためにはまず公明党との合意が必要になりますが、説得力に乏しい論理でその目的を達成しようとすることには無理があるようです。
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米艦防護、現行解釈で可能 公明副代表
東京新聞 2014年4月19日 朝刊
 公明党の北側一雄副代表は18日、日本防衛のために公海で活動する米艦が第三国に攻撃された場合の自衛隊の対応について、現行憲法解釈の範囲内で個別的自衛権に基づき米艦を防護できると明言した。今後の議論の進め方に関し、安全保障上の法的課題を列挙した工程表を与党で協議し閣議決定すべきだとの考えも表明した。共同通信とのインタビューで語った。
 
 安倍晋三首相が集団的自衛権行使の典型例と位置付ける米艦防護での見解相違が鮮明となった。
 集団的自衛権をめぐる与党協議で公明党の責任者を務める北側氏は、米艦防護に関し「わが国に対する武力攻撃の着手に当たると十分言える。現実的に見れば、(相手国は)日本防衛のための米艦を攻撃するなら日本への攻撃も当然行うだろう」と強調。集団的自衛権の行使を容認する必要はないとの考えを示した。
 首相の設置した有識者懇談会などで取り沙汰されている米国に向かうミサイルの迎撃やシーレーン(海上交通路)防衛も、自衛隊が警察権を適用して対応可能と指摘した。
 北側氏は工程表に自衛隊法や周辺事態法を念頭に「わが国の安全保障法制について何年か単位で(改正を)検討する」との内容を想定していると説明した。
 
 憲法解釈変更に関し「抽象的に閣議決定しても意味はない。あくまで新たな法制が憲法との関係でどうか、という議論だ」と、具体的な法改正に即して必要性を見極めるべきだとした。集団的自衛権の立場の違いが連立離脱に結びつく可能性は否定した。