2013年11月10日日曜日

秘密保護法案 弁護人には秘密事項を開示しない

 特定秘密保護法案が、憲法が謳う基本的人権を侵害するものであることは、これまでも多くの法律家団体やメディアなどが指摘して来ました。ところがさらに具体的に 刑事事件被告の防御権をも侵害するものであることが明らかになりました。
 
 9日の時事通信、法案では刑事事件の捜査や公訴の維持上必要な「特定秘密」は、警察、検察には提供できるものの弁護人への提供は認めていないことを報じました。
 これでは弁護人が検察と対峙して被告の人権を有効・的確に防御することなど出来ません。法律がそういう差別的な内容になっているのはとても重大なことで、到底容認されるものではありません
 
 日本の裁判では、判事は、検事の作成した検面調書には無条件で信を置くものの、被告や弁護人の主張にはあまり重きを置かないのが通例で、被告の人権を軽んじた司法という批判がずっと行われて来ました。秘密保護法案はその傾向を更に強化するという内容になっています。
 秘密保護法案人権無視の法案であることがまた明らかにされました。
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秘密提供、弁護人は対象外=「防御権侵害の恐れ」指摘も-保護法案
時事通信 2013年11月9日
 政府が今国会で成立を目指す特定秘密保護法案は、秘密を扱う公務員らだけでなく、秘密を取得した側も罪に問われかねない内容となっている。起訴されて裁判を受ける場合、同法案では弁護人への秘密の提供は認められておらず、弁護士の間では「被告の防御権が侵害される恐れがある」との指摘も出ている。
 
 特定秘密は行政機関の長が指定し、扱えるのは国家公務員や都道府県警の職員、防衛産業関係者らに限定。秘密を漏らすと最高で懲役10年の刑が科され、過失や未遂も処罰の対象となる。また、秘密漏えいを唆したり、暴行や脅迫、不正アクセスなどによって秘密を取得したりした場合も処罰対象となる。
 法案では、刑事事件の捜査または公訴の維持に携わる警察、検察には特定秘密を提供できるとされる。証拠開示命令を出すかどうかを決めるに当たって必要な場合には裁判所への提供も可能とされるが、弁護人への提供を認める記載はない。