2024年4月17日水曜日

岸田国賓待遇訪米 とてつもない代償/賃上げ効果を信じれば1兆円詐欺のいいカモに

 米国との「グローバル・パートナーシップ」とは、米国が行う世界のあらゆる領域での紛争戦争に日本も参加するということで、岸田首相がそれを得意満面に口にしたのは、日本もそこまで格上げされたという意識からなのでしょうが、憲法との不整合は愚か何もかもズレまくっています。

 米国が第2次世界大戦後に唯一の超大国となったのは、本土に全く戦火が及ばなかったからでした。米国はいま「台湾有事」を口にし、「インド・太平洋」での中国の独善的な行動に対し関係国に中国に対抗する連合結成を呼びかけています。そこで戦乱を起こすことで、米国だけが無傷で残るという、「夢よもう一度」を狙っているからだという見方があります。  ⇒「No. 2114 米国は南シナ海で危険なゲームをしている(耕助のブログ)

 原著者のアマウド・バートランドはそこで「米国は、第二次世界大戦のようなシナリオ、つまり世界中が火の海になって、米国はその非常に有利な地理的条件の恩恵を享受することになるというのをもう一度やりたいと思っているのではないか」ということを真剣に自問する必要があると述べています。
 東大名誉教授の高橋哲哉氏今の世界情勢について、「米国は位置的に真ん中にいて、左右に対立するロシア、中国・北朝鮮を抱えているが、距離は隔てていることがわかる。グローバル・パートナーシップとか言って、アメリカは直接の対決を避け、近隣国に代理戦争をやらせているわけです」と述べています。
 もしも台湾有事が起きれば、戦端を切るまでは米国が主導しますが、その後は日本が中国との交戦国となって、中国も一定程度傷つきますが日本はほぼ灰燼に帰すことになります。
 「米国から褒められたい一心」だけで振る舞うのではそうした帰趨になるということで、決してリーダーの取るべき道ではありません。
 併せて日刊ゲンダイのもう一つの記事:「賃上げ効果を信じれば1兆円詐欺のいいカモ」を紹介します。
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よくも意気揚々と帰国できたものだ 岸田国賓待遇訪米 とてつもない代償
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                       (記事集約サイト「阿修羅」より転載)
 世界はいま、第5次中東戦争危機にさらされている。シリアの首都、ダマスカスにあるイラン大使館周辺がミサイル攻撃され、7人が死亡した一件は、イスラエルの仕業とみたイランが報復を宣言。イランの革命防衛隊は13日(現地時間)にイスラエルの特定目標にミサイルやドローンで攻撃を加えたことを発表した。
 国連安保理はすべての関係者に自制を求め、日本政府はイスラエル在住の邦人に慌てて注意喚起をしているが、こんなときにとんでもない約束をしてきたのが、岸田首相だ。

 国賓待遇訪米で舞い上がり、日米同盟をインド太平洋地域だけでなく、世界のあらゆる領域・レベルで協働する「グローバル・パートナーシップ」に“格上げ”してきた。そのために、日米の“軍事同盟”をさらに強化、米軍と自衛隊の指揮統制の連携を深め、あらゆる面で一体化を進めていこうとしている。世界中で戦争や紛争が起こり、米国もお手上げ状況なのに、日本は「一緒にやりますよ」とばかりに全面協力を申し入れたのも同然なのだ。
 そんなことをいつ、国民は頼んだのか。どこで議論して決めたのか。その見返りが国賓晩餐会であり、岸田がリクエストしたとかいう、ポール・サイモンの歌だったのか。支持率1割台首相の憲法破壊には言葉を失うばかりだ。

すべては米国から「褒められたい」一心
 東大名誉教授で哲学者の高橋哲哉氏は今の世界情勢をこう見ている。
 「世界地図の中央にアメリカをイメージしてください。右側には大西洋があり、その先にヨーロッパがある。そのヨーロッパはロシアと対立し、ウクライナが最前線になっている。その南にはイスラエルがあり、イランと対立している。一方、アメリカの左側に目を転じると、太平洋があり、その先に日本、韓国、台湾があり、中国、北朝鮮と対立している。こうしてみると、米国は真ん中にいて、左右に対立するロシア、中国・北朝鮮を抱えているが、距離は隔てていることがわかる。グローバル・パートナーシップとか言って、アメリカは直接の対決を避け、近隣国に代理戦争をやらせているわけです」
 くしくも岸田はウクライナを見て、「明日の東アジアかもしれない」と危機感をあおった。しかし、決定的に違うのは、ウクライナは攻められたのに対し、日本は攻められてもいないのに自ら「代理戦争」のお先棒を担ごうとしていることだ。

 米国言われるままに、中国との外交努力を放棄。覇権主義への批判に明け暮れ、対立をあおり、有事の際には自ら橋頭堡になろうとするこうした言動のどこに国益があるのか。すべては首相が米国から「褒められたい」一心なのではないか。
 そうして、ついには、インド・太平洋にとどまらない協力を申し出て、日米安保を歴史的大変質させたのが、今度の国賓待遇訪米なのである。バイデンは自衛隊と米軍の統制向上を指して、「日米同盟は全世界の道しるべになる」と言った。国民は目を白黒させている。

