2013年12月20日金曜日

猪瀬辞任劇は安倍自民党のシナリオどおり

 猪瀬都知事がついに辞任を表明しました。
 当ブログでは東京都の問題ということで、彼がメディアなどから一斉攻撃をされている記事などの紹介はこれまでしませんでした。
 
 元外務官僚の天木直人氏は19日のブログで、猪瀬氏の追い落としは東京五輪の利権を独占したい勢力が官僚(直接的には検察)とメディアを使って行った、とする見方を示しました。
 確かに徳田虎雄氏のパソコンを押収し、家族の主要メンバーを逮捕した検察しか知りえない筈の事実が、次々をタイミングを見計らってメディアに流されて、それが都議による知事の追及に活用されました。
 
 残念なことに日本のマスメディアは官僚に制御され、特にトップスは政府に完全に迎合的ですが、本来は政府さえも転覆できる底力を持っているといわれています。そういう圧倒的な力を秘めているマスメディアが、官僚と一緒になって個人の攻撃を始めれば、誰であろうと抗することなど出来ません。
 
 猪瀬氏の行為は社会的に糾弾されるべきことでしたが、少なくとも数十人に上るといわれる他の収賄者たちは何の追及も受けていないという現実が一方にあります。
 
 「我々は小悪に目を奪われて巨悪を見逃してはいけない。本当の敵を見誤ってはいけない」 ―  ブログはそう結んでいます。
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安倍自民党のシナリオどおり展開した猪瀬辞任劇
天木直人 2013年12月19日
 あまりにも出来すぎた展開だ。メディアを使って猪瀬たたきの情報を絶え間なく出し続け、猪瀬嫌いの世論をあおり、どうにもならない形で辞任に追い込んだ後は、間髪を入れず五輪成功という殺し文句を持ち出す。
 
 見ているがいい。これから先は、「東京五輪成功の為に最善の都知事は誰だ」という報道で一色になるだろう。そしてその候補者には下村文部科学大臣や橋本聖子などの名前がはやばやとあがる。そのほか取り沙汰される候補者はみな安倍自民党の意のままに動く候補者ばかりだ。間違っても東京五輪反対の候補者はあらわれてこない。あらわれたとしても勝ち目はない。
 
 見事なシナリオだ。五輪招致の立役者は猪瀬ではなく自分だ、その後の準備と利権を一手に握り、カジノや公共事業を取りしきるのは自分だ。そういう安倍首相の高笑いが聞こえてきそうだ。
 
 官僚とメディアを使った国家権力の強さと卑劣さをまざまざと見せつけられたドタバタ劇であった。我々は小悪に目を奪われて巨悪を見逃してはいけない。本当の敵を見誤ってはいけない。 (了)