2013年7月21日日曜日

「橋下徹氏から回答がない」 吉見教授の公開質問状に

 
 従軍慰安婦を巡る橋下徹大阪市長の発言で名誉を傷つけられたとして、吉見義明・中央大教授が6月4日、発言の撤回と謝罪を求め、橋下氏公開質問状を提出したのにいまだに回答がありません。
 これに対して吉見教授と弁護団団長が連名で、17日、
 「(要旨) 質問事項の多くは具体的事実を指摘して認識等を問うているものなので回答は容易な筈である。少なくとも何らかの回答を寄せることが、公人として最低限の責任ある態度といえるのに、回答しないばかりか何の連絡もないというのは、全く無責任な態度である
 橋下氏慰安婦問題に強い関心と問題意識をもち、確信を持って発言している筈なので堂々と自らの認識と見解を開陳すべきである。再度公開質問状を提出す準備を進めているので、責任をもって回答するよう求める」
とする声明を出しました。

 橋下氏の従軍慰安婦発言に対しては、吉見教授に先立って少なくとも他の2つの団体からも公開質問状が出されていますが、回答があったとは聞いていません。ツィッターや市役所における記者会見では極めて雄弁なのに一体どうしたのでしょうか。

  関連記事
    2013年6月5日「日本の慰安婦制度は特異」と歴史学者が橋下氏を批判+
    2013年6月20日「慰安婦問題 政府資料に強制連行の証拠」 
 (吉見教授の公開質問状の全文は、上記6月20日の記事からもたどれます)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
吉見義明氏の公開質問状に対する橋下徹氏の無回答に関する声明

1 吉見義明氏(以下「吉見氏」といいます。)は、本年6月4日、昨年8月24日の橋下徹大阪市長(以下「橋下氏」といいます。)の発言に対して、日本軍「慰安婦」問題に関する公開質問状を橋下氏に提出しました。しかし、橋下氏は、回答期限である7月5日から現在に至るまで、回答を寄せていません。
2 橋下氏は、昨年8月24日の記者会見で、日本軍「慰安婦」問題に言及して、吉見氏が「強制連行という事実というところまでは認められない」と発言したと述べました(以下「本件発言」といいます)。
  これに対して、吉見氏は、自らの研究の根幹を否定し、同氏の社会的評価を著しく損ない、その名誉を毀損したものであるとして、昨年10月23日、本件発言の撤回と謝罪を求めました。ところが、橋下氏は、10月29日付書簡にて回答を寄せたものの、発言の撤回も謝罪もしておらず、到底容認できないことから、今回の公開質問に至りました。
3 今回の公開質問は、吉見氏の名誉に関する橋下氏自身の発言に端を発したものですので、橋下氏は質問に回答する責任があります。しかも、質問事項の多くは具体的事実を指摘して認識等を問うているものですから、回答は容易です。
  このような質問に対し、少なくとも何らかの回答を寄せることが、公人として最低限の責任ある態度といえます。
  しかし、回答しないばかりか、一切何の連絡もないというのは、全く無責任な態度であると言わざるを得ません。
4 私たちは、橋下氏のかかる無責任な態度を到底容認することはできません。私たちは、再度公開質問状を提出すべく準備を進めています。
  橋下氏は、日本軍「慰安婦」問題に強い関心と問題意識をもち、確信を持って発言しているはずですそうであれば、吉見氏の公開質問状に対して、正々堂々と自らの認識と見解を開陳すべきです。
  私たちは、橋下氏が公開質問状へ回答を寄せなかったことに対して強く抗議するとともに、再度の公開質問に対して責任をもって回答するよう求めます。

                             2013年7月17日
 
               中央大学教授 吉見 義明
     
               弁護団団長   森