2013年5月4日土曜日

憲法記念日にあたり憲法会議が「声明」

 
 憲法改悪阻止各界連絡会議(憲法会議)が3日、「施行66周年の憲法記念日にあたって」と題する憲法擁護の声明を発表し、96条改憲反対、憲法を守らせ、条を生かそう」の世論と運動の強化で、安倍政権の改憲策動を打ち破ろうと呼びかけました
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【声明】施行66周年の憲法記念日にあたって

 私たちは本日、改憲攻撃のかつてない強まりのなかで66回目の憲法記念日を迎えました。
 極端に民意を歪める小選挙区制の助けで再び首相の座についた安倍首相は、憲法改悪に向け暴走を開始しつつあります。6年前、「戦後政治のレジームからの脱却」を唱え9条改憲を正面に掲げたことが国民の猛反撃を受け、在任わずか年で首相の座から引きずりおろされたことへの反省もなく、今回は「96条の改憲から取り組む」と国会の改憲発議要件を衆参それぞれの「3分の以上」の賛成から「過半数」に緩和することを入り口に、真のねらいである9条改憲に突進する構えです。
 日本国憲法96条が憲法改正の発議要件を3分の2としているのは、平和、自由、人権など社会の基本原則を定めている憲法が、時々の多数派の思惑から簡単に変えられるようなことがあってはならないからです。世界の国々でも憲法の改正には一般の法律以上に厳しい要件を定めています。さらに衆参3分の2以上の賛成には多くの支持も得なければならず、国会における徹底した討論が必要となります。それが過半数なら時の多数党による強行採決も可能となり、国民は改憲案の内容を十分に理解でないまま憲法改正の国民投票にのぞむことになりかねません。安倍首相は96条改憲によって改憲発議を乱発し、国民の「国民投票慣れ」をつくりだした上で条改憲にすすもうとしているのです。
 自民党の「日本国憲法改正草案」では条について、自衛隊を「国防軍」に改め、個別的・集団的自衛権の行使はもとより、アメリカが組織する多国籍軍などへの参加も自由にするとあります。そのため、軍事秘密保護法の制定や軍事審判所の設置、さらには内閣総理大臣による非常事態宣言の規定まで設けています
 しかも安倍首相は、憲法の明文改悪以前にも、憲法の解釈を変更することによって「憲法条のもとで許されない」とされてきた集団的自衛権の行使に踏み切り、海外で米軍と一体となった武力行使に乗り出そうとしています
 これはまさしく「海外で戦争する国」の再現であり、日本の侵略戦争への反省を投げ捨てるだけでなく、過去2回の悲惨な大戦の教訓にたって戦争の違法化をめざしている戦後世界の流れにも逆行するものです。

 しかし、9条や96条の改憲に同調する議員が国会のなかで多数でも、国民の多数はこれに反対です。国民がいま求めているのは、憲法の改悪や形骸化ではなく、世界的に見ても先駆的・先進的な憲法の諸規定を政治や社会のすみずみに生かすことです。重大化している領土問題に、軍事的対応ではなく憲法条にもとづく平和外交を展開することはもちろんです。憲法の保障する自由や平等、生存権、教育を受ける権利、働く権利などを存分に生かし、国民の生活を豊かで充実したものにしていくことこそ国のつとめです。そのためにも民意を歪める小選挙区制をやめ、真に国民が主権者となる政治を実現することが欠かせません
 私たちはその実現のために広汎な勢力と手を携えて全力をつくす決意です。
 
2013年5月3日          
憲法改悪阻止各界連絡会議