2012年10月1日月曜日

アフガニスタンで「勝てない戦争」の証明が進行中 +

 アメリカは、アフガニスタン国軍と警察を治安能力のある部隊に育てた後、2014年末をもって、現在駐留中の68,000人の兵士を撤退させる方針ですが、うまく行くのでしょうか。 

◇“グリーン・オン・ブルー”の “インサイダー”攻撃    
   (緑色制服組が身内である青色制服組に襲いかかる)

   アメリカ-NATO軍は、緑色制服のアフガニスタン軍兵士と警官による、仲間内である筈のアメリカと青色制服のNATO軍兵士への殺傷行為が止まないために、いまは共同で行動することをやめているということです。
 
 またアメリカは2009年に、タリバンや他の武装反抗集団を制圧するために増派し、その目的を達したからとしてこの秋までに33,000人の兵士を撤退させましたが、制圧はされたのでしょうか。
つい半月前の914日、武装反抗集団は、厳重に防備を固めたヘルマンド州にあるイギリス基地を正面攻撃し、駐機していた多数の飛行機を破壊しました。武装反抗集団は、制圧されるどころかより強化されているものと見られます 

このように何とか体裁を保ちつつ撤退したいというアメリカの最後のもくろみも、一向にうまく行っていません。
    ベトナム戦争とアフガニスタン戦争(2001,10~ )はアメリカが行った最も長い戦争ですが、アフガニスタン戦争でもまた勝てそうにありません。
まさにここでも「大国でも戦争に勝てない」ことの証明がされつつあります 

東京新聞・ロイター通信他の記事を紹介します。
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アフガンでの米兵死者2千人に 泥沼化を象徴、AP通信
東京新聞 2012930 
 【ニューデリー共同】 アフガニスタンでの米兵死者が2001年の米軍による攻撃開始以来、2千人に達したとAP通信が30日、報じた。独自集計としている。
 
 死者が10年5月に千人目に到達後、わずか約2年4カ月で2千人に増加。反政府武装勢力タリバン掃討作戦の泥沼化を象徴しているといえそうだ。

 最近ではアフガンの警官や国軍兵が外国部隊に発砲する事件が続発。治安部隊内部へのタリバンの浸透が懸念されている。2千人目の死者も民間契約職員と共に検問所で国軍兵に射殺された。

 イスラム教預言者侮辱映像をめぐる抗議デモなど、市民レベルでも反米感情が高まっている。

 
10/2 以下の記事を追加)
アフガン自爆攻撃で米兵ら14人死亡、タリバンが犯行声明
ロイター通信 2012 10 2 
[カブール 1日 ロイター] アフガニスタン東部ホスト州で1日、自爆攻撃があり、米兵3人を含む14人が死亡したほか37人が負傷した。北大西洋条約機構(NATO)などが明らかにした。 

    目撃者によると、自爆犯は警察の制服を着ており、米兵らが市街地をパトロールしていたところ、攻撃を仕掛けた。爆発物を大量に積んだバイクに乗っていたという情報もあり、NATOは単独犯行だったとしている。反政府武装勢力タリバンが犯行声明を出した。
    死亡したのは、NATOが主導する国際治安支援部隊(ISAF)の米兵3人と現地警察官4人、市民6人にアフガン人通訳者1人。

    アフガンでの米兵の死者数は、過去11年間で2000人を超えている。
 
 
イラクのテロやまず 9月の死者365人、2年ぶり高水準
CNN 2012.10.02 
【バグダッド(CNN)】 イラク内務省は1日、国内のテロによる9月の死者が365人に上ったことを明らかにした。1カ月の犠牲者数としては、426人が死亡した2010年8月以来、2年ぶりの多さとなる。
死傷者数の統計は内務省と厚生省、防衛省がまとめた。それによると、9月の犠牲者の内訳は、民間人が182人、イラク兵が95人、イラクの警察官が88人だった。
負傷者は683人と死者の倍に上った。うち民間人が543人、兵士が120人、警察官が110人を占めている。

「テロリスト」はこの公式統計には含まれていないが、政府の集計によると、9月に死亡したのは64人、拘束されたのは242人だった。
イラク国内のテロ事件は、イスラム教スンニ派とシーア派の衝突が激化していた2006~07年と、米軍が撤収した昨年12月に比べると大幅に減少している。しかし民間人や治安部隊を狙ったテロは依然としてやまず、宗派対立や政治的対立もくすぶり続けている。

シーア派を中心とする同国の政権は、相次ぐテロ事件について、国際テロ組織アルカイダと結びついたスンニ派武装勢力の犯行との見方を示している。