2013年9月6日金曜日

婚外子差別 法改正、自民・保守系議員が一大抵抗勢力

 4日の「婚外子の相続差別は違憲」とする最高裁判決を受けて、5日付の各紙は一斉に社説でその問題を取り上げました。

 社説のタイトルを見ると、5大紙では長かった平等への道 毎日)」「遅すぎた救済のつけ 朝日)」「国会は速やかに相続差別規定の撤廃を (日本経済)」「家族観の変化に沿う違憲判断 (読売)」などでした(新聞名のうち「新聞」は省略。以下同)

 また地方紙では、「つらい思いに終止符を 東京)」「問われる政治の不作為 北海道)」「違憲は当然の判断だ 沖縄タイムス)」「ようやく違憲判断が出た 神戸)」「違憲判断 遅きに失した不公平解消 岐阜)」などと判決が遅きに失したことの指摘や、「早急な法改正が国会の責務 熊本日日)」「立法府は違憲解消を急げ 西日本)」「国会は民法改正を急げ 高知)」「真に平等な社会へ法改正急げ 愛媛)」「国会は速やかに対応を 中国)」「法改正し家族観再考を 京都)」などと、立法化を急ぐべきだとする主張で占められました。
 
 つくづく1995年の退嬰的な最高裁判決が、日本における婚外子差別の是正を如何に遅らせてしまったことかと感じます。

 ところで毎日新聞が5日の記事「婚外子差別:民法改正、腰重い自民 保守系議員、高い壁」で高市政調会長の談話を紹介し、自民党・保守系議員が婚外子差別撤廃の一大抵抗勢力になっていることを明らかにしました。
 そういえばかつて「選択的夫婦別姓制度」の機運が盛り上がったときにも、自民党・保守系議員が「家族制度の破壊につながる」と反対したために結局沙汰止みになったことがありました。

 婚外子差別の撤廃や選択的夫婦別姓制度が家族制度を破壊する、とは理解に苦しむ話です。そもそも夫婦別姓制度は単なる風習であって、国によってはそれが当たり前に行われていますが、そのことで家族制度が別に破壊されてなどいません。また早くから婚外子差別をなくした海外で家族制度が破壊されているとも聞きません。
 
 保守系の人々はそう主張することに面目を感じているようですが、一般の人からみると「単なる不可解さ」としか受け取れません。
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婚外子差別:民法改正、腰重い自民 保守系議員、高い壁
毎日新聞 2013年9月5日
 最高裁の違憲判断を受け、政府は民法改正に着手する。菅義偉官房長官は4日の記者会見で「できる限り早く対応する」と述べ、秋の臨時国会への法案提出に前向きな考えを示した。谷垣禎一法相も「いたずらな混乱を生じさせてはいけない」と改正に意欲を見せた。だが「伝統的な家族観」を重視する自民党の腰は重く、改正が早期に実現するかはなお見通せない。

 同党の高市早苗政調会長は「政府と緊密に連携し、十分な法案審査等を通じて真摯(しんし)に対応したい」との談話を発表した。談話は「『一夫一婦制』や『法律婚主義』を危うくしかねない」という党内の批判的意見をあえて盛り込み、党政調で法案の「事前審査」を慎重に行う意向をにじませた。安倍政権には、支持基盤の保守層への配慮が欠かせないという事情がある。

 一方、婚外子の相続差別撤廃を掲げる公明党の山口那津男代表は「すばやく対応するのが国会の務め」と強調。「自民党にも働きかけてコンセンサスを作る努力をしたい」と述べた。

 法相の諮問機関「法制審議会」は1996年、相続差別の撤廃と選択的夫婦別姓制度の導入を答申し、法務省は民法改正案の提出をうかがってきたが、保守系議員の反発で断念させられた経緯がある。今年4月には、民主、みんな、社民の3党が、相続規定を撤廃する民法改正案を議員立法で参院に提出したが、廃案になっている。

 ある法務省幹部は「ようやく法案提出のチャンスがきた」と期待する。だが、「保守系議員の反発を考えると、答申通り婚外子と夫婦別姓をセットにした法案提出は難しいだろう」と話した。【横田愛、伊藤一郎】