2013年5月25日土曜日

弁護士会も橋下氏を非難 懲戒請求も

 24日付で日弁連会長が橋下氏の「慰安婦」「風俗業」に関連する発言の撤回等を求める談話を発表しました。
 また新潟県弁護士会長も同様な声明を16日に出しました。
 地元大阪市の弁護士グループは橋下氏が弁護士の品格を貶めたとして、今月中にも大阪市弁護士会に対して同氏の懲戒請求を行うということです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
橋下徹氏の日本軍「慰安婦」及び「風俗業」に関する発言の撤回と謝罪を求める会長談話 

 日本維新の会の共同代表であり、大阪市長である橋下徹氏は、本年5月13日、軍隊に「慰安婦」制度は必要であった、沖縄海兵隊司令官に風俗業を活用してほしいと述べたとの発言をした。
 当連合会はこれまで繰り返し、日本政府に対し、日本軍「慰安婦」制度の下で被害を受けた女性への謝罪と賠償を行うよう求めてきた。
 
 橋下氏の今回の発言は、今なお癒されることのない傷に苦しむ日本軍「慰安婦」制度被害女性に対して更なる苦痛を与えるものである。のみならず、橋下氏の発言は、今日においても軍人及び基地の管理運営に際しては、女性の性を「活用」することが正当化され得るとの認識を示したものであり、日本国憲法が定める個人の尊厳と両性の本質的平等に真っ向から反するものである。国政政党の共同代表並びに地方公共団体の首長として公権力を行使する立場にある公人の発言として、女性の名誉と尊厳を傷付け不適切極まりないものである。
 
 当連合会は、橋下氏によるこれらの発言を強く非難するとともに、橋下氏がこれらの発言を直ちに撤回し、日本軍「慰安婦」制度被害者に謝罪することを強く求める。
2013年(平成25年)5月24日
日本弁護士連合会
会長 山岸 憲司

橋下徹氏の従軍慰安婦問題に関する発言に対する会長声明
2013-05-16
 日本維新の会共同代表であり大阪市長でもある橋下徹氏は、本年5月13日、旧日本軍の従軍慰安婦について「必要だった」と公の場で発言した。また、橋下氏は、沖縄県の米軍普天間飛行場の司令官と会談した際に、合法的な範囲内で風俗業を活用してほしいと進言したことを自ら明らかにした。そして、それらの発言に対する批判が広がるなかで、橋下氏は、ネット上で「貧困から風俗業で働かざるを得ないと言う女性はほぼ皆無。皆自由意思だ。だから積極活用すれば良い」などと述べた。
 
 橋下氏のこのような発言は、元従軍慰安婦の人たちのみならず、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけるものであり、とうてい許されるものではない。
 
 また、政党や地方行政のトップにある橋下氏のこのような発言は、憲法で保障されている人権を軽視する風潮をつくりあげ、人権侵害を助長するものである。
 
 新潟県弁護士会は、基本的人権の擁護と社会正義の実現を使命として活動しているものであり、橋下氏のこのような発言を看過することはできない。橋下氏に対し、人権侵害の発言を真摯に反省し、謝罪することを強く求めるものである。
2013年(平成25年)5月16日
新潟県弁護士会
会 長 味 岡 申 宰

<大阪弁護士会>弁護士グループ、橋下市長の懲戒請求へ
毎日新聞 2013年5月22日
 日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長の従軍慰安婦を巡る発言は弁護士の品格をおとしめたとして、大阪弁護士会所属の弁護士グループが近く、橋下氏の懲戒を同弁護士会に請求する方向で検討していることが分かった。橋下氏は同弁護士会に所属し、2010年に山口県光市の母子殺害事件を巡って業務停止2カ月の懲戒処分を受けている。
 
 関係者によると、弁護士らは、橋下氏が慰安婦制度について「軍の規律を維持するために当時は必要だった」と発言したことや、沖縄の米軍司令官に「風俗業を活用してほしい」と進言したことなどを問題視。懲戒請求の理由について「憲法が定める基本的人権や男女平等を無視し、基本的人権の擁護を定めた弁護士法にも反する。弁護士の品格をおとしめ、市長の弁護士としての資格に疑問が生じている」などの文言で調整している。
 
 弁護士会は請求を受けると、審査すべき事案かどうかを審議し、業務停止や除名などの処分を決める。
 橋下氏は1997年に弁護士登録。テレビ番組で光市母子殺害事件の被告弁護団への懲戒請求を呼びかけた行為に対し、「刑事弁護に対する誤った認識を与えた」などの理由で業務停止2カ月の処分を受けた。この行為を巡っては、同弁護団が橋下氏に損害賠償を求めて提訴したが、11年に最高裁で橋下氏の勝訴が確定している。【林由紀子】