第3次大戦前夜にあり得ないような無神経
 今度の首脳会談では、他にも聞き捨てならないセリフがいくつもあった。バイデンが言った「日米は過去3年間で真にグローバルなパートナーシップに変貌を遂げた」というのもそのひとつだ。
 岸田が首相に就任してから2年半。この間、岸田はNATOの首脳会議に出席したほか、安保3文書を決定、敵基地攻撃能力を認め、防衛費のGDP比倍増や、その財源を増税で賄うことも閣議決定、トマホークの爆買いなども決めている。
 2023年3月にはウクライナを電撃訪問、5月の広島サミットにはゼレンスキー大統領を招待したのも記憶に新しい。こういうところばかりに血道を上げてきたのが岸田なのだが、言うまでもなく、ロシアとウクライナの戦争は日本にとって遠い国の話だ。
 インド、ブラジルなどグローバルサウスの国々はしたたかにロシアとの対立先鋭化を避けていた。にもかかわらず、東アジアの岸田がNATOに首を突っ込み、ウクライナの戦争にのめり込んでいったのである。
 一体、この男は誰のために仕事をしているのか。平和憲法を誇りにする国の首相なのか。挙げ句が自衛隊と米軍の指揮統制強化、武器の共同開発と生産、米英豪との軍事協力、日米豪のミサイルネットワーク構築など、世界規模の軍事同盟の“仲間入り”なのである。前出の高橋哲哉氏が言う。
「岸田首相のこうした言動に何か戦略、思想があるのでしょうか。何も考えずにアメリカについていっているだけで、中身があるようには見えません。いま世界を見渡せば、第3次世界大戦前夜のような緊張感が漂っています。あちこちで緊張、対立、戦闘が繰り広げられているし、その背景には帝国主義、植民地主義、反ユダヤ主義、極右の台頭など、第2次世界大戦前と似たような状況が見て取れます。そんな中、NATOや米国は日本を軍事同盟に引き込み、NATOの東アジア事務所にしたいのでしょう。それにホイホイ乗ることが国益なのか。また、その議論が国民の間で共有されているのか。ロシアや中国についていくよりマシと思っているのかもしれないが、米国についていくだけの属国になれば、矢継ぎ早にミサイル配備を進める南西諸島など沖縄が戦場になることも覚悟しなければいけません」

国民が気づいたときはもう遅い
 国民はいざとなれば、「政権を引きずりおろせばいい」「日本は民主主義の国だ」とタカをくくっているのかもしれないが、大きな誤解だ。
 防衛ジャーナリストの半田滋氏は今度の首脳会談の危うさをこう指摘する。
「共同声明にうたわれた“米軍・自衛隊の指揮統制の枠組み向上”について、指揮系統が一体化するのではないか、という疑問が出ていますが当然です。岸田首相や林官房長官は“それぞれ独立している”と型通りの答弁をしていますが、いざ敵基地攻撃をやるにしても日本側には何の情報もないのです。米軍からいつ、どこを撃て、という情報がもたらされなければ何もできない。アメリカにとって都合の悪い情報は教えてもらえないので、独自の作戦なんて無理なのです。どう考えても、自衛隊は米軍の道具になるしかなく、今度の共同声明で恒久的な従属関係が完成したと思いました」
 すでに法制面では、存立危機事態に認定されれば、米国の戦争に日本は自動参戦する安保法制が成立している。そこで米軍が「撃て」と言えば「戦争は嫌です」なんて言えっこない。その領域も今度の声明でインド・太平洋に限らなくなった。世の中、世界大戦前夜なのに、なんてことをしてくれたのか。それがマトモな国民の実感だ。
 それなのに、岸田は意気揚々と帰国した。米議会の上下両院での演説では「日本の国会では、こんなすてきな拍手をうけることはない」などと軽口をたたき、記者団には「日米両国がグローバル・パートナーとして連携していく重要性を発信することができた」と喜々としていた。国内で袋叩きの岸田にしてみれば、バイデンに気に入られることがすべてなのだろう。保身のために自衛隊を差し出し、沖縄を最前線にしても平気の平左。あり得ないような神経の持ち主だ
「国内報道ではトランプ返り咲きも見越して、共同声明に米国との関係強化を盛り込んだことを成果とする見方もありましたが、トランプなんていつチャブ台返しをするかわからない。むしろ、日本が進んで自らの手足を縛るだけだと思います。岸田首相はこれまでも安全保障上の重大転換を閣議決定だけで決めてきた。その延長線上に今回の共同声明もある。その問題点を大メディアが報じないのが不思議です」(半田滋氏=前出)

 この暴挙をひっくり返し、平和国家を取り戻すためには政権交代しかないのである。


賃上げ効果を信じれば1兆円詐欺のいいカモ
                          日刊ゲンダイ 2024/04/16
 大体、公的医療保険料はあくまで「医療サービス」を目的に支払うものだ。負担を増やすなら本来、医療サービスの拡充に回さなければおかしいのに、支援金の上乗せ分のサービスを享受できるのは子育て世代に限られる。「受益者負担」の原則に反し、支援金は「流用」にほかならない。
 「目的外使用による負担増を軽減するため、本来の目的である『医療・介護』の歳出を抑制するのは本末転倒。もうムチャクチャな制度です」(浦野広明氏)
 ましてや被用者保険は労使折半だ。事業主の負担も増えるため、支援金創設は岸田の言う「賃上げ効果」を抑制しかねない。

 そもそも、実質賃金は物価高騰に追いつかず、前年同月比マイナス続き。今年2月まで実に23カ月連続の減少だ。物価を押し上げる「円安地獄」も収まらない。15日のニューヨーク市場で1ドル=154円半ばに急落、1990年6月以来、約34年ぶりの円安水準を再び更新した。
 それでも岸田は「物価高を上回る所得増」にシャカリキだ。一定割合の賃上げを実現させた企業の法人税を軽減する「賃上げ税制」を拡充。中小企業が賃上げ分を適正に価格転嫁できるように後押し。24年春闘は33年ぶり賃上げ率5%超の高水準で、6月には1人4万円の定額減税も実施される。今夏には実質賃金がプラスに転じ、景気の好循環をもたらすかのような言説も飛び交う。
 しかし、そんな戯言に惑わされるような国民はいいカモである。日本人はつくづくお人好しだけに、心配になる。結論から先に言おう。いつまで待っても実質賃金は上がらない。経済評論家の斎藤満氏は強引な賃上げの弊害をこう指摘する。
「経済は一種の均衡の上に成り立ちます。実質賃金が今、マイナスなのはそこが均衡だからです。政府が旗を振り、無理やり賃金だけを引き上げようとすれば、人件費上昇分が当然、価格転嫁されます。せっかくの賃上げが物価高でカキ消される悪循環に陥ってしまうのです。企業が生産性を向上させ、売り上げを伸ばさなければ、賃上げと物価上昇のイタチごっこが延々と続くだけ。結局、実質賃金は増えません」

