2012年7月8日日曜日

原子力委員会が非公開会合で実質審議を行っていました

 

  東京新聞が報じるところによると、原子力委員会が公開の定例会合(毎週)の他に、毎週秘密の会合を行っていたことが分かりました。

原子力の『憲法』と言われる原子力基本法では、第2条で、「原子力の研究、開発及び利用は、(中略) 民主的な運営の下に、自主的にこれを行うものとし、その成果を公開」することがうたわれていて、日本の原子力政策は、この「民主・自主・公開」の原則のもとに行われてきた筈でした。現に定例の会合が一般に公開され議事録も公開されてきたのは、その理念に基づくものです。 

その一方で恒常的に議事録のない秘密会合が行われて、むしろ重要な事項がそこで決められていたとなると、公開の会合の方はまさに茶番であって、『憲法』違反の犯罪であることは明白です。
 昨年11月以降、原発推進側(業者など)だけを集めた「勉強会」と称する秘密会合を数次にわたって開き、原子力委員全員(5人)がそれに出席していたことが、5月に暴露されて大問題となりましたが、実態はそうした限定的なものではなくて、恒常的に行われてきたわけです。 

 これはまさに原子力むら”の隠蔽体質そのものであり、原発関係の予算額約4,500億円が、原発事故のあった11年度も一切減じずに今後もそれが維持されようとしている現実や、先月、日本の原発行政を牛耳ってきた望月晴文元経産事務次官が原子炉メーカーの日立製作所に天下った事実も、勿論こうしたことと結びついています。 

 以下に同記事を掲載します。

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原子力委、非公開会合で実質審議 議事録残さず
東京新聞201278

 内閣府の原子力委員会(近藤駿介委員長)が過去10年以上にわたり、非公開会合を毎週開き、原子力政策の重要案件を必要に応じて実質審議していることが7日、分かった。事実上の政策決定の場となることがあったにもかかわらず、議事録は残していなかった。複数の委員経験者や政府関係者が明らかにした。 

 委員会は毎週火曜に、傍聴可能で議事録が公開される「定例会」を開いているが、その前週の木曜に「打ち合わせ会」と称した非公開会合を開催。関係省庁の担当者に加え、民間事業者が参加することもあった。   (共同)