2013年9月25日水曜日

君が代斉唱起立拒否 「処分は無効」と大阪府を提訴 +

 君が代の起立・斉唱時に起立を拒み減給処分を受けた大阪府の教諭が24日、府を相手取り、処分の取り消しなどを求めて大阪地裁に提訴しました。処分取り消しの訴訟初めてのことです。

 訴状で教諭は、君が代の起立斉唱を強制する職務命令は、憲法で保障された思想・良心の自由に反すると指摘し、違法な命令に従う義務はなく処分される理由はないとしています

 大阪府は東京都とともに君が代の起立斉唱を義務付ける条例を制定しており、最近も君が代斉唱時に教職員の口許監視を強化することを決めたばかりです。

 +毎日新聞関の連記事を追加
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君が代斉唱起立拒み減給の教諭「処分は無効」大阪府提訴
毎日新聞 2013年09月24日
 卒業式の君が代斉唱時に起立を拒み、減給処分を受けた大阪府立支援学校の教諭(56)が24日、府を相手取り、処分の取り消しなどを求めて大阪地裁に提訴した。教諭は、処分は違法で無効だと主張している。府教委によると、君が代の起立斉唱を義務付ける全国初の条例施行後、処分取り消しの訴訟が起こされたのは初めて。

 教諭は奥野泰孝さん。2012年3月、勤務する学校の卒業式で君が代斉唱時に起立せず、府教委から戒告処分を受けた。翌年3月の卒業式でも起立せず、減給10分の1(1カ月)の処分になった。奥野さんは二つの処分について、府人事委員会に不服を申し立てている。
 訴状で奥野さんは、君が代の起立斉唱を強制する職務命令は、憲法で保障された思想・良心の自由に反するなどと指摘。違法な命令に従う義務はなく、卒業式の進行にも支障はなかったとして、処分される理由はないとしている。

 提訴後、記者会見した奥野さんは「『立ちなさい』と言ってくることを腹立たしく思う。やむにやまれず反対の声を上げた」と話した。
 府教委は「詳細は把握していないが、処分については適切に対処している」とコメントした。【渋江千春】
 
君が代提訴:政治主導で斉唱徹底 教職員組合は反発
毎日新聞 2013年9月24日
 大阪府では橋下徹知事時代の2011年以降、政治主導で、教職員の君が代起立斉唱の徹底を図ってきた。

 起立斉唱を義務付ける全国初の条例制定の契機となったのは同年4月の府立高入学式だった。27校の教員が起立斉唱しなかったことに橋下氏が激怒。これを受け、橋下氏が代表を務める大阪維新の会の府議団が、君が代起立条例を議員提案した。公明、自民、民主、共産は反対したが、維新の賛成多数で同年6月に成立した。

 君が代起立条例には罰則規定がなく、後任の松井一郎知事が翌12年3月、君が代起立斉唱を念頭に「同一の職務命令に3回違反すれば分限免職の対象とする」と明記した職員基本条例を制定した。

 府教委によると、君が代起立条例施行後、戒告処分となったのは41人。うち2人はその後も不起立を繰り返したなどとして減給処分も受けた。このうちの1人が奥野さんだ。これまで免職になったケースはない。

 今月4日には府教委が、入学式や卒業式で教職員が起立斉唱しているかを管理職が目視で確認するよう各府立校に文書で通知。教職員組合は「人権侵害だ」と反発している。【深尾昭寛】