平安時代さながらの“ペテン貴族”支配
 専門家の一部から上がる「これから賃上げ効果が出てくる」という期待の声にも懐疑的だ。
物価は政府の統計以上に高騰しているのが現実だからです。スーパーに行けば数%どころか、2割くらい値上がりしている商品ばかり。政府の調査対象となる品目は限られており、内容量を減らす『実質値上げ』などもカウントしていません。物価統計は年金支出などに影響するため、政府には値上げ幅を小さく見せたい思惑がある。一方、個人消費は弱く、好調なのはインバウンドで潤うサービス業くらいなものです。個人消費が上向かないのに、政府が価格転嫁を奨励すれば、景気は冷え込むいっぽうです」(斎藤満氏=前出)
 とりわけ苦しいのは、年金頼みの高齢者だ。4月から医療保険料も介護保険料も跳ね上がった。賃上げ税制による法人税控除のシワ寄せも、庶民に押し付けられていく。そこに少子化対策の負担増が重くのしかかってくるのである。
 よくぞ岸田は臆面もなく、「実質負担ゼロ」などと言えるものだ。アベノミクスの「トリクルダウン理論」も足かけ10年以上のヒドイ詐欺だったが、岸田もえげつないタマだ。就任時に掲げた「所得倍増」を、いつの間にか「資産倍増」にスリ替え。今度は1兆円詐欺とは、安倍元首相に劣らない大ボラ吹きである。
 この国の首相には代々政治一家のボンボンで、口から先に生まれたような犯罪的な“ペテン貴族”しか就けないようだ。
「NHK大河ドラマ『光る君へ』の中で、段田安則さんが演じる藤原兼家が、息子の道長にこんなセリフを言っていました。“おまえが守るべきは民ではない。家の存続が政だ”。脚本家・大石静さんの強烈な自民党政府への批判だなと思いましたよ。今の政治は平安時代そのままです」(斎藤満氏=前出)
 そう言われれば、段田安則と岸田の顔はソックリだ。今を逃すと1兆円詐欺の魔の手から抜け出せなくなる。もう政府の戯言に騙されるな。

「歴史的円安背景にインバウンド絶好調」喜んでいる場合と違う

 まるこ姫が掲題の記事を出しました。
 超円安によってインバウンドが絶好調で、その影響で百貨店などの業界は過去最高の売上ということです。輸出型の企業も同様でしょう。国富の流出を伴う円安は国家の没落を象徴するものでまるこ姫は「なんて物哀しいのだろう」と嘆くわけですが、その一方で一部の業種では高収益が上がっているわけで皮肉なものです。
 まるこ姫のもう一つの記事:「自民・谷川離婚しづらい社会になる方が健全だ何時代の発想?」を併せて紹介します。こちらは「離婚が少ない社会」と「離婚がしづらい社会」を混同していることへの批判です。
 文中の青字や太字の強調個所は原文に拠っています。
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「歴史的円安背景にインバウンド絶好調」喜んでいる場合と違う
                     まるこ姫の独り言 2024.04.16
インバウンドで景気が良くなったかのように報道しているが、これかつてない程の円安で円の価値が下がり、海外から人が入ってきているだけの話で「歴史的円安」と言って浮かれている場合じゃない。

歴史的円安背景にインバウンド絶好調 百貨店は軒並み“過去最高”記録づくめの決算に  
       4/15(月) 22:29配信 TBS NEWS DIG Powered by JNN
>百貨店の年間決算は、歴史的な円安を背景にインバウンドが絶好調。各社“過去最高”の記録づくめの決算となりました。
>国内の富裕層向けに高級ブランド品などの販売が好調だったほか、インバウンド客による免税売上高が過去最高の721億円となったことなどが主な要因です。

日本は恐ろしいほど安い国になった。

インバウンド客は免税店に行かなくても、自分たちの国と比較したら日本の物価はダダ安でいくらでも物を買える。

かつて日本の円が強かった時代に、東南アジアへジャンジャン旅行し、そしてヨーロッパなどでブランド漁りをしていた時代と同じことを、相手にされているという事だ。

極度の円安は国民に取ってなんて物哀しいのだろう。
発展途上国並みの日本。

海外客からしたら、日本の物価は恐ろしいほど安く感じるだろうが、私たち日本国民からしたら狂乱物価に近い感覚だ。

特に外食などは回数が減ってきたと思う。
気軽に外食もいけない時代になってきている。

海外客が安い安いと言って食べる食事を指をくわえてみているだけの多くの日本人。
情けなくなってくる。

かつては東南アジアの人たちも、今の日本人と同じような悲哀を感じてきたのだろうか。

インバウンドで,儲かった儲かったと記事には出ているが、日本全体の経済としては景気が良くなったとはとても肌実感がない。

インバウンド需要がある商業施設や、輸出する大企業は「円安さまさま」だろうが、ほとんどの物資を輸入に頼っている日本の場合、多くの人の生活がますます苦しくなってきている。
電気ガス料金まで値上げされては・・・・

この数年、物価は上がり続けとどまるところを知らない。
いつになったら安定した物価になるのか。

賃上げだって大企業はできても、中小零細企業が大企業に追随しての賃上げできるのか。
やはり今の極端の円安は、国民に取ってものすごい痛みがある。

亡くなった安倍はあの世で何を思っているのだろう。


自民・谷川「離婚しづらい社会になる方が健全だ」何時代の発想?
                        まるこ姫の独り言 2024.04.13
出てくるのはいつも自民党議員の舌禍ばかり。
そして強欲ぞろい。

不思議なのは舌禍が山のように出て来ても「自民党じゃないと政権を担えない」との有権者の意識。

この国は、信じられないほど自民党に甘く、野党に厳しい。
どこからそこまで自民党に甘い考えが出てくるのか。

この硬直化した思考で、日本がますます沈没していく。

最近、態度がやたら大きい議員が話題になったばかりだが、今度は、何時代の思考かと思うよう発言を衆院法務委員会で質疑したそうで、野党から反発を食らっている。

「離婚しづらい社会健全」 自民・谷川議員が発言
                    4/5(金) 19:04配信 共同通信
>衆院法務委員会で審議中の離婚後共同親権を導入する民法改正案の質疑で5日、自民党の谷川とむ氏が「ドメスティックバイオレンスや虐待がない限り、離婚しづらい社会になる方が健全だ」と述べた。野党から発言を疑問視する声が相次いだ。
>これに対し、立憲民主党の寺田学氏は夫婦の状況や価値観はさまざまだとし「甚だ強い違和感を持った。離婚することで守られる子どもの利益は多くある」と批判した。

