2013年1月31日木曜日

自民改憲案「集会結社・表現」の不自由度は治安維持法以上 +


30日付の「澤藤統一郎の憲法日記」ブログに「自民党改憲草案と治安維持法」と題して、『自民党改憲草案の21条(集会、結社及び表現の自由)の2項は治安維持法の条文と瓜二つで、治安維持法よりもさらに禁止の範囲を広くしている』と批判する記事が掲載されました。 
ちなみに旧憲法(大日本帝国憲法)でも、居住及移転自由、信書秘密、所有権、信教自由、言論・著作・印行(出版)・集会及結社自由などは認められていたのですが、そのことごとくが「法律ノ範囲内ニ於テ」などの条件付きになっていました。
その結果旧憲法下で制定された治安維持法や治安警察法によって、それらの殆どが実質的に厳しく制限され、いわゆる民主勢力や宗教団体は大弾圧を受けたのでした。 
以下に同ブログの該当箇所を紹介し、併せて旧憲法の「第2章 臣民権利義務」の抜粋版を掲載します。
 なお青字のURLをクリックすると同ブログの記事にジャンプするので、全文が
ご覧になれます。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
自民党改憲草案と治安維持法
澤藤統一郎の憲法日記 20130130
(前 略)
自民党改憲草案21条1項と2項とは、次の文言である。
1項 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、保障する。
2項 前項の規定にかかわらず、公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的として結社をすることは、認められない。
1項は、現行憲法のとおり。これにつけ加えられる2項には、不吉な臭いが漂う。どこかで見覚えがあるはず。そう、治安維持法の条文と瓜二つなのだ。
1925年制定当時の治安維持法の条文は以下のとおりである。
「国体ヲ変革シ又ハ私有財産制度ヲ否認スルコトヲ目的トシテ結社ヲ組織シ又ハ情ヲ知リテ之ニ加入シタル者ハ 十年以下ノ懲役又ハ禁錮ニ処ス」 
治安維持法は、「国体の変革」(天皇制打倒)、「私有財産制度の否認」(社会主義・共産主義)を目的とした結社を禁じた。自民党草案は、さらに広く「公益及び公の秩序を害する」結社を禁じる。さらに露骨に「公益・公秩を害する行為」の禁止までも定めている
なお、治安維持法が2度の大改正を経て、最高刑は死刑、目的遂行に寄与する行為までを処罰するようになったことは周知のとおり。
治安維持法は、成立当初は共産主義・社会主義運動、労働運動、農民運動への弾圧法規であった。しかし、「国体の変革」を目的とする結社の概念は、天皇神格化に抵触する教義をもつ宗教団体の弾圧法規となり得る。現に、1935年の第2次大本弾圧を嚆矢に、治安維持法は宗教団体弾圧に猛威をふるった。 
(後 略) 

大日本帝国憲法
第2章 臣民権利義務抜粋
22条 日本臣民ハ法律ノ範囲内ニ於テ居住及移転ノ自由ヲ有ス
26条 日本臣民ハ法律ニ定メタル場合ヲ除ク外信書ノ秘密ヲ侵サルヽコトナシ
27条 日本臣民ハ其ノ所有権ヲ侵サルヽコトナシ
2  公益ノ為必要ナル処分ハ法律ノ定ムル所ニ依ル
28条 日本臣民ハ安寧秩序ヲ妨ケス臣民タルノ義務ニ背カサル限ニ於テ信教ノ自由ヲ有ス
29条 日本臣民ハ法律ノ範囲内ニ於テ言論著作印行集会及結社ノ自由ヲ有ス
印行 : 出版 事務局