2012年12月17日月曜日

小選挙区制度の弊害は明らか


 今回の衆院選は自民党の圧勝に終わりました。国民の「ダメな民主党以外の・・・」という思いがこういう結果になったと言われますが、果たして民意はこれほどの自民圧勝を望んだのでしょうか。
 作家の高村薫さんは、「自民の勝ち過ぎを許した小選挙区制度に問題がある。選挙制度の見直しが必要」だと指摘しました。 

小選挙区制が「4割の得票で7割の議席が得られる」選挙制度であることは、導入される前から指摘されていたことであり、実際に2009年に民主党が大勝した衆院選では、民主党は47%の得票率で 74%の議席を獲得しました。
 そうした弊害を多少なりとも緩和するという趣旨で、小選挙区制度が導入されるときに「比例代表制」の併用が決められたのでした(議事録あり)。

ですから衆院選の直前に、第1党の党首であることに奢っていた野田首相が、「国会議員も痛みを担う」という口実で、「比例区定員180名を100名にする」案を強引に提示してきたのは、議員の減員が果たして正しいことなのかという問題に加えて、比例代表制が併用された趣旨を踏みにじるという二重の誤りを含んだ行為でした 

 以下にスポニチとしんぶん赤旗(2009年)の記事を紹介します。
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作家の高村薫さん「勝ち過ぎを許した小選挙区制度に問題」
スポニチ電子版 20121216 22:07
 
 作家の高村薫さんの話
日本の経済力低下などに漠然とした不安やフラストレーションを持つ有権者が「頼りにならない民主党以外の何か」として自民党を選んだ。実績がなく、離合集散を繰り返した第三極は、足元を見透かされて伸びなかった。ただ民意がこれほどの自民圧勝を望んだとは思えず、勝ち過ぎを許した小選挙区制度に問題がある。選挙制度の見直しが必要だ。気掛かりなのは、自民党が政権公約に掲げた改憲や国防軍が、大きな争点にならなかったこと。新政権が数の力でこうした方向に極端に進めば、来年の参院選で押し戻す力が働くと思う。 

 大嶽秀夫同志社女子大教授(現代政治論)の話
組織としての自民党は他党よりまだましと、有権者が消極的に選んだにすぎない。日本維新の会は守旧的なイメージの石原慎太郎氏と組んで清新さを失い、予想ほど票が伸びなかった。近年の国政選挙は党首の人柄で投票する「パーソナリティー型」の傾向が強いが、今回は政党同士の争いとなった。ただ、争点のはずの原発や消費税増税で論戦は低調だった。自民党の安倍晋三総裁は、改憲や国防軍と言葉こそ勇ましいが、過去に突然政権を投げ出したように線が細い印象だ。危機管理能力にも疑問符が付く。
 

小選挙区制 弊害明白 得票47% ⇒ 議席74
しんぶん赤旗 200993
 
 今回2009年)の総選挙では、比較第1党が議席を独占する小選挙区制(定数300)の弊害が改めて浮き彫りになりました。

 民主党は小選挙区で221議席(議席占有率737%)を獲得しましたが、得票率は474%(3348万票)にすぎません。同党の得票率で小選挙区定数を比例配分すると142議席となり、79議席も“水増し”されたことになります。
 逆に、自民党は得票率386%(2730万票)で議席占有率213%(64議席)、日本共産党は得票率42%(298万票)で議席はゼロでした。
 前回2005年の総選挙では、民主党が364%の得票率で52議席だったのに対し、自民党は478%で219議席を得ました。今回、両党の立場が入れ替わった形です。

 一方、比例代表(定数180)での得票率は民主党424%、自民党267%、日本共産党7%。これに対し議席占有率はそれぞれ483%、306%、5%となりました。定数が少ないため、多様な民意を反映する比例代表制の利点が損なわれている形です。

 民主党がマニフェスト(政権公約)に盛り込んだ比例定数80削減が実行されれば、民意を正しく反映できないゆがみをいっそう大きくすることになります。