同じ男性でも、自民党議員と野党議員(維新・国民除く)の感覚とは大きく異なる。

自民党議員は、今の時代についていけない議員が多すぎるのではないか?
別に重鎮と言われるような議員ではなく、働き盛りのような年代の人でも未だ感覚が古いのが特徴だ。
青年局とやらが、民間では探しても見ることのできないような「昭和のスケベショー」を当たり前のように開催していたり、「飛行機内での態度が横柄だ」と演歌歌手に指摘されたり、なぜか一般国民とは相当に感覚がズレているし、一時代も二時代も前の古い発想が過ぎる。

夫がこんな思いでいるとしたら妻も大変だ・・・・
谷川の妻の意見を聞いてみたい。

自民党の党是である家父長制度が、自民党は理想なのだろうが、今の時代、離婚しづらい社会になったら、ますます結婚を忌避する女性が増えるのではないか?

せっかくのおめでたい結婚がリスクになるとした少子化が加速する。
今、少子化で日本の人口がどんどん減りつつあるのに、少子化を促進するような谷川の発言が百害あって一利なしじゃないか。

それにしても「離婚しづらい社会」は、相当前の日本の姿で、今、ようやく女性の言い分が認められようとしているのに、なぜ又、女性を縛るような考えを披露するのか理解に苦しむ。 

中東における戦争の拡大を止めよう-英ストップ戦争連合声明

 レイバーネット日本に掲題の記事が載りました。
 イランからの反撃を受けたイスラエルは早速安保理の開催を要求しましたが、国際司法裁判所の停戦命令を完全に無視しておきながらいい気なものです。
 また上川外相4月14日、イランの反撃に対して「イランのイスラエル攻撃を強く非難する」談話を発表しました。しかしこれはイスラエルが4月1日にシリアのイラン大使館をミサイル攻撃したことに対する限定的な反撃なので、イランのみを非難するのは不適当の誹りを免れません。
 「くろねこの短語」のブログを併せて紹介します。
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中東における戦争の拡大を止めよう-英ストップ戦争連合声明
                      レイバーネット日本 2024-04-15
浅井健治@週刊MDS編集部です。
イランによる大規模攻撃を受けて、イスラエルの戦時内閣の閣議では「対抗措置」をとる方針が支持された、と報じられています。以下、英国のストップ戦争連合が14日に発した声明のDeepL訳を少し補整しました。
原文は:https://www.stopwar.org.uk/article/stop-the-war-coalition-statement-stop-the-spread-of-war-in-the-middle-east/ 

-ここから-
ストップ戦争連合声明:中東における戦争の拡大を止めよう

ストップ戦争連合はここ数か月、ガザ地区・ヨルダン川西岸・レバノンに対する、またシリア・イラクにおけるイスラエルの攻撃は地域戦争を引き起こす危険性があると警告を発してきた。ここ数日、その戦争が近づいている。私たちはすべての当事者に対し、自制しこの恐るべき紛争拡大への流れを止めるよう呼びかける。

無人機とミサイルによるイランのイスラエル攻撃は、最も重大なものとしては4月1日にダマスカスのイラン領事館が爆破され、軍上級司令官を含む数人が殺害された事件  それは国際法上、イラン領内への攻撃とみなされる  を含むイラン関係者に対する一連の攻撃への回答であった。

(イスラエルによる)この意図的な挑発的攻撃は、米国や英国、国連安全保障理事会から非難されることはなかった。イラン指導部は、もしこうした非難がなされたなら報復の必要性を感じなかっただろうと述べている

米英仏軍は、イランの無人機・ミサイル攻撃への(イスラエルの)反撃に積極的に関与している。私たちは、イスラエルがイラン軍に対してさらなる攻撃を仕掛け、エスカレーションの新たな連鎖を起こすことのないよう要求する。

私たちはまた、ガザにおける即時停戦と英国からイスラエルへの武器売却の中止を求め続ける。ガザ攻撃で実行された戦争犯罪の証拠は、反論の余地がない。イスラエル指導部の少なくとも重要な構成員は、中東におけるより全面的な戦争を積極的に模索しており、それを支援するよう米国とその同盟国を巻き込もうと望んでいる。

戦争とエスカレーションの論理に反対することは、中東地域への欧米帝国主義の介入を終わらせるよう求めることである。ガザの人びとに対してジェノサイドを実行し、紛争を拡大しようとするイスラエルへの欧米諸国の支援に終止符を打ち、主権を有し解放されたパレスチナのための永続的な和解を実現しなければならない   -ここまで-


イランのイスラエル攻撃を「強く非難」(上川外務大臣)するのに、なぜイスラエルによるイラン大使館攻撃にはダンマリを決め込むのか!!
                       くろねこの短語 2024年4月15日
 イランによるイスラエル攻撃を受けて、ひょっとこ麻生のお気に入り上川君が、
「今回の攻撃は、現在の中東情勢を更に一層悪化させるものであり、深く懸念する」
「このようなエスカレーションを強く非難する」
 ってのたまったそうだ。ちょっと待て。だったら、イスラエルがイラン大使館を攻撃した時にはなんでダンマリを決め込んでいたんだ。こちらの方こそ、国際法違反であり、明らかな侵略行為だろうに
上川外相談話 イランのイスラエル攻撃を懸念「エスカレーションを強く非難する」

— Shoko Egawa (@amneris84) April 14, 2024
イランの大使館が攻撃された時も、同様に強く非難したのかしら?私が見逃していたなら教えて →上川外相談話 イランのイスラエル攻撃を懸念「エスカレーションを強く非難する」(FNNプライムオンライン(フジテレビ系))  https://t.co/5rkknArWJB 

 どうやら、バイデンは「米国の支援はない」とネタニヤフに電話で伝えたそうで、戦火が中東全域に拡大する危険性はとりあえず避けられたかのようにいまのところは見える。

— ガイチ (@gaitifuji) April 14, 2024
バイデンはネタニヤフにイランへの反撃に対する「米国の支援はない」と語る:報告 https://t.co/Ak3aqHIdG4 
“ジョー・バイデン米大統領は、イスラエルのベンジャミン・ネタニヤフ首相に電話の中で、米国はイランに対するいかなる攻撃作戦にも参加せず、そのような作戦を支援しないと語った”

