2013年1月25日金曜日

柏崎刈羽原発直下に活断層の可能性


 原子力規制委員会が22日の専門家会合に提示した新安全基準案(骨子)で活断層の定義が拡大されことに伴い、東電柏崎刈羽原発(新潟県)直下を走る複数の断層が活断層と判定される可能性が高まりました。活断層と判定されれば当然再稼働はできなくなります。
原発の地震・津波対策の新安全基準骨子案では、直接地震を起こす主断層だけでなく、近隣の地震でずれ動くものも活断層に含め、活動の経歴についても従来の「1312万年前以降に活動した断層」から「40万年前以降に活動」に拡大されました。
 これはもともと活断層を狭く定義していたものを通説の基準に戻したものです。

なお原子力規制委員会が22日に示した原案には、「重要施設で直下にずれを引き起こす断層が見つかっても、コンピューターによる解析で安全が確認できれば運転を認める」と救済の措置が明記されていたのですが、同日開かれた専門家会合で異論が出たため決定は見送られ、今月中に文章を練り直して再提案されることになりました(22日付日経新聞)。
なんとも規制委員会の姿勢が問われる事柄です。 

 以下に東京新聞と新潟日報の記事を紹介します。
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柏崎刈羽原発直下に活断層か 定義変更で可能性高まる
東京新聞 2013124 

 原子力規制委員会が原発の新安全基準で活断層の定義を拡大することを受け、東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)直下を走る複数の断層が活断層と判定される可能性が高まることが東電の公表資料などから23日、分かった。東電は断層の活動年代の地質調査を進めているが、活断層の可能性が高まれば停止中の同原発の再稼働は困難になる。 

 規制委が22日示した新基準骨子案では活断層の定義を従来の「13万~12万年前以降に活動した断層」から「約40万年前以降」に広げた。同原発直下でこれまで確認されていた断層が新たに広げた年代に含まれるとみられる。 (共同)
 

原子力規制委が新安全基準骨子示す
新潟日報 2013123 

 原子力規制委員会は22日の専門家会合で、原発の地震・津波対策の新安全基準骨子案を示した。地盤をずらす可能性がある活断層の真上には原子炉など重要施設を設置してはならないと明記。月内に骨子をまとめる。東京電力柏崎刈羽原発など停止中の原発の再稼働判断にあたっては、これらの基準を満たしているかを審査する。

 柏崎刈羽原発では、原子炉建屋など安全上重要な施設の直下に多数の断層が確認されている。規制委の審査で、これらが将来ずれる可能性があると判断されれば、再稼働ができなくなる。

 重要施設を真上に設置できない活断層には、直接地震を起こす主断層だけでなく、近隣の地震でずれ動くものも含めた。将来ずれる可能性があるかどうかを判断する基準も、従来の1312万年前以降に活動した断層」から「40万年前以降に活動」に事実上拡大された。 

 骨子案には、直下に活断層があっても「変位(ずれの大きさ)が想定でき、その変位を緩和させる設計がなされる場合はこの限りではない」という例外規定も盛り込まれた。しかし専門家会議ではこの規定に異論が相次ぎ、規制委は全面的に見直す方針を示した。 

 骨子案ではほかに、原発ごとに想定される最大規模の津波を「基準津波」と設定し、防潮堤の設置や重要設備が浸水しない措置などを求めた。2007年の中越沖地震では柏崎刈羽原発の7基でそれぞれ揺れ方が異なったことから、地震波の伝わり方に影響する地下構造を調査する規定も設けた。