2013年7月21日日曜日

米・中の印象についての調査結果

  アメリカの調査機関が“米・中2カ国の印象”について39カ国で調査した結果を、「人民網日本語版」が「環球時報」から転載しました。
 アフリカ、中南米、欧州などの中国についての印象が分かって参考になります。

 残念ながら日本国民の中国に対する好感度は僅かに5%で、各国のなかでも際立って低いものでした。日本はこれまでODAなどで中国の発展に向けてかなりの貢献をしてきましたが、小泉政権以来目立ってきた政府間の対立が、ついに国民の感情の中に浸透してきました。

 コーヒータイムに読むにはやや長文ですが・・・

 中見出しのまったくない記事なので、少しでも読みやすくなるように事務局で適当に中見出しを付けました(青字の部分)。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
世界での好感度:米国は63%、中国は50%
 「人民網日本語版」2013年7月19日
米調査機関が39カ国で“中米の印象”を調査
 「世界の世論は中国はいずれ米国を追い抜くと考えているが、米国の国際的イメージは依然中国よりも良い」。米調査機関ピュー・リサーチ・センターが18日発表した世界39カ国3万7653人を対象にした「中米の印象」に関する調査によると、39カ国中23カ国で大部分の回答者が「中国はすでに、またはいずれ米国を追い抜いて世界最大の強国になる」との認識を示した。だが好感度では米国は63%で、中国は50%だった。中国に対する好感度が最も低いのは日本で、5%だけだった。が伝えた。

 ピュー・リサーチ・センターによると、今回の調査は3月2日から5月1日にかけて米国、カナダ、欧州9カ国、中東7カ国、アジア8カ国、中南米7カ国、アフリカ6カ国の計39カ国で行なった。

「中国が米をしのぐ」は欧州で顕著、中国国民も3分の2、米国民は半々
 サウスチャイナ・モーニング・ポストによると、これは中国に関する過去最大規模の世論調査。調査報告は冒頭で「世界の世論は、世界の権力はシフトしつつあると考えている。経済力を強め続ける中国は米国に取って代わり支配的地位を占める超大国になると多くの人々が考えている」と指摘した。報告によると、過去30年間の経済拡張がもたらした中国の世界的影響力、および2008年に米国が遭遇した経済停滞を受けて、世界は中国と米国に対する印象を一新しつつある。3分の1以上の回答者が中国はすでに世界最大の経済大国だと考えている。2008年にはこの数字は20%だった。中国はリーダー的な経済大国だと考える人が増えている。この趨勢は欧州における米国の同盟国で最も顕著だ。例えば英国では53%、ドイツでは59%が中国を選択し、米国を選んだのは各々33%と19%に過ぎなかった。また、中国の回答者は中国が最終的に世界の支配的地位を占めることに疑いを持っていないが、米国人の姿勢は分かれた。米国は引き続き中国に対する優勢を維持すると考える米国人は47%で、2008年の54%よりも減った。一方、中国はすでに米国に取って代わった、またはいずれ取って代わると考える中国人は約3分の2を占めた。中国の回答者の56%が、中国はもっと尊重されるべきとの考えを示した。

中国の好感度はいま一歩
 「それでも中国は依然、自らのイメージの改善に努力する必要がある」。18日付ワシントン・ポストによると、米国の世界的好感度が63%に達したのに対し、中国は50%にとどまった。世界の回答者の59%が米国を協力パートナーと見なしているが、中国を協力パートナーと見なす回答者は39%にとどまった。ソフト・パワーは世界における米国の肯定的イメージの重要な構成要素だ。一方、中南米とアフリカの多くの民衆は中国の科学技術を高く評価している。中国の軍事と人権政策はどこでも歓迎されていない。「中国の軍事力強化は自分の国にとってマイナス」との認識は日本で96%、韓国で91%に上った。中国は文化輸出製品でも外国人を引きつけがたい。

(「国民の過半数が中国を好感」は半数の国、中国に「個人の自由がある」は4分の1)
 18日付サウスチャイナ・モーニング・ポストは調査結果を引用して「多数の回答者が中国に好感を抱いている国は半分しかなく、多数の回答者が中国は個人の自由を尊重していると考える国は4分の1しかなかった。だがこの調査は元CIA職員のスノーデン氏による暴露事件より前のものであり、ほぼすべての国で多数の回答者が米国は公民の自由を保護をしているとの認識を示した」と報じた。ピュー・リサーチ・センターの担当者は「個人の自由の尊重がその国の好感度の重要な構成要素であることが調査結果によってはっきりと示された。これも中国政府が考える必要のある点だ」と指摘。「台頭も中国が歓迎されない1つの要因だ。ボスと見られたら、好かれないものだ」とも述べた。

「中国を好感」はアフリカと中南米、日本は最低の5%
 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、中国の国際的イメージは米国に及ばないが、世界各国では徹底した反中感情も非常に限られている。このうち中国に対する否定的感情が最も強いのが日本で、中国に好感を抱いている回答者は5%しかおらず、大多数の人は中国が支配力を持つ超大国になることに懐疑的だ。日本の回答者の対中姿勢は中日間の領土紛争の影響を受けている。ドイツも対中輸出は力強いが、中国に対する好感は下がっている。中国に好感を抱く国の多くはアフリカと中南米で、アフリカでは約6割の回答者が中国のビジネスの仕方を認めている。中国政府の支持者は主にマレーシア、パキスタン、ケニア、セネガル、ナイジェリア、ブラジル、チリだ。大多数の国の回答者は中国はパートナーでも敵でもないと考えている。また、若くて教育水準の高い回答者ほど中米に対してより肯定的であることもわかった。報告は「将来、中国にとって最大の世界的資産は若者を引きつける力になるかもしれない」と指摘した。

「中国が強大化する」はアフリカよりも欧州が
 「中国の台頭は阻止できないのだろうか?」。英BBCは18日、このような疑問を発した。記事は「興味深い調査結果の1つは、中国はより強大化するとの認識はアフリカでは少数にとどまったのに、欧州では多数を占めたことだ。一体どちらが正しいのか?それはアフリカの可能性が高い。米国経済は回復の力がすでにはっきりと現れているが、中国経済はハードランディングの危険性が高まっている」と指摘した。

米中相互の関係
 18日付ウォール・ストリート・ジャーナルによると、米中両国民は相手国に対する猜疑心を深めている。中国に対して肯定的な米国人はわずか37%、米国に対して肯定的な中国人は40%だった。この割合は2008年と比べていずれも下がっている。中国の回答者のうち、中米関係は協力的との回答は3分の1足らずで、中米関係は敵対的との回答は約23%だった。中国の回答者はオバマ米大統領に対しても否定的になってきている。ピュー・リサーチ・センターによると、過半数の回答者が米国に対して否定的だった国は非イスラム圏では中国だけだった。(編集NA)