 

ー アームズ魂@fukuchin6666)Apr 14, 2024
安保理の即時停戦決議を無視したり他国の大使館を空爆した加害国が安保理開催を要求?
 国連安保理 イランのイスラエル攻撃めぐる緊急会合開催へ イスラエルが要請(TBS NEWS DIG Powered by JNN) # 
 
#Yahooニュース

 とは言え、何が起きるかわからないのが現在の国際情勢で、万が一、イランとイスラエルが本格的な戦闘行為に入った場合、アメリカが介入しないという保証はない。
 そうなった時に、アメリカが日本に軍事的援助を要請してこないとも限らないんじゃなかろうか。なんてったって、ヘタレ総理は「アメリカと日本はグローバルパートナー」と大見え切ったあげくに、「You are not alone. We are with you」ってドヤ顔しちゃいましたからね。
 「We are with you(日本はアメリカと共にある)」ってことは、「共に戦うぞ」という意味も含まれているんだから、自衛隊派遣要請を断れるわけがない。
 なんとも高くついた国賓待遇ってことだ。

— 布施祐仁/ Yujin Fuse (@yujinfuse) April 14, 2024
首相が米議会であそこまで言ってしまったら自衛隊派遣を断るという選択肢はおそらくないだろう。少なくとも岸田内閣の下では。あの演説はこれから日本にとって重大な意味を持つことになる可能性がある。岸田首相の政権浮揚のためのパフォーマンスでは済まない内容だった。 https://t.co/x6smPJ3yz3 

 


17- 虐殺ジョー(バイデン)が「イスラエルを見捨てた」と言う愚かな共和党員

 ケイトリン・ジョンストンが掲題の記事を出しました。
 米国の二大政党である共和党と民主党の違いは分かりにくいものがありますが、ケイトリンも、どうでもよいことを除けばイスラエルに対する対応を含めて両党には全く差はないという言い方をしています。
 もしもプラントが大統領に再選されれば、彼の個性によって民主党との違いが発揮されるのでしょうが・・・。
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虐殺ジョーが「イスラエルを見捨てた」と言う愚かな共和党員
                   ミに載らない海外記事 2024年4月16日
 ジョー・バイデンが「イスラエルを放棄」し、ハマス支配下に陥れたと愚かな共和党の評論家や政治家連中は主張し始めている。なぜなら、今年は大統領選挙の年で、全てがいつもの10倍愚かな必要があるためだ。
                 ケイトリン・ジョンストン 2024年4月11日
 ジョー・バイデンが「イスラエルを放棄」し、ハマス支配下に陥れたと愚かな共和党の評論家や政治家連中は主張し始めている。なぜなら、今年は大統領選挙の年で、全てがいつもの10倍愚かな必要があるためだ。
 水曜日の遊説中、「民主党に投票するユダヤ人、あるいはバイデンに投票するユダヤ人は頭を検査する必要がある」とドナルド・トランプは述べ、バイデンについて「彼はイスラエルを完全に放棄した」と述べた。
 トランプ元大統領発言は、6~8週間停戦をイスラエルは宣言すべきだというバイデン発言に呼応して行われたもので、イスラエル人質の解放を停戦条件にせずに停戦を宣言すべきだと示唆しているようだった。だが、この希望に満ちた発言は即座にバイデンに打ち消され、ハマスが我々が望むものを全て与えるまで、政権が半年にわたり傍観してきたのと同じ立場を大統領は繰り返した。どうやら、バイデンの認知症でいかれた頭脳は、話をまとめるのに苦労しているようだ。
 一方、ガザ地区に対する左派の要求にバイデンが屈して、ハマスを「救った」という説をデイリー・ワイヤー創設者ベン・シャピロは推進し「今やハマスがバイデン政権を掌握している」とまで発言している。

 はっきり言っておくが、これは全て頭が空っぽな連中のたわごとだ。バイデンは半年費やして何の条件も付けずイスラエルに大量殺戮兵器を注ぎ込み、この間、政権は終始ガザでのイスラエルの凶悪行為全てを正当化し、歪曲し、言い訳してきた歴史上ジョー・バイデンほどイスラエル戦争機構の残忍さに直接奉仕するため行動した大統領はいない
 シリアのイラン総領事館をイスラエルが攻撃し、複数のイラン軍将校が死亡したことに対してイランが報復するのではないかとの懸念が高まるなか、もしアメリカが、イスラエル防衛で動けば、アメリカも標的にするとイランがホワイト・ハウスに明らかにしているにもかかわらず、大統領は今日に至るまで「鉄壁の」イスラエル支持を宣言している。バイデンは非常に熱狂的な親イスラエルで、大量虐殺アパルトヘイト国家に対する彼の揺るぎない支持のせいで、起こり得る全ての中東紛争における最悪悪夢シナリオの崖っぷちに我々は近づいているのかもしれない。

 実際、共和党がバイデンを反イスラエルに仕立て上げようとし始めている唯一の理由は虚構と夢想を通してしか、アメリカ二大政党が両者間に大きな違いがあるように装えないためだ。両党ともイスラエルとその犯罪を強く支持している。両党とも戦争や軍国主義や帝国主義や資本主義や寡頭制を支持している。両党間に意味ある意見の相違がある唯一の分野は、中絶が許されるかどうか、トランスジェンダーに対して意地悪するのが良いか悪いかなど、権力者に不都合でない問題だけだ。それら問題でさえ、人々の関心と注意を主流政治に固定し、革命的感情から逸らさせるためにのみ利用されている。

