2015年10月27日火曜日

もはや正気の沙汰と言えないNHKの暴走脱線(植草一秀氏)

 政治経済学者の植草一秀氏が、18日に行われた「TPPと農業」に関するNHKの日曜討論で、実際には出席者の構成を TPP批判者1人、賛成者5人にしていたと批判したばかりですが、25日の安保関連法制に関する日曜討論でも、またまた安保法制に賛成した党の議員を6名にし、反対した党の議員を2名にするという不正を行いました。
 世論調査によれば安保法制に反対が6割で賛成はせいぜい4割なので、本来であれば反対と賛成の割合を3対2にすべきなのに、です。しかも維新の除名された議員をふくめて2名出席させながら、政党要件を満たしている生活の党を排除しました。
 政権に有利になるように世論誘導をしようとする魂胆は明らかです。
 
 植草一秀氏は、NHK自己抑制能力喪失しているとし、その行動常軌を逸していると批判しています
 
 そしてここに来て、いわゆる大阪維新の党についての報道ぶりを見ると、橋下氏側の発言を盛んに取り上げる一方で、彼らに批判されている松野頼久氏などの維新の党執行部の発言、反論まったく示されていないということです。
 
 植草氏は、NHKのこのあり方は11月22日に行われる大阪府知事選と大阪市長で、橋下徹氏サイドが擁立する候補者が当選するための選挙活動を展開していることに他ならないもので、公職選挙法と放送法に抵触しかねない悪質な行動であるとしています
 
 25日、26日両日のブログ:「植草一秀の『知られざる真実』」を紹介します。
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もはや正気の沙汰と言えないNHKの暴走脱線
植草一秀の「知られざる真実」 2015年10月25日
政党要件を満たしている政党に所属する現在の国会議員数は以下のとおり。
 
政党名    衆議院    参議院     合計
自民党    292      115      407
公明党     35       20       55
民主党     73       59      132
 新     25        9       34
共産党       21        11       32
生活の党      2        3        5
 民       2        3        5
次世代        0        5        5
 気       0        5        5
 革       0        1        1
無所属       24       10       34
 
10月25日のNHK日曜討論は、維新から2名出演させ、生活、元気、改革を出演させなかった。所属議員数がたった5名の次世代の党を出演させた。
戦争法案に賛成したのは自民、公明、維新、元気、改革、次世代である。
出演させた政党を見ると、自民、公明、維新、維新、次世代が賛成であり、反対政党は民主、共産、社民だけである。しかも、民主の現執行部は共産党との共闘を否定する。実質的に6対2の討論を演出しているのである。
 
こうした腐敗しきっているNHKを即時解体するべきである。
司会進行は、NHKを代表するヒラメ社員、偏向三羽烏の一人、島田敏男だった。権力にすり寄り、権力に迎合し、権力の虎の威を借りて横柄な司会進行を行う残念なヒラメ社員である。
戦争法案に反対する主権者は主権者全体の過半数に達していると見られる。ところが、NHKの番組では、賛成の出演者数を多く配置する「偽装」を施す
線を引くなら、国会議員数で線を引くのが当然だ。
自民、公明、民主、維新、次世代
共産、生活、社民、元気        で討論させるべきだ。
 
生活の山本太郎議員が厳しく政府の悪事を指摘して批判するから、NHKは権力の意向を受けて生活を排除している。
このような不正を行う放送事業者を公共放送として存立させるべきでない。
なにしろ、日本が安倍晋三氏に支配されてしまっているのである。
その安倍晋三氏がNHKを私物化して、史上最低の籾井勝人氏をNHK会長に据えている。
NHKの経営委員会を私物化し、NHKの運営を根底から歪めている。だから、NHKが完全に腐敗するのは当然のことである。
 
このNHKが放送受信契約の強制化を求めている。言語道断も甚だしい。
安倍政権は本業を放り出して血税での海外旅行を繰り返す。
憲法の規定で安倍政権は国会を召集しなければならないのに、これを無視する。憲法など存在しないのも同じである。
立憲主義を否定し、議会制民主主義を否定する安倍政権。
その御用報道機関に成り下がるNHK。
 
主権者はNHKに対する放送受信料の支払いを凍結するべきである。主権者がNHKの放送受信料支払いを強制される合理的な根拠は存在しない。
NHKは放送電波にスクランブルをかけて、NHKと放送受信契約を締結した者だけが放送を視聴できるように対応するべきである。
制度改定の方向は、強制徴収ではなく、受信契約の任意制への移行である。
こんなNHKは一刻も早く解体するべきである。
 
