2013年9月28日土曜日

中国が安倍氏の「どうぞ右翼軍国主義者とお呼びを」 を論評

 米国を訪問中の安倍首相25日、ニューヨークの保守系シンクタンク「ハドソン研究所」で講演し集団的自衛権行使の解釈改憲についての意欲を改めて示し、意味が不明といわれている「積極的平和主義」も強調しました。
 そのうえで、中国や韓国が「戦争の道を目指す右翼」などと自身を批判していることについて、日本と中国の防衛費の伸び率を比較して、「もし、私を右翼の軍国主義者とお呼びになりたいのであれば、どうぞお呼びいただきたい」と反論しました。

 中国人民日報はそれに対して、27日、「危険な安倍式『どうぞそうお呼びいただきたい』」と題する論評を掲げました。
 以下に、外交部記者会見の分も含めて中国人民網の記事を紹介します。
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危険な安倍式「どうぞそうお呼びいただきたい」
中国 人民網日本語版 2013年9月27日
 安倍氏の横暴と恐れ知らずには「成長」過程がある。いつの日か条件が熟しても、または頭に血が上りすぎても、今日の勝手な妄言が現実の冒険に変わることはないと誰が保証できよう?(人民日報「鐘声」国際論評)

 日本の安倍晋三首相は25日、米ニューヨークのシンクタンクで講演し、日本を率いて「積極的平和主義の国」にすることを固く誓うと同時に、なんと「私を右翼の軍国主義者と呼びたいのであれば、どうぞそうお呼びいただきたい」と公言した。
 かくも悪辣な政治的レッテルを自らに貼る自信はどこから来るのか?軍国主義的侵略の歴史の魂を公然と招きかえし、至る処でもめ事を引き起こす政治屋が、どうして日本を真の意味の積極的平和主義へと導くことができようか?

 安倍氏の講演の全文を入念に読み込むと、安倍氏がニューヨークで売り込んだのが、価値観同盟をかき集めるという妄想、平和憲法を改正するという衝動、中国の国際的イメージを毀損するという腹黒い魂胆に過ぎぬことが難なく見てとれる。講演に何か新たな情報があったとすれば、それは破れかぶれの横暴、および正義や世界公認の正しい道理に挑戦する恐れ知らずがエスカレートしているということだ。
 安倍氏は講演で価値観同盟を築き、間もなく到来する「インド洋と太平洋の世紀」を「盟主」と共に指導すると放言した。安倍氏の自信は「日本は最も成熟した民主国家の1つである」との自らの判断から来ている。歴史事実を覆し、戦後の国際秩序と取り決めに挑戦してもなお「最も成熟した民主国」でいられるのだとすれば、そのような「民主」は一体どんな代物なのか?価値観の看板を高く掲げて未来をリードしたいのなら、まず国際社会に受け入れられる「普通の国」にならなければならない。

 平和憲法改正によって束縛を解き、地域と世界の安全保障枠組における「弱い一環」であることを変える。安倍氏は戦後体制改変の激しい衝動を再び披瀝した。この衝動は一体「世界の福祉や安全保障」により多くの貢献をしようとするものなのか、それとも妨害し、破壊しようとするものなのか?

 英紙フィナンシャル・タイムズの論評に耳を傾けてみたらどうか。「隣国を怒らせる安倍政権の挑発的言動と侵略の歴史を歪曲する態度は、アジア太平洋地域の平和と安全を脅かす」。
 日本の有識者もこの脅威を目の当たりにしている。東京大学の高橋哲哉教授は「歴史に対する評価が必要に基づき随時変化する」安倍氏の歴史観は国防軍創設、海外での軍事行動展開などの計画と相まって、「隣国が非常に危険な動向と捉えるのは明らか」と指摘した。

 講演で安倍氏は日本の防衛費が中国の軍事費の半分に過ぎないこと、防衛費の伸び率が中国よりも低いことを挙げて「中国の脅威」を誇張しようと企てた。なんたるでたらめなロジックだ!もし軍事費の多寡のみを根拠に世界に対する脅威の程度を断定するのなら、筆頭は米国を置いて他にないではないか?
 中国は平和的発展路線を堅持し、防御的国防政策を遂行しており、戦略の意図は透明だ。中国による正常かつ正当な国防能力の発展は、いかなる国に対しても脅威とならず、四の五の言う権利は日本にない。

 「私を右翼の軍国主義者と呼びたいのであれば、どうぞそうお呼びいただきたい」は、安倍の講演中の憤懣やるかたない反語だ。問題は、「右翼の軍国主義者」が自分にとって敏感な言葉であることを安倍氏が全く自覚していないことが、この反語によってはっきりと示されたことだ。彼からすると、侵略定義未定論をぶち上げ、「村山談話」見直しを言い放ち、靖国神社の亡霊を間接的に参拝し、慰安婦問題が国家犯罪であることを認めないのは、正当至極な行動であり、「ポリティカル・コレクトネス」に背くやましさや恥ずかしさはみじんも感じていないのだ。

 安倍氏の横暴と恐れ知らずには「成長」過程があることに注目する必要がある。この成長には、誤った方向に沿って滑り落ちる加速度作用があり、日本社会の右傾化の激化という環境によって引き立てられており、外的圧力がまだそれを直ちに抑えられていないこととも関係がある。
 言葉は心の表れ、理念は行動の指針。いつの日か条件が熟しても、または頭に血が上りすぎても、今日の勝手な妄言が現実の冒険に変わることはないと誰が保証できよう?
 安倍式「どうぞそうお呼びいただきたい」は、改めて警鐘を鳴らしている!(編集NA)

外交部:日本首相の右傾化関連発言について
人民網日本語版」2013年9月27日
 外交部(外務省)の26日の定例記者会見で、洪磊報道官が質問に答えた。

記 者:まず、日本の安倍晋三首相は25日に米国で行った講演で、日本の平和憲法には制約があり、集団的自衛権の解禁は「積極的平和主義」の国になるためだと述べた。日本の右傾化に対する国際社会の非難を不満に思う安倍首相は「私を右翼の軍国主義者と呼びたいのであれば、どうぞそうお呼びいただきたい」とも述べた。これについてコメントは。次に、・・・・(中 略

洪報道官:最初の質問の安倍首相の集団的自衛権行使に関する発言だが、歴史的原因から隣国と国際社会は一貫して日本の軍事・安全保障政策の動向を強く注視しているということを指摘しておく必要がある。日本は人為的に緊張をつくり出し、誇張して、軍拡や軍事政策変更の口実にすべきでない。われわれは日本側に対して、歴史を鑑として、歴史の教訓を汲み取り、地域の国々の懸念を尊重し、地域の政治的相互信頼、平和、安定の強化に寄与する事をしっかりと行うよう要求する。

 日本の右傾化に関する安倍首相の発言だが、日本が侵略の歴史を直視し、反省し、平和的発展の道を歩めるかどうかは、アジア隣国と国際社会が一貫して強く注視している問題であるということを指摘しておく必要がある。しばらくの間、日本国内では侵略の歴史を極力否認し、美化するマイナスの言動が絶えず、アジア近隣諸国と国際社会から声を揃えて非難されている。日本の指導者は国際社会の懸念と正義の声に真剣に対処し、歴史を直視し、反省する姿勢を表明し、実際の行動によって国際社会の信頼を得るべきだ。

 2つ目の質問だが、・・・(後 略)         (編集NA)