 それが連中が実際に戦うための唯一の方法なので、連中は戦うため、これら愚かな架空戦場をでっち上げる。ジョー・バイデンはハマスの手先だ。ドナルド・トランプはクレムリンの手先だ。ジョー・バイデンは「中国共産党」に支配されている。ドナルド・トランプは、愚劣な共和党員ではなく、ヒトラーになる。民主党はあなたの銃を盗み、あなたの息子にドレスを着させようとしている。共和党はNATOを解体し、ウラジミール・プーチンに世界を征服させたいと考えている。
 これらはどれも絶対に真実ではないが、共和党と民主党が本当に意見が異なる問題だけで選挙運動を強いられたら、話すことはほとんどなくなり、二大政党制詐欺は全て消え去ってしまうはずだ。あっという間に、中国への核攻撃を強化するのが先か、それともロシアを倒すのを優先するのが最善かといったことに関して、彼らが議論するようになり、人々はどちらの党も普通の人のためにならないことに気づき始めるはずだ。
 それで、連中はプロレス演出のケーフェイ戦闘スタイルを維持し、極力多くのアメリカ人が両手人形の芝居に手拍子してくれるように、できるかぎり一生懸命売り込むのだ。
 選挙が終わり、我々が通常レベルの愚か者に戻れるまで待ちきれない。
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記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com.au/2024/04/11/idiot-republicans-are-saying-genocide-joe-has-abandoned-israel/  

2024年4月15日月曜日

国際司法裁判所の判決にみるウクライナ戦争(羽場久美子氏)

 国際関係学者の羽場久美子・青山学院大学名誉教授は、世界国際関係学会(ISA)副会長(2016-17)を経た後、世界国際関係学会アジア太平洋会長(2021-24)に就いていて、調査団の一員としてウクライナのキエフにも行っています。
 ウクライナ戦争に関する日本のTVのコメンテーターとしてこれまでウクライナ愛好会的なメンバーが専門家として盛んに登場し、「ウクライナが善でプーチンが悪」という、いわば「西側の見方」が宣伝されてきました。

 掲題の記事は羽場氏が、イギリスの調査ジャーナリスト、キット・クラーレンバーグ3月13日に出した記事「ロシアに対する国際司法裁判所(I CJ)へのキエフの訴訟が裏目に出て、ウクライナのジェノサイド告発に道を開いた」を、要約して紹介したものです。
 同氏は、今年1月から2月にかけて、I CJ(国際司法裁判所)が、ウクライナ側が告発したロシアの蛮行に対する訴訟の多くを却下し、逆にウクライナ側のジェノサイドを告発する結果を生み出したと述べています。
 やや長い記事ですが、I CJといういわば世界の良識がウクライナをどう判断しているのかが分かります。

 ゼレンスキーは、パレスチナ戦争に対しイスラエル支持を表明し多くの国から批判を受けました。それは彼の政権がそうした雰囲気であることを思わせます。『ワシントンポスト』ノルドストリームの爆破にウクライナが関わったことを暴露し欧州にも亀裂が走りました。OSCE監視団による複数の目撃証言には、22年2月15日以前にドンバスに対するウクライナ軍の大規模な砲撃が勃発し、同月19日にピークに達したことが記されています(ロシアの下院の代表は、2月15日にクレムリンにドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国を承認するよう正式に要請しました)。ゼレンスキーが「武器を、武器を!」と要求しつつ、その半分を他の紛争地域に横流しして儲けていることも早くから暴露されています。
 もういい加減に「ゼレンスキー(=ウクライナ)は善」という単純な見方は止めるべきでしょう。
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I CJ(国際司法裁判所)の判決にみるウクライナ戦争 
                    羽場久美子 長周新聞 2024年4月12
                     (青山学院大学名誉教授
 今年1月から2月にかけて、I CJ(国際司法裁判所)が、ウクライナ側が告発したロシアの蛮行に対する訴訟の多くを却下する判決を下し、逆にウクライナ側のジェノサイドを告発する結果を生み出したと報じる記事が3月半ばに出た
 これを明らかにしたのは、イギリスの調査ジャーナリスト、キット・クラーレンバーグの記事「ロシアに対するI CJへのキエフの訴訟が裏目に出て、ウクライナのジェノサイド告発に道を開いた」(『ミントプレス』2024.3.13)だ。以下、その内容の抄訳を紹介したい。
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I CJ(国際司法裁判所)の判決
 今年1月から2月、国際司法裁判所(I CJ)は、ウクライナとその西側支援国に、法的ボディーブローを2度与えた。
 まず1月31日、2014年7月のマレーシア航空機MH17便撃墜を含むドンバスでの“テロ”作戦を指揮したとしてモスクワを非難した、2017年にキエフがロシアに対して起こした訴訟。また、ロシアがクリミア併合後、クリミア半島のウクライナ人やタタール人住民を人種差別したと告発した訴訟について判決を下した。I CJは、いずれの告訴も即座に却下した。
 2度目は2月2日、I CJは、ロシアが侵略を正当化するためにウクライナがドンバスのロシア人とロシア語話者を大量虐殺したという虚偽の主張を利用したとしてモスクワを告訴した事件で、予備判決を下したウクライナはさらに、特別軍事作戦自体がジェノサイドを構成していないにもかかわらず、ジェノサイド条約に違反していると非難した。I CJの裁判官は、ほぼ満場一致で、これらの主張を退けた

 欧米メディアは一様に、I CJ判決の本質を無視し、歪曲した。報道機関は、I CJ判決がほぼすべての告訴を却下したことを軽視する一方で、受け入れられた容疑に目立つように焦点を当てることで、最初の判決を誤って伝えた。2度目は、ロシアにとって重大な損失として乱暴に報じられた。BBCは、ウクライナの訴訟の「一部」が審理されることに同意した経緯に焦点をあてたが、その一部とは、ウクライナが2014年以降、ドンバスで大量虐殺を犯したかどうかという問題だったことは言及していない。
 ウクライナの法廷闘争の失敗は、47のEU加盟国とNATO加盟国の支援を受け、2023年9月に32の別々の国際法務チームがハーグに代理人を提出したという茶番劇ともつながっている。彼らは、ドネツクとルガンスクの人民共和国はアルカイダに匹敵するというキエフの奇妙な主張を支持した。裁判官は、この主張を全面的に否定した

 ウクライナとその海外支援国が問題を抱えているのはこの分野だけではない。I CJの判決を詳しく調べると、2014年2月の欧米が画策したマイダン・クーデター後にクリミアとドンバスで何が起こったかという定説の主流派の言説の信用性自体に疑義が生じている。
 要するに判決は、ロシア語を話す親連邦活動家とウクライナ当局との間の、ウクライナ東部全域での何ヶ月にもわたる大規模な抗議行動と暴力的な衝突に続く、“親ロシア分離主義者”に対するキエフの8年にわたる対テロ作戦”に深刻な疑問を投げかけているのだ。