現時点でNHKが維新の党から2名を出演させるというのは、NHKの自己抑制能力の喪失を物語っている。維新は内紛を続けているが、総務省もまだ維新の手続きを受理していない。
党を除名された人々が党大会を開くという前代未聞の行動を示し、この人々が党を解党するとしたのだ。そのグループの代表者を討論番組に出演させるというNHKの行動の方が、さらに常軌を逸している。
維新は戦争法に賛成した政党であるから安倍政権が優遇したいというのは分かる。
しかし、だからと言って、公共の電波を使う政治討論番組において、このようなあり得ない不正を実行するとは、NHKが放送受信契約者をなめきっているということに他ならない。       (以下は有料ブログのため非公開
 
 
NHK橋下勢力支援は公選法・放送法違反でないか
植草一秀の「知られざる真実」 2015年10月26日
NHKは、昨日、橋下徹氏の発言をニュースで伝えた。
 
「橋下氏 近く結成の新党“大阪以外の議員参加も”」
                                  (10月25日 17時52分
大阪市の橋下市長は大阪・豊中市で街頭演説し、近く結成する新党「おおさか維新の会」では、大阪以外を地盤とする議員の参加も得て、さまざまな政策課題に取り組みたいという考えを示しました。
 
大阪市の橋下市長が近く結成する新党を巡って維新の党は事実上分裂し、新党側の議員は24日、大阪市内で臨時の党大会を開いて維新の党の解党を決議したのに対し、執行部側は解党には応じず、新党側の出方によっては法的な措置も辞さない構えで、激しい対立が続いています。
 
こうしたなか、橋下市長は25日、大阪・豊中市で街頭演説し、「維新の党は国会議員と地方議員が対等の関係だったはずなのに、東京の国会議員が大阪の地方議員をバカにし、除籍処分にするなど不合理極まりない、むちゃくちゃなことをやっている」と述べ、改めて執行部側を批判しました。
 
そのうえで橋下市長は、「沖縄や岡山の議員も新党に参加し、一緒に戦うと言ってくれている。彼らとともに大阪の力を蓄えなければ大阪の再生は実現できない」と述べ、近く結成する新党「おおさか維新の会」では、大阪以外を地盤とする議員の参加も得て、さまざまな政策課題に取り組みたいという考えを示しました。
ウェブサイトに掲示された他の関連ニュースは次のものだった。 
  (関連ニュース
維新 新党側が解党決議 執行部側応じず対立続く(10月25日 4時42分)
維新 新党側が党大会 執行部側と対立激化    (10月24日 6時11分)
維新 下地氏と儀間氏 近く離党し新党参加へ   (10月23日 19時13分)
維新の党 除籍処分の議員らが解党を決議     (10月24日 19時31分)
 
維新の党は一部党員を除名している。この除名された議員が党大会を開いて解党を決議したが、法的有効性は不確かである。弁護士の郷原信郎氏は、内容を精査したうえで、橋下徹氏の主張に法的根拠がないことを指摘している。
 
「弁護士たる政治家」としての橋下徹氏への疑問 ⇒ https://goo.gl/87Alfo 
 
この分析の結論を一言で要約するならば、
「橋下氏の論理は、幾重にも飛躍しており、凡そ法的な論理になっているとは言い難い」 というものだ。
これに対して、橋下氏の側も反論しており、まさに泥仕合をなっている。
 
このなかで、NHKは10月25日の「日曜討論」に維新の党から2名を出演させた。
前代未聞の暴走・脱線である。党として設立もされておらず、内紛を展開している政党から、2名を出演させることの合理的根拠はない
他方で、生活の党や元気の代表者を出演させなかった。
 
ここまでNHK運営が常軌を逸すると、これは、国会で責任問題を追及する必要が生じてくる。主権者は放送受信料支払い凍結を一斉に実行するべきだろう。
 
NHK受信料支払い凍結の方法については、
        「NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ」
がガイダンスを提供下さっている。
 
NHKが何を実行しているのかは明白である。
大阪では11月22日に、大阪府知事選と大阪市長選が実施される。橋下氏が主導して設立する大阪維新の党が両選挙に候補者を擁立する。
NHKは橋下徹氏サイドが擁立する候補者が当選するための選挙活動を展開しているのである。
公職選挙法と放送法に抵触しかねない、悪質な行動である。
 
上記の関連ニュースを見ても、橋下氏の主張反対側にある、松野頼久氏などの維新の党執行部の発言、反論がまったく示されていない。
NHKのニュース報道は、橋下氏が大阪のために奮闘しているという、橋下氏宣伝にしかなっていない。このNHKの超偏向の裏側には、米国の指令、CIAの関与があると見て間違いないだろう。
このようなNHKを一刻も早く解体しなければならない。
 
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