2013年9月26日木曜日

石垣市で教育長発言に抗議 平和教育問題

 玉津博克石垣市教育長が市議会「沖縄の平和教育は、戦争の悲惨さを強調する教育になっている。戦争に対する嫌悪感から派生する思考停止と言える」などと発言したことに対して、平和・労組の10団体で構成する平和憲法を守る八重山連絡協議会(渡辺賢一会長)24日、「平和教育を否定するものだ」と抗議、発言の撤回を求める要請書を提出しました。

 太平洋戦争時に国内で唯一の地上戦、それも一般市民を巻き添えにした凄惨を極めた激戦が行われた沖縄で、石垣市の教育長からそのような発言が行われたことには驚きます。
 玉津氏は八重山地区(石垣市、竹富町、与那国町)の中学公民教科書の採択でも保守色の濃い育鵬社の教科書採択を主導をした人なので、「教科書問題」と共通する考え方に拠っているものと思われます。
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「思考停止、あってはならない」 市民団体が撤回求め抗議
八重山毎日新聞 2013年9月25日
玉津教育長発言
 玉津博克石垣市教育長が砥板芳行氏の市議会一般質問に対し「沖縄の平和教育は、戦争の悲惨さを強調する教育になっている。その弊害は、戦争に対する嫌悪感から派生する思考停止と言える」などと発言した問題で、平和・労組の10団体で構成する平和憲法を守る八重山連絡協議会(渡辺賢一会長)は24日午前、「県内の平和教育を否定するものだ」と抗議、発言の撤回を求める玉津教育長あての要請書を提出した。玉津教育長は現場視察で不在として、前盛善治教育部長が受け取り、「教育長に伝える」と応じた。
 同連絡会は、沖縄戦にとどまらず世界の内戦・紛争の現状や人権・貧困問題、国際協力など世界の平和と日本の役割も学んでいると指摘、「教育現場を正確に把握せず、県内の平和教育を否定するもので、学校現場の教師との信頼関係を損なうものだ」と批判。

 また、砥板氏が「どのような指導が行われたか」として取り上げた3年のあるクラスの平和教育について前盛教育部長が問題ないとの認識を示したことに言及、「教育部長の答弁と矛盾する内容を個人の見解として述べており、教育介入につながりかねない」と懸念を表明した。
 玉津教育長は答弁で「平和教育のあり方をいま一度点検、確認し、工夫改善を加える」との考えを示したが、前盛部長によると、現段階では実施されていない。教育委員の定例会でも平和教育のあり方について議論したことはないという。

 連絡協のメンバーは「教育長の発言は教育委員会全体の考え方ととらえられかねない。しかるべき対応をとらないと誤解を招く」と委員会としての対応を求めたほか、「思考停止は教育にあってはならず、現場に対する侮辱だ」と不満をあらわにした。

 砥板氏がクラスだよりを紹介したことについても疑問視、「感想は感想だ。教師が学級通信や、お知らせを出す際、教員自らが(内容を)制限したり、(自由に書くことを)ちゅうちょしたりすれば、そのことが思考停止につながる。教育の自由を守ってほしい」と訴えた。

 玉津教育長は同日午後の定例会終了後、「まだ要請文を読んでいないのでコメントできない」と話した。定例会には前盛部長から要請があったことが報告された。