忌まわしい発見に次ぐ忌まわしい発見
 I CJは最初の判決で、ドンバスとルガンスクの人民共和国は「テロリスト」ではないと裁定した。「どちらのグループも、国連の機関によって、これまでテロリストとして認定されたことはない」、キエフがそうラベル付けしたからと言って、そのような烙印を押すことはできず「テロリスト」ではないとの判決を下した。これは、ロシアがドンバスで「テロリスト」行為を行い、またロシアがドンバスでテロリスト集団に「資金提供」しているというウクライナの主張の信憑性を大きく揺るがすものとなった。
 他の発見もこの爆弾発言を裏付けるものだった。I CJは、ドンバスで「テロリスト」が使用したとされる「口座、銀行カード、その他の金融商品」を含むウクライナから提供された資料が、モスクワからのものだと「疑うに足る合理的な根拠」がなかったため、ロシアにはテロを犯した責任、あるいはテロを防げなかった責任すらないと判断した。モスクワは「犯罪容疑者」への捜査を開始したが、彼らは「存在しないか居場所を特定できない」と結論付けたと裁定された。

 皮肉なことに、裁判官たちは、逆にロシアによる“テロ”に関するキエフの主張を、極めて疑わしい証拠や文書に基づき、“曖昧で、高度に一般化されている”と非難した。その中には驚くべきことに西側メディアの報道も含まれていた。
 裁判所は、報道記事や出版物から抜粋した特定の資料は「事実を証明できる証拠とは見なされない」と判示した。
 I CJはまた、告発を裏付けるためにキエフが提出した証人や証人証拠の質についても強く非難した。判事らは、2014年以来、クリミア半島におけるウクライナ人とタタール人に対する組織的で国家公認の「人種差別」を裏付ける証言にウクライナが依拠していることを特に痛烈に批判した。これを証明する陳述書は、「関連する出来事から何年も経ってから収集された」もので、「信頼できる(公式)文書によって裏付けられていない」と
 ウクライナが依拠する報告書は、関連する措置が人種差別的な性格のものであることが確認され、限られた価値しか持たない。人種差別があったと疑うに足る合理的な根拠を証明するため、ロシア当局に捜査を促すべきだった。
 またウクライナは、クリミア半島の非ロシア人に対する差別的な待遇の象徴として、住民が2014年以降もウクライナ市民権を維持することを選択した場合の「法的影響」と、「2014年から2016年の間にウクライナ語で学校教育を受ける生徒の数の急激な減少」があり、初年度に80%、2015年にはさらに50%減少したと主張した。
 この裏付けとして、ウクライナは、子どもが「ウクライナ語での指導」を受けるのを阻止する目的で「嫌がらせや操作行為を受けた」と主張した親の証言書を提出したが、裁判官はこれを受け入れなかった。対照的にロシア側は、子供にロシア語で教えるという「圧力を受けない」選択が可能だっただけでなく、「子どもにウクライナ語の指導を受けさせるよう一部の教師が積極的に励ました場合の親の無反応」を実証する証言を提供した。
 I CJは、「クリミア・タタール語を含む他言語の学校教育が排除されていないことは議論の余地がない」と述べ、これらの提出を重視した。判事は、ウクライナ語の「学校教育」における需要の減少は、「支配的なロシアの文化的環境と何千人もの親ウクライナのクリミア住民がウクライナ本土に移動したこと」によるとしている。ロシア側はさらに「ウクライナの文化遺産を保存する試みを立証する証拠も提出した。明らかにロシア当局はクリミアの住民に対して平等であり、パスポートの色や母国語は重要ではないとした。
 それでも裁判所は、ロシアが「人種差別撤廃条約の義務に違反した」と矛盾して結論づけている。またロシアは「ウクライナ系住民の権利を、その民族的出自に基づく悪影響から守る義務を遵守したことを証明できなかった」と結論づけた。

 I CJは、過去10年間にクリミアとドンバスで起こったことに関する主流の言説全体が欺瞞的であったことを事実上確認した。一部の法学者は、ウクライナが大量虐殺の罪で無罪判決を受けるのは避けられないと主張しているが、マイダン以来、ウクライナの民族主義者によってなされた多くの声明は、大量虐殺があったという意図を明確に示している

英国難民裁判所の判決
 2020年6月、英国の難民裁判所は、徴兵を避けるために国外に逃れたウクライナ市民の亡命を認めた。亡命者たちは、ドンバスでの兵役は必然的に民間人に対する「人間の行動の基本的人権に反する行為」、つまり戦争犯罪への関与を伴ったと主張した。
 裁判所の判決は、ウクライナ軍が「法的または軍事的正当性のない民間人の違法な捕獲と拘禁」を日常的に行っており、それは捕虜交換に「金」が必要という動機づけによるものだと指摘した。さらにドンバスでの「対テロ作戦」中に被拘禁者に対する「組織的な虐待」があった。これには「拷問、残虐で非人道的で品位を傷つける行為」も含まれていた。また「被拘禁者を虐待した者に対する不処罰の態度」も観察された。
 判決はまたドンバス地方で「広範囲にわたる民間人の人命の損失と住宅財産の広範な破壊」があり「ウクライナ軍が行った破壊行為は不十分で不均衡な攻撃に起因する」と述べた。水道施設は、国際法の下で保護された「民間の整備車両や輸送車両」として明示されているにもかかわらず、ウクライナ軍によって繰り返しの標的となった
 これらすべてはジェノサイドを構成すると非常に合理的に主張できる。いずれにせよイギリスの難民裁判所の判決は、ウクライナ政府が最初から本当に戦っていたのは誰なのか、つまり(東部の)自国民だったということを十分に強調している。さらに2014-15年のミンスク合意は、実際は詐欺で、ウクライナに実施の意図はなく、ドンバスでのウクライナの悪意の更なる証拠、つまり欧米の武器、車両や弾薬の備蓄を強化する時間稼ぎだったという、アンゲラ・メルケルとフランソワ・オランドの暴露を合理的に引用できるとした。

