2013年6月15日土曜日

日本の人権大使が国連で「シャラップ」と

 やや古いニュースですが、先月の22日に国連で日本の上田秀明・人権人道担当大使「シャラップ」(黙れ)と発言したことが、14日、毎日新聞、産経新聞、中日新聞(東京新聞の親会社)をはじめとする地方新聞、スポーツ新聞などで報じられました。
 この事件はインターネットでは先月から話題になっており、それらの情報を要約すると概要は以下のとおりです。

 問題の発言があったのは2122日にかけて開かれた国連拷問禁止委員会で、同委は警察など国家権力による拷問などの非人道的な扱いがないかを調査するところです。今回は日本が審査対象として選ばれ、そこでは各委員から「取り調べに弁護人の立会いがない点」や「取り調べ時間が制限されていない点」など指摘されました。
 そして議事の終了間際アフリカ・モーリシャスの委員が、日本の司法制度の透明性「中世の名残」であるとして、「刑事手続を国際水準に合わせる必要がある」と述べました。
 その発言に対して上田大使は、「先ほど日本の司法制度は中世という指摘があったが、日本は世界一の人権先進国である」と述べ、そのあと直ぐに「先進国のひとつだ」と言い直すと会場から失笑が漏れました。すると大使は「笑うな! なぜ笑う? 黙れ!と声を上げまし。会場は直ぐに静まりかえったのですが、大使はご丁寧に一呼吸おいてからダメを押すようにもう一度黙れ!と繰り返しました(同大使のたどたどしい英語の演説とともに、このシーンは動画で公開されています)。

 「シャラップ(Shut up)!」(黙れ!)は、古い西部劇映画などで聞いた覚えがありますが、普段は口論の時でも使わないような下品な言葉で、公の場所で口にするものではないということです。
 日本の大使は大使館内で自分のことを「閣下」と呼ばせていると聞きます。何とも驚くほかはありませんが、そうした尊大さ、傲慢さが当人の非常識さと相俟って国連の場で発露されたものと思われます。
 なお会議中、各委員からの上記の指摘に対して日本側は誠意のある回答をしなかったというので、肝心の、日本の検察や警察に対して上田大使が改善を提言する可能性も皆無と思われます。

 以下に産経新聞の記事を紹介します。
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国連で「シャラップ」日本の人権大使、場内の嘲笑に叫ぶ
産経新聞2013年6月14日
 国連の人権条約に基づく拷問禁止委員会の対日審査が行われた5月22日、日本の上田秀明・人権人道担当大使が英語で「黙れ」を意味する「シャラップ」と大声で発言していたことが13日までに分かった。「シャラップ」は、公の場では非礼に当たる表現。
 日本の非政府組織(NGO)によると、対日審査では拷問禁止委の委員から「日本の刑事司法制度は自白に頼りすぎており、中世のようだ」との指摘が出た。上田大使は「日本の人権状況は先進的だ。中世のようではない」と反論したところ、場内から笑いが起き、上田大使は「何がおかしい。黙れ」と大声を張り上げたという。
 委員会は、警察や国家権力による拷問や非人道的な扱いを禁止する拷問禁止条約に基づき1988年に設置された。国連加盟国の審査を担当し、対日審査は2007年に続き2回目。前回審査でも日本政府側から「(委員は)日本の敵だ」との発言が出たという。(共同)