2012年8月16日木曜日

原子力委員 他に対する告発状が受理されました


 原子力委員会が核燃料サイクルに関する報告書原案を、推進派だけが集まる秘密の「勉強会」で事前配布していた問題で、東京地検は15日、国家公務員守秘義務違反容疑などで最高検に提出されていた告発状を受理したということです。




法的には守秘義務違反ということでも、実態は巨額な原子力マネーを背景にした官民一体の利権構造を示すものです。当然社会的制裁が加えられるべきですが、受理したのちは検察の自由裁量に任せられるので、残念ながら起訴にまで至る事案は多くはありません。

   その一方で、「原子力ムラ」がそのまま「原子力規制委員会」の多数派になるという人事案が、盆明けにも決まろうとしています。

   そうなれば、これまでの原子力委員会よりもさらに権力を持った原子力規制委員会において、低線量被ばくのリスクを過小評価する田中俊一氏(委員長候補)と中村佳代子氏(委員候補)が、今後の被ばく関連の政策を立案していくことになります。
この人事案が、「利用と規制の分離」を定めた規制委員会設置法の趣旨に反するのみならず、原子力事業者の委員への就任を禁じた原子力規制委員会設置法第7条第7項の規定に違反していることは、83日に出された日弁連会長声明でも指摘されています。

 何よりも、つい先日、業者など原発推進側だけを集めた「勉強会」と称する秘密会合を恒常的に行っていたことが暴露されたばかりの、原子力委員会の副委員長である田中氏が、何事もなかったかのようにして、新たな規制委員会の委員長に就任しようとしていることは異様です。
こうした重要な事柄を、なぜか日本のマスメディアは殆ど報じません。
焼肉チェーンや吉兆あるいは明治乳業など、弱小企業のミスに対しては、徹底して倒産するまで攻撃を続けるメディアが何とも不思議なことです。官房機密費と記者クラブ制が良好に機能して、いまや政権べったりのマスメディアになっているからでしょうか。

 以下に時事通信の記事を掲載します。

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原子力委員長らへの告発状受理「勉強会」問題で-東京地検

時事通信 2012/08/15 

 内閣府原子力委員会が核燃料サイクルに関する報告書原案を推進派だけが集まる「勉強会」で事前配布していた問題で、東京地検は15日、国家公務員法(守秘義務)違反容疑などで最高検に提出されていた近藤駿介委員長ら27人に対する告発状を受理した。告発した弁護士グループが発表した。
 告発されたのは、近藤委員長ら委員5人と、内閣府、文部科学省、経済産業省、独立行政法人「日本原子力研究開発機構」の各職員。昨年12月~今年4月、18回にわたり「勉強会」を開催し、原子力小委に提出予定の未公開資料など計24点を電気事業者らに事前配布、反対派委員の発言への対応者も取り決めていたとされる。