 またこの合意は、ドネツクとルガンスクの人民共和国の分離や独立を規定したものではなく、ウクライナ国内での完全な自治を規定したものであった。ロシアは紛争の当事者ではなく調停者だった。ウクライナは反乱軍の指導者たちと直接紛争を解決するはずであった。これはウクライナと海外の支援者たちがひどく不快に思った決定的な法的区別だった。ミンスク合意後の数年間、彼らは紛争におけるロシアの役割が最小限だったにもかかわらず、モスクワを正式な紛争当事国として指定するよう繰り返し試みたのである。

国際危機グループ(I CG)の報告
 金融投資家ソロスが資金提供する国際危機グループ(ICG)が発表した2019年の報告書「理由なき反乱軍」には、次のように記されている。「ウクライナ東部の紛争は草の根運動として始まった…デモはこの地域のロシア語話者多数派の代表と主張する地元市民によって主導された」。モスクワが反政府勢力に財政的・物質的支援を提供し始めたのは、2014年4月にドンバスでウクライナ政府の「対テロ」作戦が始まってからで、しかも貧弱だった。
 I CGは、ロシアの立場は一貫しており、2つの分離独立共和国はウクライナ国内で自治権を保持していると結論付けた。クレムリンはしばしば反乱軍の指導部と大きな対立に陥り、反乱軍は自分たちの利益のために行動し、モスクワの命令に従うことはめったになかった。反乱軍の戦闘員は、たとえウラジーミル・プーチンが個人的に要求したとしても、武器を下ろそうとはしなかった。
 現在の出来事を考えると、報告書の結論は不気味だ。I CGは、ドンバスの状況は「ロシアの占領の問題として狭く定義されるべきではない」と宣言し、クレムリンと反政府勢力を「混同する傾向」があるキエフを批判した。新たに選出されたウォロディミル・ゼレンスキー大統領が「反政府勢力が支配する地域と平和的に再統一」し、「疎外された東部を召し抱える」ことができるという希望を表明した。
 2017年のI CJへの訴訟は、ロシアのドンバスへの直接関与の立証と明確に関係している。この法廷闘争が、2014年に侵略されたと主張するキエフの怪しげな法的根拠を確保する意図があったのかどうかはわからない。結局これは2022年2月に勃発したドンバスにおける欧米の全面的な代理戦争を引き起こした可能性がある。
 2月初め、フランスのエマニュエル・マクロン大統領はミンスクへのコミットメントを再確認し、ゼレンスキー大統領の個人的な保証を得たと主張した。しかし、2月11日、フランス、ドイツ、ロシア、ウクライナの代表による会談は、目に見える成果もなく9時間後に決裂した。注目すべきは、キエフが反政府勢力との“直接対話”の要求を拒否したこと、モスクワが過去の妨害主義者の立場に則り、自らを正式に紛争の当事者に指定することを主張したことだ。

 その後、OSCE監視団による複数の目撃証言に記録されているようにドンバスに対するウクライナ軍の大規模な砲撃が勃発した。2月15日ロシアの有力な共産党が率いる下院の代表は、クレムリンにドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国を承認するよう正式に要請した。(バイデンが2月16日にロシアがウクライナに侵攻するといった前日だ。)プーチン大統領は当初ミンスクへのコミットメントを繰り返し、拒否した。砲撃は激しさを増した。2月19日のOSCEの報告書によると、過去24時間で591件の停戦違反があり、そのうち553件は反政府勢力が支配する地域での爆発だった
 民間人が攻撃で被害を受け学校を含む民間施設が直接標的にされたとみられる。一方、同日ドネツクの反政府勢力は、ポーランド語を話す工作員による領土内のアンモニアと石油の貯留に対する2回の破壊工作を阻止したと発表した。2022年1月、CIAが2015年以来ロシアの侵攻があった場合にまさにそうした攻撃を実行するようウクライナで秘密の準軍事組織を訓練していたことが明らかになった。

 最終的に2月21日、クレムリンはドネツクとルガンスクを独立共和国として承認するという1週間前のドゥーマの嘆願を正式に受け入れた
              ***********
 こうして2月22日、ロシアは、侵攻を開始した。ドネツクやルガンスクが保護を要請し、共産党の下院代表が要請しても拒否していたプーチンがなぜ侵攻に踏み切ったのか――。その背景を、上記の記述は明らかにしている
 加えて、侵攻直後からゼレンスキーとロシアとの停戦交渉が始まったにもかかわらず、最終的には「ブチャ事件」でそれが頓挫し、今日に至るまで停戦が実現していない。ブチャについても調査が明らかになっていくであろう

いったい誰が停戦を拒んでいるのか。
 ここに示した事実は、個人の私見ではなく、I CJをはじめとする国際司法の判決や調査報告で明らかにされていることだ。こういう意見はこれまで「ロシアのプロパガンダだ」「親ロシア派の妄想だ」といわれていたことでもある。それをI CJが今年1-2月の判決で覆したということだ。
 これらの事実から見ても、停戦をためらう意見としてある「ロシアに停戦・撤退せよというのはいいが、ウクライナに停戦しろとはいえない」「ウクライナは抵抗しているのだからそれを支援すべきだ」「先に手を出したのはロシアだ」という認識を前提とする「停戦をためらう状況」は、I CJによって、覆されているといえるのではないか。
 現在、日本でも沖縄をはじめ全国各地に続々とミサイルが配備されている。今も岸田首相が訪米し、同盟をさらにアジア全域に拡大しようとしている。目と鼻の先の中国や北朝鮮に向けてミサイルを突きつけることが日本のためになるのかどうか、本気で考える必要がある。米AI企業のCEOは、先日イスラエルで、「東アジアで想定される未来の戦争は、従来と全く違うものになる。」AI技術を駆使し、イスラエル・ガザ戦争を凌ぐような大きな戦争になるとさえのべている。
 だからこそ、私たちは即時停戦を求める。ウクライナやガザにおいて人命が失われることをまず止める。これ以上双方ともに貴重な人命を殺させない。そして東アジアでは絶対に戦争をさせない。市民から平和を作ることを訴えていかなければならない
(4月1日「今こそ停戦を! Cease All Fire Now!」の第5回シンポジウムでの発言に加筆・修正したもの)