2012年10月25日木曜日

核兵器非合法化への努力声明を日本は拒否


国連総会第1委員会で22日、「すべての国は核兵器を非合法化する努力を強めねばならない」とする、34カ国の共同声明を発表しましたが、日本は、声明への参加を拒否しました。
アメリカの核の傘に入っている立場との整合性が取れない、というのがその理由です。日本が唯一の戦争被爆国でありながら、アメリカの核戦略に追随しているために、核反対の運動に対していつもこのような退嬰的な立場しか取り得ないのは、情けないことです。 

 しんぶん赤旗の記事を紹介します。(記事の一部太字化は事務局が行いました)
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「核兵器非合法化へ各国努力を」34カ国声明  日本参加拒否
国連総会第一委で
しんぶん赤旗20121024 

 【ニューヨーク=山崎伸治】 スイスなど国連加盟34カ国が22日、国連総会第1委員会(軍縮・国際安全保障問題)で、核兵器の非人道性に懸念を表明し、「核兵器が使用されない唯一の保証は全面廃絶だ」として、「すべての国は核兵器を非合法化する努力を強めねばならない」とする共同声明を発表しました。日本は、声明への参加を求められましたが拒否しました。 

 声明には非核保有国33カ国とオブザーバー国家のバチカンが加わりました。
 声明は「もし核兵器が意図的であれ、偶発的であれ使われれば、計り知れない人道的結果は避けられない」と強調。爆発による被害や放射能による広範で世代を超えた被害をもたらすと警告しています。

 従来の安全保障上の問題に対処するために核兵器を使用することに「多くの国が異議を唱えている」ことに加えて、「貧困や健康、気候変動、テロリズム、国際犯罪といった現在の難題に対処するには役に立たない」として、核兵器予算の無駄を指摘しています。
 その上で、核兵器が使われないことの唯一の保証は「完全で後戻りできず検証可能な核兵器廃絶だ」と強調。「核兵器を非合法化し、核兵器のない世界を樹立するための努力を強めなければならない」と訴えています。 

 日本は先週、この声明への参加を打診されましたが、「わが国の安全保障政策の考え方と必ずしも合致しない内容が含まれていた」(風間直樹・外務政務官、19日、参院行政監視委員会)として、拒否しました。
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日本政府に抗議 被団協と原水協 

 日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)23日、「日本政府は核兵器廃絶を求める世界の先頭に立て」と求める声明を発表しました。
 34カ国の共同声明を歓迎するとともに、日本政府が共同声明への賛同を拒否したことについて強く抗議。日本政府が共同声明に賛同することを求めています。 

 原水爆禁止日本協議会(日本原水協)は23日までに安井正和事務局長名の談話を発表。日本政府に対して、核兵器禁止にむけた国際的な努力への逆行をやめ、核兵器のない世界を実現するために誠実に努力することを求めています。